夏の日

七瀬モカᕱ⑅ᕱ

散歩

「さてといきますか。ん、お散歩行こうね、ハロ」


 八月、気温が毎日当たり前のように三十度を超えるそんな時期。テレビのからは毎日のように、熱中症や、記録的猛暑なんて言葉が聞こえてくる。私は愛犬のハロを連れて、ひまわり畑まで散歩に行くことにした。


 ハロはもうかなりの老犬だ。最近は食もかなり細くなってきている。けれどこうして散歩をする時だけは、すっと立ち上がって玄関までスタスタと歩いていく。


「さぁて、行くよハロ。」

 リードをつけていつものコースを歩いていく。

 家から少し離れたところにあるひまわり畑まで、ゆっくりゆっくり進んでいく。


「今日も綺麗だね、ハロ。」


 私はあと何回、ハロとこうして散歩ができるんだろうか。それは誰にも分からない。だからこそ、この瞬間を大切にしなくてはいけない気がする。


「あっつ、ねぇ暑くない?大丈夫?」

 私はハロに話しかける。人間と犬では言葉は通じないかもしれないけれど、小さい頃から一緒に兄妹のように過ごしてきてきるから何となく、ハロの気持ちはわかる気がする。こんなことを言うとハロに怒られそうな気がするけれど。


「よし、じゃあ帰ろう。帰ってお水飲もうよ。あ、でも私はアイス食べたいかな。」


 この当たり前ができるだけ長く続きますように。

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夏の日 七瀬モカᕱ⑅ᕱ @CloveR072

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