掌編小説・『ソフトクリーム』
夢美瑠瑠
掌編小説・『ソフトクリーム』
掌編小説・『ソフトクリーム』
私は16歳の女子高生なんですけどーご多分に漏れず、ソフトクリームが大好きなんです。ソフトクリームってまず形がファンタジックでいいですよね。円錐形で、持ちやすいように少し長いカップっぽいウェハースもおしゃれです。その上に渦巻き型のアイスが、松明(たいまつ)みたいに鎮座している。
そのギザギザのついた渦巻きを見ていると条件反射で?つい誰でもすぐペロッと舐めたくて仕方なくなる感じ・・・
アイスは綿菓子みたいに甘くてふわふわで、一口舐めると、舌が蕩(とろ)けそうになります。全身の知覚神経が魔法にかかったみたいにクリームの甘さに魅了されて、私はアイスのとりこになって、しばらくは陶酔して、何も考えられなくなります。
それにしてもこんなに見るからに美味しそうで、夢のある感じのデザインをよく考えたナーとか思います。
私は自由の女神が持っているのはアイスクリームかと思っていたんですけど、そう言うとお兄ちゃんは軽蔑したように、「あれは理性の光を表すたいまつだよ」と、教えてくれました・・・お兄ちゃんは秀才なのです。
最近はアイスクリームもいろんな味が出ているけど、私はだいたい保守的なので、バニラがやっぱり好きです。
あの何とも言えない独特の甘い香りがたまりません。
バニラというのは植物だそうですが、花じゃないんですね。樹皮の香りかしら?
とにかくねーぶっちゃけソフトクリームって素晴らしい!
スイーツの定番のナンバーワンじゃないかしら?
もう甘くて甘くて可愛くて可愛くて、女の子の嗜好というものを心憎いほどに知り抜いている人が作ったみたいな、風味とデザイン。
そいしてもちろん舌が溶けそうなクールでソフトなクリームの甘さ・・・
つくづく素晴らしいと思います。
そういうのは「味蕾の至福」、とでもいうかな?と、お兄ちゃんは難しい表現を教えてくれました。
そうそう、そんな感じね!ジーンとしみじみ感動しちゃうみたいな感じ!と私も同調します。
・・・今日も二人でアイスクリームを食べました。
期末試験が終わったら・・・ああ夏休み!
今私は冷たいアイスクリームを食べている時みたいな「至福の青春の季節」真っただ中にいます。
♪おとぎばなしのー王女でもー昔はとても食べられないアイスクリームーアイスクリームー♪
鼻歌が耳から離れなくなりました・・・
<了>
掌編小説・『ソフトクリーム』 夢美瑠瑠 @joeyasushi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
所謂、女性遍歴?/夢美瑠瑠
★12 エッセイ・ノンフィクション 連載中 15話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます