有澤雑記
有澤いつき
第1話 枕草子
枕草子は高校古典でやったのが最後です。それ以降、ちゃんと読もうとはしていません。どちらかといえば源氏物語の方が興味あって、現代語訳の現代物語(文庫版)は集めていた時期もあります。5/13くらいで飽きてしまったけど。第一部すら読了できていない。
なんで今更枕草子? ひとつには、カクヨムで枕草子を題材にした小説を読んだなってご縁があります。
正直、これは枕草子を読みたいという話ではなく、万年筆を使いたいがために枕草子の写経を始めました、という話です。
昨年末、自分へのご褒美に前から興味を持っていた万年筆を買いました。高級なやつではないです。万年筆を持ったことがないから、初心者用のスケルトンタイプのやつを一本。でも万年筆持ってますってだけでちょっとテンションあがりませんか? そういう些末な充足感味わえて嬉しかったから買ったんです。使う予定はなかったけど。
書くものがない! 買ったのに!
インクもね、最近のインクってすっっごいお洒落なんですね……カクテルモチーフのやつとか、和風の名前のとか、引かれるものがいっぱいで。私は和風の名前のインクを買いました。
そりゃあ、せっかく買ったなら使いたいじゃないですか。でも小説の執筆も書評の執筆も全部パソコンとかスマホでやってしまうし、ノート集めるのとか文房具大好きなんだけど、使うタイミングがないんですよ。それが残念で。どうせなら使いたいな、何書けばいいかな……と思ってたときに、そうだ枕草子写経しよう、となりました。
始めたのは二ヶ月前くらいからかな? しっかし亀の歩みなので、まだ三十段くらいしか書き終わってません。これまた趣味で衝動買いしたロルバーンのリングノートに写経してますが、ノート半分くらい使ったかな。「減る」ってすごく嬉しいんですよ。なくなったら次のインク、ノートを使えるから。とにかく使って消費したい。集めるの好きだけど、溜め込んでおけるほど家広くないし。
写経して枕草子の奥深さとか清少納言に思いを馳せたりすればいいのかもしれないけど、そこまで高尚な作業はできてません。「この段意外と長いな」とかそういうテキトーな感想抱きながらテキトーにやってます。
いいんですよそれで。私は気負ってしまうと形から入る人間だから、めちゃくちゃルールでがんじがらめにしちゃう。毎日写経は一段しなくちゃとか、文章の意味を理解してから進むとか。でもそこまで「ちゃんと」すると、私は苦しんで飽きて放り投げてしまうので、そういったちゃんとしたルールは決めないことにしました。気が向いたときに、飽きるまで写す。特に文意は考えない。綺麗にひらがなが書けたなとか、その程度に留めておく。
これをやることで教養が身に付くとかはないです。意味があるかと言われると、たぶんあんまりない。これは私が「万年筆を使ってロルバーンを消費している」という充足感を得るための作業なので。これだけで私テンションあがるんですよ? 安いのか高いのかわからん趣味ですね。
前は束ノートの収集をしていましたが、お引っ越しを機にやめました。代わりにロルバーンを集め始めました。結局ノートを集める癖は変わってません。好きなんだもの文房具。
あとは、小さいボトルのインクが早くなくならないかな、と思いながら枕草子を書いています。「紫式部」ってインクがあったのでそれを買ったらめちゃくちゃ面白いかもしれない。紫式部で綴る枕草子。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます