小説書き始めて二ヶ月、ついにお金を頂きました

石藤 真悟

お小遣いが欲しいというだけで始めた小説執筆

第1話 自分は恵まれていたということに辞めてから半年後に気付くアホな男

忘れもしません。

2019年 9月4日。


「もう限界です。たった二十万程度の給料で怪我をするリスクがあったり、高額な機械の整備に関しての責任を自分が負わされるなんて割に合わない。辞めます」


私は上司にそう言って、去年の十月末に従業員五千人以上の大企業を辞めました。

大企業といっても所詮は高卒。

月の給料も大して貰っている訳ではありませんでした。


良いところと言えば、どんなに業績が悪くてもボーナスが年間四カ月分は保証されていた事と福利厚生がしっかりしていた事ぐらいですかね。


正直、営業しかやってない同期の大卒の人間よりも、整備兼営業をやっていた自分の年収が150万くらい下だったのも気に食わなかったんだと思います。


お客さん達は、現場に出てこない大卒の人間よりも自分の方を頼ってくれるので、それはとても嬉しかったです。


しかし、どこかで納得していなかったんでしょうね。

3年7ヶ月で辞めました。

本当は夏のボーナス貰ったらすぐ辞めたかったんですけどね。

有休は午前半休しか取らせて貰えなかったので有休消化に大分時間が掛かりました。

しかも、5月には伝えていたのに辞めるなんて言うなよと認めて貰えず、限界に達して9月に会社でブチギレて、ようやく……10月末に退職ですからね。


まあ、転勤して一月で辞めたいなんて言われたら止められるのも分かりますが。


その後地元に戻り、大きい工場の下請けの会社に就職しました。

以前働いていた職場よりかなり楽な業務なのに同じぐらいの給料が貰えて、残業も無いし、年間休日も多い。


最高でした。


しかし、その考えは今年の夏のボーナスの時に消えて無くなるのです。


ボーナスが無い。


そう現在の会社はボーナスが出ない会社だったのです。


先輩達にこの会社はボーナスは出ないって言われた時はキツかったですね。


前の会社では少なくとも手取りで30~35万程度のボーナスは貰えていたので。


まあ、ヤバかったですよ。

ボーナス月の支払い。

車のローン12万円がのし掛かってきました。


一応、退職金の残りがあったので払えないということは無かったのですが、とうとう辞めて半年で退職金が全部無くなりました。


……約300万の車を5年で払うってキツいですね。

通常の月は4万円の支払い。

ボーナス月は12万円の支払い。

年間64万円ですね。

今の会社はボーナスも残業も無いので、年収は250万円。


いやーキツイ。

そこに更にコロナですよ。

4勤2休だったのが3勤3休。

これだけ休みがあるんならダブルワークしちゃダメですかって聞いたんですけど会社にはダメだって言われまして。


しかも、これだけではありません。


今の会社は、退職金も無いんですよ。


何か会社で積立とかしてるのかな……って甘い考えもありました。

ですが、それは個人でやってくれと。


正直、ビックリしました。

なまじ最初に入った会社が大企業だったのが悪かったんですかね。

退職金はあるもんだと勝手に思ってました。


周りにも言われましたね。

そんな会社でずっと働き続けたら老後困るだろ? って。


でも、今の会社は福利厚生は酷いですけど、休みは多いし、働く時間は短い。


だけど、お金はもうちょっと欲しい。


それで、始めたんですよね。

小説を書くって事を。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る