第八節:軍師
すでに一つ目の
「相手にゃ軍師でも居るのかね? 相当な堰の組み方だぞありゃ」と『ゲルハート』がいった。
「違いねえ、一個目で軍隊式じゃからな」と『ウィーゼル』がいう。
「その代わり固まっててくれるから砕くのは楽よ」と『セリア』がいった。
「精神力持ちますか? あと何個出て来るか分からないんですけど?」と私が聞いた。
「私は抑え気味ですからいいのですけれども
「対象が真ん中によればよるほど、丁度良いのだけれど」と『セリア』はいったのであった。
「それだけだと楽観的すぎますよ」と私がいった。
「相手はどこかの軍師みたいですし、抑え気味に行かないと」と私が追加したのであった。
「そっかー、
そして五つ以上堰を壊して分かったことが二つ、相手は軍隊式であるということ、そして死霊の軍団であるということであった。
ただ死霊の軍団でここまでの堰を作れるほど頭のいいのが、相手に居るということで全員一致した。
五つ壊すと堰そのモノは無くなったが、街道に仕掛けが施してあるらしく『ゲルハート』が昔取った
なので御者は『ウィーゼル』と『ゲルハート』の二人で行うことになった。
「だがこれだけの仕掛けじゃ、シゴクはもう乗っ取られてるんじゃないかのう?」という『ウィーゼル』の一言に皆
「まだそんなに深刻になる必要はないんじゃないか? 堰と仕掛けくらいなら亡者でもできる程度のものだ。街はまだ無事だと思うぞ」と『ゲルハート』は少々楽観的に物事をいったようだった。
「だと良いんじゃがな」と『ウィーゼル』の方が深刻そうだった。
「城塞都市ってんなら確かに大丈夫かもしれないが、いままで通ってきた街と変わらない作りのようじゃからな。どこかから突破されてなきゃいいんじゃが」と『ウィーゼル』は不安そうではあった。
「それに多分なんだが、ヤツラの本体とやり合うのは俺らが先のはずだぞ、そういう意味では気をしっかりと張っていてくれよ」と『ゲルハート』は先が見えているようだった。
どうやら探索者の監視眼が冴えているようで、どこそこに部隊が居るとかいいながら、私たちで蹴散らしていったのであった。
そういう意味での取りこぼしは無かったといえる。
「あれが本陣か、中々平城っぽく仕上げてやがるな」橋さえかけちまえばこっちのもんだ、ウィーゼルは目立たないように『セリア』と一緒に来てくれ。俺と『ウィオラ』で先行する」といったのであった。
「それか隕石命中で橋っぽいものを作ろうか?」と『セリア』はいった。
「できるのか? そんなこと」と『ゲルハート』がいった。
「それくらい朝飯前ですよ! 多少
「それと門も壊そうか? 二人でするにはちっと厳しいでしょう? 門は?」といったのであった。
なので「『セリア』さんに任せますのでやっちゃって下さい!」ということにした。
「
『セリア』はそのまま四人の頭上に「
「今よ!」と言われるがままに、敵を
『ゲルハート』は私が斬り漏らした敵を薙ぎ払って進んで来ていた。
そして『セリア』はさらに隠れている敵をレイダーで索敵し本気で撃ち漏らしなしの状態に片付けて行ったのである。
敵ボスはまさかそんなモノが後ろから来ているとは思わず、各個撃破の指示を出したがもう遅かった。
敵ボスの目の前まで私が斬り込んだのだ、白い王冠を被って。
そのまま敵ボス目掛けて「二閃一陣!」と斬り抜けた。
今ので敵がレイスだと分かった、本物であるとわかった。
「
「貴様何者!」と問われたので「白の魔剣士参る!」と答えその場から神速の戦場居合に
その速さに追いつけず、体の半分以上を斬り裂かれるレイス!
そこに黒い影が、猛烈なスピードで突っ込んできた。
そいつは斬り抜けるでもなく突き抜けてから「
レイスは「ただでは済ません」と漆黒の大剣を持つ者に襲いかかろうとした。
しかし「遅い!」といいながら私が踏み込み零距離からの真空刃二十八連撃をほり込んだ。
そしてレイスはその時点で、粉微塵に斬り刻まれ絶叫すらする暇もなく、空に溶け消滅した!
その時、周囲にいた
そうして街道の占拠は終了した。
残った堰を衝角突撃の応用で全て打ち壊し、さらにその応用で穴の開いていた街道の一部を埋め戻したのであった。
そして私たちは馬車に戻った。
すると白の王冠は空に溶けて消え、街道はまた静寂さを取り戻したのであった。
そしてシゴクへの旅路に戻った。
シゴクの大門では亡者が遺跡に戻って行くといった報告や、二頭立ての白馬の馬車がこっちに向かってくるといった報告やらで、ごった返していたが『ウィーゼル』のもつ書簡で問題なく通れたのであった。
そして『ゲルハート』は衛兵詰め所で「レイスをヤッてきたのは俺たちだ」といって街道にはもう脅威はいないと言って報奨金を受け取ったのであった。
報奨金は六千ゴルトだったらしい。
第四章 第九節へ
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