第43話
ニジTV第一会議室 0:15
1人になった美麗は、まだ神様との対談が現実として受け入れ難いのか落ち着かずに書類の整理など雑用をこなしていた。気を紛らわそうとしてるのだろう…
すると美麗の携帯に幸之助の着信が来た。
美麗
「どうしたの……えっ……そんな… わかった、待ってる」
美麗は、少し思案してからスマホを手にしてユミカに電話した。
1:42
幸之助がニジTVに戻って来た。車を降りると迷わずエレベーターに乗った…行き先は美麗の待つ第一会議室、中では美麗とユミカが待っている。
何故か、3人で再集合…そう、亮介は居ない…
幸之助
「早速だけど、神様を呼ぶよ」
そう言うとスマホから神様に電話した。 スマホが光ると空間が裂け異次元の世界にやって来た3人…神様の前で硬い表情をしている。
神様
「話は、亮介の事じゃ… あやつはこの世界で生きる喜びを知った。 この世界に残るためなら悪魔側に着くかも知れん」
美麗
「生きる喜びを知ったからこそ人類滅亡を望む悪魔と全力で戦うはずよ」
神様
「この世界の亮介に会わされたら…亮介は、どうすると思う」
幸之助
「亮介に会わされるって、亮介は生きてるんですか?」
神様
「悪魔が異次元に閉じ込めとる…」
皆が、考えを巡らす…亮介が2人なのは理解してる、しかし自分の知ってる亮介は本当の亮介は1人…
本当の亮介が現れたら別世界の亮介とどう向き合えば良いのか…
神様
「ワシが悪魔を消滅させた後で元の世界に亮介は戻されると悪魔に吹き込まれ、悪魔に見方すればこの世界に残すと言われたら…
あやつにとっては天国と地獄ほど違う2つの世界…こっちに残りたいと思うのは至極当然」
幸之助
「亮介が悪魔に付くと…」
美麗
「でも、亮介は悪魔の目的を知ってる、そんな話に乗るかしら…」
ユミカ
「そうよ、人類を滅ぼそうとしてる悪魔を信じるなんて…」
幸之助
「こっちの亮介に会わされたら…1つの世界に2人の亮介が居られない事は桜を見て知ってる…そうなれば自分は悪魔の言うように戻されると考えるんじゃないか…」
ユミカ
「そんな…」
幸之助
「実際のところ、どうなんですか? 悪魔を消した後、亮介を元の世界に戻すんですか…」
神様
「お前達の知る亮介次第じゃ…悪魔に捕らわれて随分たっとる、亮介が昔のままだとは限らん精神に異常をきたしている様なら2人の亮介をこの世界に置けるが、異常が無いようならそれぞれ元の世界で生きてもらう…」
ユミカ
「どうして、2人ともここに居たらダメなの?」
神様
「一緒にすれば、桜の様に狂い出す… そして、亮介の影響力がこの世界から無くなると2つの世界はバランスを保てなくなる…前にも言ったが桜と桜が表と裏、光と影なら2つの世界も同じ事だ…
光の出した影がそれとは違う形になればそれに釣られ光りも歪む、それは世界の崩壊を意味する…」
幸之助
「世界のバランスを保つために亮介は元の世界に戻される…この世界を知った亮介には地獄って事ですね」
ユミカ
「そんなの…今さら耐えられないわよ…」
神様
「亮介を信じたいが、あやつを全面的には信用出来ない… だからお前達の協力がワシには必要じゃ…亮介を監視しつつ悪魔と接触してワシを悪魔の異次元に呼んでくれ! それで、全てが終わる…」
会議室の話し合いは神様以外テンションだだ下がりで、神様が消えた後の会議室は葬式のような湿っぽい状態だ。
幸之助
「どう思う…」
ユミカ
「どうって…色々有りすぎて、どれの事」
美麗
「あたしが一番気になるのが、こっちの亮介(逆転世界)の事よ」
幸之助
「そうだな…」
ユミカ
「亮介(逆転世界)が生きてて、精神に異常があるかもって神様言ってたけど…」
幸之助
「まぁ可能性の話だ、それに悪魔は亮介(逆転世界)を利用しようとしてるから洗脳されてる可能性の方が高いと思う… でも正直、僕が聞きたいのは2人の亮介への対応…僕は、亮介(逆転世界)と今の亮介を対等には扱えない…」
美麗
「亮介(逆転世界)に恩があるのはあたし達も同じ…」
ユミカ
「亮介(逆転世界)が居ないから今の亮介と依然のように接してるけど…2人になったら…なんか複雑…」
幸之助
「今の亮介には悪いが元の世界に戻ってもらうのが最善だと思う…」
美麗
「あたしは、神様に従う…亮介(逆転世界)の状態次第って言ってたでしょ」
ユミカ
「そうね、亮介(逆転世界)に会って見ないと分からないわ」
幸之助
「そうだな… 取り敢えず、日替りで亮介と連絡を取るようにしようよ」
美麗
「じゃあ、明日あたしで次がユミカで幸之助君の繰り返しで良い?」
3人は日替りで亮介と連絡を取り監視する役をする事を決めて、心に燻るものは亮介(逆転世界)に会ってから考える事にして解散したが、みな一応に今の亮介に罪悪感を感じながらも逆転世界の亮介が無事である事を願っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます