第33話
… 戻されたか…結局肝心な事は聞けなかったな…でもこれで、みんな信じてくれるだろう …
医院長室には誰も居なかったので亮介は医院長室を出て待合室に向かう。
待合室では幸之助とユミカが深刻な顔で話し合っていて隣では夏希が不安な表情でうつ向いていた。
亮介
「みんな心配しないで、もう大丈夫だ」
亮介に気付いた3人は一応に安堵し、質問責めが始まる。
どう言うことだ!
隠れた訳じゃ無いでしょ!
何してたの!
怪我はない?
警察に連絡するところだったぞ!
“聞いてくれ!神様に会ってた”
静まり返る待合室、最初に口を開いたのは幸之助だった。
幸之助
「……詳しく聞かせて貰おうか」
幸之助はみんなをVIP専用個室に案内した。
幸之助
「始めてくれ」
軽く頷くと亮介は話出した。
「医院長室の扉を開けたら、途端に暗闇に落ちた…」
ユミカ
「私は見てたから、亮介は医院長室に居ると思ってた」
亮介
「開けた瞬間に異世界に移され、そこには神様がいた」
夏希
「さっきまで神様と異世界にいたって事…」
亮介
「そうだ」
幸之助
「神様が何かの用事で亮介に会いに来たのか?」
亮介
「そう見たい何だけど…それはまた改めるって言ってた」
ユミカ
「わざわざ会いに来たのに…また改める…どうして?」
亮介
「僕がいろいろ聞いたりお願いしたりしたからだと思う」
ユミカ
「何をお願いしたの?」
亮介
「みんなに会って僕が転移されたって証明してとか、他の神様の事や他に転移された人の事とか自分でも急な事だったから…パニくって…そしたら神様がタイムラグをやるって」
ユミカ
「タイムラグ?」
亮介
「僕はだいたい10分ぐらいで戻って来たけど…こっちではどう?」
幸之助
「もう1時間ぐらいたつぞ…」
ユミカ
「その差は50分、亮介はちょっと未来に現れた事になるわね…もしくは、隠れてたか」
亮介
「そうそう、ロッカーの中に…ってなんでやねん!」
一同
…………
…………
…………
… あちゃー!ノーリアクションなのねぇ~~!! …
神様の影響がまだ残ってる亮介のノリ突っ込みに誰も反応しない…固まる亮介…幸之助が何事もなかったかの様に喋り出す。
幸之助
「亮介が医院長室に入ったのはみんなが見てた……だが、医院長はなかなか来ない亮介を探して僕達の所にやって来た、亮介が医院長室に入って10分ぐらいしてからだ」
ユミカ
「その後、亮介を探し回って途方にくれてるところに亮介が現れた…」
夏希
「私はもう信じて良いと思ってる」
亮介
「ありがとう…あと、神様の携帯番号教えてもらった」
なにぃ~~~!!!!!!
うそ!!!
えぇ~~~!!!!
ちょ~びっくりの一同にスマホを見せる亮介。
「ほんとだよ、ほら」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます