兄の前だけドン引きなことをする妹は人前では普通なのがこわい

闇野ゆかい

第1話

「ただいまー。絆いるのかー」

スリッパを履いて家に上がり、リビングに向かう。キッチンに行き、お茶を冷蔵庫から出し、コップに注ぐ。

階段を下りてくる音がしない。

コップを口につけて、お茶を飲む。飲み干し、階段を上がる。

疲れたし、少し寝よう。

自室に入り、部屋着に着替えてベッドに横になる。

うとうととしてきて目を瞑る。


◆◆◆

寝ていると部屋の扉が開き、妹の絆がスマホを持って写真を撮り始めた。

そんな夢を見た。


◆◆◆

ハッと目が覚めた俺。

扉の方を見ると数cm開いていた。ちゃんと閉めたはずなのに。

えっ。もしかして夢が現実だったのか。ベッドを下りて絆の部屋に向かう。

絆の部屋の扉をノックする。

コンコン。

部屋から不気味な笑い声がしていた。俺は数歩後退りをする。

慌てるガチャガチャ音がする。

扉が開き絆が出てくる。急いで扉を閉めて何かを隠してるようだった。

「な、何。兄貴」

動揺している。

「絆、もしかして俺の部屋に入った?」

「はは、入ってないよ」

動揺しっぱなしだ、何かを隠してる絆。

「絆の部屋に入っていいか」

「ダメーーーー」

大声を出される。

「わかったよ。悪かった悪かった」

謝る俺。

まあ、普通に考えていけないことだよな。

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