第二十三節:登山道と下山道

 夕闇に包まれていくリングイングに無事到着し、また閉まる寸前の大門で御者さんが、オシュル商会の特命印の入った書状を見せたため街の中に進入する特別許可がおり街の中に入る事ができたのであった。


 リングイングはサラトとはまた違う変わった街である。


 周囲が高原であるにもかかわらず石造りの街であった。


 またそこにもオシュル商会の白壁、青い屋根の宿屋があったのではある。


 宿に付くと私を先頭にして入り、真っ直ぐフロントに向かい、フロントで例の手紙を見せた。


 するとまた、ロイヤルスイートツインダブルに皆案内されたのである。


 そして「セッティングは万全です。何なりとお申し付けくださいませ」と、またいわれたのであった。


 なので、ルームサービスで夕食を頼むとこれまた豪華な夕食を持ってきていただき、皆でゆっくりと味わって食べることができたのであった。


 そしてまた、豪華なお風呂をいただいてから、キングサイズのベッドで寝たのであった。


 また、チェックアウトは十一時と変わらないので問題なく、「ゆっくりとした時間をお過ごしください」と言われ、朝食がゆっくりと取れたのであった。


「今日はペルトナまで行きますよ!」と御者さんたちもノリノリで旅が始まったのである。


「風景が今度はダイナミックに変わりますので車窓の景色もお楽しみください」といわれたのであった。


「途中から登山道に入りますので、少々揺れが厳しくなりますが楽しんでください」と無茶振りされる一面もあったが、「お昼は一旦停車しますのでその際に食べてください」と御者さんたちからいわれたのであった。


 登山道までは、特に問題の無いいつも通りの馬車専用道であったため特に気にはならなかった。


 お昼は登山道に入ってから直ぐだった、停車場に止めるとお昼が始まったのであった。


「今日のお昼は何かなー」と『セリア』はウキウキしながらボックスを開けた。


 今日は珍しく麦飯のおにぎりと保温瓶に入ったスープであった。


 簡素ながらしっかりとした味とボリュームがあり、皆満足して食べていた。


 ここのところの旅路の楽しみと言えば中身が変わるお昼と豪勢ではあるが街によって少しづつ内容の変わる夕食、後は車窓の風景くらいしかなかったのである。


 慣れって怖いものよね、とは『セリア』の弁ではあるが、「要するにコレだけ長くロイヤルスイートに泊まっていると自然と体が慣れてきちゃって、多分後が大変よー」というのである。


 まあ最もな意見であったが、泊まれるなら泊まろう良い所への感覚もあり特に慣れと私は感じていないのであった。


 実家にいた頃と感覚はちょい違うが、似ているのであるからして、どうということは無かったのである。


 登山道は比較的傾斜けいしゃゆるやかで言うほど勾配こうばいはきつくないようではあったが、それは御者さんの腕で緩和かんわされているだけであり頂上付近は坂がキツクなって行った。


 頂上はとがっておらず、高原といった感じであり、山というよりはおかを大きくしたものといっても過言では無かった。


 そして、「ペルトナの街はその丘の頂上付近に存在するので見晴らしはとてもいいですよー」と御者さんたちは一様にいうのであった。


 但し注意しなければならないのは下山時であるらしかった。


 遺跡が近くにあるため、偶に化物や亜人種のモンスターが沸くのである。


 頂上付近まで行くと直ぐ南方に比較的大きな街が夕暮れの中見えていた。


 あれがペルトナか、こんな大きい街が頂上付近にあるなんて不思議ねーとは思ったがそこに在るのだからそうなんだろうと思ったのであった。


 今回の旅は目的地の一個ではあるが、あくまでも通過点なのだ。


 今旅の目標ポイントは今はカルトルであったからである。


 そしてまた閉まる前の大門に無事到着し、御者さんがオシュル商会の特命印の入った書状を見せたため街の中に進入する特別許可がおり街の中に入る事ができたのであった。


 またそこにもオシュル商会の白壁、青い屋根の宿屋があったのではある。


 宿に付くと私を先頭にして入り、真っ直ぐフロントに向かい、フロントで例の手紙を見せた。


 するとまた、ロイヤルスイートツインダブルに皆案内されたのである。


 そして「セッティングは万全です。何なりとお申し付けくださいませ」と、またいわれたのであった。


 なので、ルームサービスで夕食を頼むとこれまた豪華な夕食を持ってきていただき、皆でゆっくりと味わって食べることができたのであった。


 そしてまた、豪華なお風呂をいただいてから、またキングサイズのベッドで寝たのであった。


 チェックアウトは十一時と変わらないので問題なく、「ゆっくりとした時間をお過ごしください」といわれ、朝食がゆっくりと取れたのであった。


「今日はザブールまで行けるかどうかわかりません!」と御者さんたちは今日はどことなく真剣だった、事前情報でモンスターが出ているとの一報があったからであった。


 だが旅は始まったのである。


 今日は弁当箱の数が若干多かった。


 曰くザブールの門前町で、ザブールの大門が開くのを待つ可能性があるからであった。


「何? 乗っているのは手練れの冒険者四人なのよ! モンスターがたばで出ても蹴散けちらすわよ?」と『セリア』は御者さんたちに真面目に話した。


 それを聞きながら、私も平然と聞いているし、『ウィーゼル』はボキボキと指を鳴らしだしたし、『ゲルハート』も「久しぶりだから加減なんてできないぜ!」といい出したので少し安心したらしい。


「ただ、今日中に入れるかどうか距離がギリギリなんです」と本音をいってくれた。


「何、もし入れなかったら今度は俺らが御者さんたちのガードを受け持とう。それで構わないだろう?」と『ゲルハート』が理性的に引き止めたので彼らは落ち着きを取り戻したようだった。


 地図上では本来は直線が引けるのではあるが、邪魔な遺跡があるため道が大きく迂回して曲がりくねっているのである。


 下山道にモンスターは居なかった。



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