暗夜航路

話は、ここより第2部に入る。


時は2009年10月…


私・イワマツは37歳、2009年11月30日で38歳になる。


まずは、イワマツのメンバーたちのその後についてのお話しから始める。


デリシャン株をすべて取得したポムじいさんは、デリシャンの代表取締役社長に就任した。


ポムじいさんは、自らの保有分は45パーセントに下げた。


残りの55パーセントのうち、40パーセントはそれぞれの株主に返還して、15パーセントは私が保有する形で整えた。


サーシャさんは、2000年11月にツーハンで大成功をおさめたあと、年中無休でプレタの活動に取り組んでいる。


パリコレ・ミラノコレ・トーキョーガールズなどの世界規模のファッションショーに進出した。


アメリカ合衆国をはじめ、イギリス・EU地域・韓国の通販チャンネルの販売商品でファッションワードローブの部門でベストファイブに入るなど、『サーシャ』ブランドの名前が世界に広まった。


サーシャさんの9人の娘さんたちも、ファッション・コスメの商品開発に取り組んでいる。


B班は、活躍の拠点をトロントからプリンスエドワード島に移して、班ごとの活躍を展開する。


A班のメンバーたちは、再び世界各地を飛び回る日々を送る。


時は、10月2日の朝7時頃であった。


A班のメンバーたちが乗っている専用機は、足摺岬沖を飛行していた。


このあとのフライトスケジュールは、九州北部を通って経由地のチェジュ島へ向かう予定である。


私は、CDウォークマンで歌を聴きながら窓に写る風景を見つめていた。


イヤホンから流れている歌は、キムヨンジャの全曲集に収録されている歌である。


その中から『暗夜航路』を1曲リピートにセットして聞いていた。


専用機の窓に写る足摺岬を見つめている私は、なにを考えていたのか…

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