第39話


 うぉぉぉあけおめことよろお久しぶりですそして投稿日時遅れて申し訳ない!(超早口)

 取り敢えず投稿ですはい!微妙にお色気!



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 快活な声とともに送り出された俺達は、すっかり日が暮れた夜の街に身を晒す。左手には今日買った服が入った袋を提げ、俺の右手側にはルリが居た。

 かなり気分が浮ついているのに加えて、嬉しさも強まっているのか、笑顔で俺の腕を掴んでいる。手、ではなく腕だ。


 結構密着しているが、その服装は最後に試着していたワンピース。試着したまま購入した形で、普段人混みはあまり好きではないルリも、お洒落して外に出るという感覚を覚えている様子。

 

 一つ現実的なことを言ってしまえば、かなり混んでいるのである意味人目を引かないという点だろう。俺も、この可愛いさしかないルリと行動していることを周りに自慢してみたい気もしたのだが、相変わらずこの街は人通りが激しく、黒髪黒目の二人組であることを考慮しても周りが目を留める可能性は少ない。

 メインストリートを外れた場所じゃないとまともに他人なんか見ない程なのだ。


 「…………トウヤに、見て、貰えれば……それで、いい」

 「そう言ってくれるのはとても嬉しいんだが、最近ちょっとデレすぎじゃないか?」

 「……デレて、ない」


 いや、これをデレと言わずしてなんと言おう。流石に直接聞きすぎたのかプイっと顔を逸らされてしまうが、対照的に腕への抱きつきが強くなる。

 ツンデレと言うほどツンは無い。むしろ今もほぼほぼデレだろう。


 ルリは交友関係が広くなさそうだし、恐らく寝食をこうして共にしたのも俺ぐらいなのだろうことは簡単に把握が出来る。元々最初から嫌われてはいなかったし、むしろ好かれているようなところはあったが、だからこそ余計にこうして距離が縮まっているのだろう。


 媚びているとかそんな感じはなく、本当にただ純粋に甘えているだけなのは分かっているのだ。分かってはいるが、甘えられ過ぎて困惑がある。

 男にそんなくっついていいのかとか、そんな体を押し付けて恥ずかしくないのかとか。


 俺が慣れているだけで、普通こうもデレデレされるようなことはカップルぐらいじゃないと無いだろう。それも凄く仲のいいカップルだ。

 仮にも家族と言うのであれば尚更。普通を考えるなら、俺とルリの関係でこれは明らかに過剰である。


 ……それを言えはしないのだが。


 「今日はお疲れ様。買い物も、満足出来たようで何よりだ」

 

 宿に着き、部屋でルリに声をかける。


 そのルリはと言えば、やっぱ女の子だな。買ってきた服をベッドの上で出して見つめている。

 ワンピースは外用だが、寝間着としての服ももちろん買ってある。ネグリジェ……は流石にないが、着ぐるみやらモコモコボアパジャマやら。


 「……楽し、かった……これ、買ってくれて、あり、がと」

 「どういたしまして」


 お礼はまぁ、素直に受け取っておこう。早速今夜寝る時に着る服を選ぼうとしだすルリは、チラッと俺の方を見て視線を伏せる。

 なんだか、俺の方から何も言わなかったらそのまま着替え出しそうな雰囲気だ。それもちゃんと恥ずかしがりながら。それは俺の精神的にも困るので、先に察して部屋の外へと向かう。


 「……トウヤ?」

 「少し外に出てる。着替えるだろ?」

 「……別に、居ても、良い」


 案の定のセリフ。露出狂では無いだろうが、ルリは俺に信頼を見せようとする面が最近は特に多くあるので、恐らくそれだろう。

 確かに家族ならばわざわざ着替える際に部屋を出ることもあまり無いし、お互い気にしないが、俺はそうではない。


 ルリのことは普通と比べれば非常に近い距離の相手として見ているが、それとこれは別だ。どこまで行ってもルリは異性で、まぁ子供のような見た目と言えばそうだが、そう言えるほど完全に子供という訳でもない。


 「俺が気にするから、勘弁してくれ」

 「……見たく、ない?」


 ルリは俺にどうして欲しいのだろうか。そういう目を向けて欲しいのだろうか……非常に困る話だ。少なくとも俺には難易度が高い。

 何を見るのか、というのは聞くまでもない。着替えと言っているのだから……下着とか、体とか、そういうことだ。


 過去も含めて今までの会話の意図を汲み取るなら、ルリは多分性意識をこちらに持っている。お互いに異性で、ルリの現状の立場を考えれば、ルリにとっての俺は唯一の身近な異性と言っても過言ではない。客観的に見て、意識する相手としては何もおかしな話ではないと思う。

 好意という意味で取れば、それは素直に嬉しい。


 俺が同じ立場なら意識するし、現に異性として俺もルリを意識はしている。それが積極的か消極的かの違いだ。


 で、自意識過剰でないのなら、ルリはその……それに対して積極的なのだろう。うん。

 その結論を否定できるほど、俺は人の機敏に疎くない。断然敏い方だと言っても良い。


 だからこそ多分ルリは俺が考える通りなのだと思う。もちろんその真偽を知っているのはルリ本人だけではあるが、一緒に寝たがったり、やたら過剰なスキンシップを欲しがったり、局部に触れてきたり、単に親愛から甘えるにしてはどれも少し違うものだ。

 今までの情報からそう捉えない方が難しい。そう捉えたくない思いはあるが。


 取り敢えず中々センシティブなことを聞いてきたルリには、確認を兼ねて同じように聞き返してみることに。

 

 「こう聞くのはちょっとアレだが、見せたいのか?」

 「…………トウヤが、見たい……なら」


 困ったことに変な回答が返ってきてしまった。はい、いいえの二択じゃないのかよ。こちらに選択権を委ねるやり方はずるだろ。


 そこは例え俺が望んだとしても拒絶して欲しいが、何故ルリはこうも俺に従順なのだろう。聞き分けが良いを通り越しているし、そっち方面のことまで許容されるのは心臓に悪い。

 なんか、もしかしたらルリは|が強いのかもしれない……いや俺、ルリに対してなんて考えをしているんだ。


 奉仕願望が強いのかもしれないなんて考え始めたら、この先余計にルリに対し一線を引いてしまいそうだ。そりゃ意識もしてしまうよ。


 流石に直接的すぎる発言なので、そういう意味で少し脅してみるのも考えたが、ルリの場合低くない可能性でそれすらも受け入れてしまいそうなのが怖い。

 『変な気分になってもいいのか?』と聞いて『良い』と返ってきた時、無言になって行動を起こせなくなる自信があるぞ。


 だから、返答に困る。


 「……トウヤ」

 「いや、そんな名前呼ばれても……俺にどうしろって言うんだよ。今までだって着替えの時は廊下で待機してたろ、それで良いじゃないか。それとも、俺を変態に仕立てあげたいのか?」

 「…………下着、とか、あまり興味、なさそう、だった、から……服、買う時」


 服を買う時? ……あぁ、クルクル回ってワンピースの裾が捲れ上がりそうになった時か。

 

 「……なんか、嫌だった、から」

 「……そういうのはな、普通は露骨に反応を出さないもんだ。例え心の中でどう思っていても、そういう欲求なんてポジティブとは言えないし」


 どうやら自分に興味が無い様に思えたのが嫌だったらしい。なるほど、それで引きつけようとしたのか。確かにあの時も、俺があっさりと見えなかったことを口にしたことに対して『がっかりしてもいいのに』と言っていた。

 そして当然、俺は露骨に反応はしない。


 「……じゃあ、本当は、興味ある……?」

 「ルリ、今凄いこと言ってるからな? 男に聞くにしてはあまりにも直接的過ぎるぞ」

 「…………いま、さら」


 確かに今更だな。今更だけど、自覚があるならもう少し自重して欲しい。そういう言葉を聞くこちらの身にもなってくれ、分からないだろうけども。


 「……だって、私は、トウヤがどう、思ってるか……聞きたい、から……」


 ルリの顔を見る。からかっている様子はなく、真面目だ。真面目に自身のそういうのに関して興味があるか俺に聞いているらしい。

 ルリがこういう話をする時は、決まっていつも真面目なのだ。からかう訳じゃなく、本心から聞いてきて、故に適当な返事や対応を潰してくる。意識してやっているのならかなりの策士だ。


 「……どう?」

 「さっきも言ったが、異性を相手にそういうのは隠したいもんなんだ」

 「答えたく、ない?」


 誰だってそういうのは隠したい。どんな異性が相手であってもほとんどの場合綺麗に見られていたいし、だからこそそういった部分の内容は隠したくなる。

 正直を悪いと言う訳では無いが、俺にとってそれはネガティブなもので、他者に関与して欲しくないことで、少なくとも自分から認めるなんてことは絶対にしたくない。



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 えぇ、はい。皆様お久しぶりです。この後書き書いているのが既に23:01なので長々とした物は次回。


 次回ですが、今回は年始スペシャルということで、次回は明日に投稿致します。本当は元々7000文字ぐらいで1話だったのを今回のお話と次回のお話の二話に分けただけですが、スペシャルと言っておいた方がお得感ありますでしょう。


 ちなみに次回もルリの積極回です。よろしくお願い致します。

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