第27話

大膳幸之助は亮介に謎のブレーンが居ると考えていた…


 亮介に救われて恩義を感じている幸之助だが亮介の才能に多少の違和感を感じていた、これからはネットの時代だと言う割には主体性を感じられず他人の受け売り感が強かったため、既に雑誌などでスターだった亮介には優秀なブレーンが居ると思い何年か前に直接聞いて見たが


 “そんなのが居るならそれは幸之助だよ” と、言われ本当の事は分からずじまいだった。





亮介


「これを見てくれないか」



亮介がSNSの返信を見せる…



  “こちら側へようこそ”




差出人は神様の角と書かれている。意味の分からない幸之助が亮介に尋ねる。



幸之助


「イタズラ…これがどうかしたのか?」



亮介


「下らないイタズラだと思うかも知れないけど僕にとっては大事な事なんだけど…」



その先を話さない亮介の心情を読んだ幸之助は、無理に探ろうとはしなかった。



幸之助


「余り話したく無いならそれでも構わないよ…」



亮介


「ごめん、今はまだ話せない」



幸之助


「わかった。早速調べて見よう」



そう言うと幸之助は、部下を呼んで神様の角を調べさせる。



幸之助


「ちなみに、あの子と居るのはスキャンダルのカモフラージュか何かか?」



亮介


「…違うよ、タイプだから」



ブッー!ゴホッ!



幸之助が飲みかけのコーヒーを派手に吹き出した。



幸之助


「何のジョーダンだ、笑うよりビックリしたぞ」



亮介


「性格がねぇ」



幸之助


「なるほど、そう言う事か…まぁ、なんにしても時間がかるから… なんか謎だが性格がタイプな子とフェアリーで遊んでて良いぞ」



亮介


「ありがとう。そうするよ」





夏希の下に戻った亮介は、幸之助に頼んだ用事が片付くまでフェアリーで遊ぼうと言って夏希をまたフェアリーランドに連れて行く。




フェアリーランドに着くと夏希が少し元気が無いことに気付く亮介。



亮介


「なんか、テンション下がってない?」



夏希


「違うの、そうじゃなくて幸之助さんの用事が何時くらいに終わるか気になっただけ…」



亮介


「どうして?」



夏希


「だって…それ次第でエレクトリカルパレードが見れないかも知れないから…」



うつ向いて寂しそうにする夏希に萌え萌えの亮介。



… かっかわいい~~寂しげな表情サイコーだぁ~~ …



亮介


「パレードが見たいの?」



夏希


「うん」



… うなづくだけで、かわいい~~ …



いちいち萌え萌えのキモい亮介。



亮介


「なんだよぅ~、言ってよ。じゃあパレード優先しよう」



夏希


「ほんと、嬉しい~~」



わぁ~~い! わぁ~~い!



夏希のテンショはン急上昇、それを見て亮介のテンションも急上昇… フェアリーランドをスキップしながら進む2人は、まさにバカップルそのものだった。







Eveエンタープライズ


社長室



バカップルがフェアリーランドで浮かれてるころ、ナナと館石社長は更なる悪巧みを模索していた。



ナナ


「あたしもフェアリー行って見ようかな…」



館石社長


「おいおい、行ってどうするんだぁ?」



ナナ


「あんなとこでブスと居たら好奇の目に晒されるはず… でもあたしが居ればそれは羨望の眼差しに変わる、亮介があたしの価値に気付いて態度が変わるかも知れないでしょ」



館石社長


「…亮介がブス専ならどうにもならないだろ」



ナナ


「そうだけど、まだ確定した訳じゃないでしょ」



館石社長


「それに、記事の事いろいろ疑われてるんじゃないか?」



ナナ


「たぶん…でも、当然あたしは被害者を装おうわ」



館石社長


「そうか…この件はナナに任せるから好きにしな。 ただ、亮介のブス専はこっちで調べるからな」




ナナはフェアリーランドに向かい、館石社長は馴染みの探偵に電話をする。




館石社長


「もしもし… ちょっと調べて貰いたい事があるんだが、来れるか… そうだ… あぁ、待ってる」




しばらくして、館石社長の下に探偵がやって来た。



ノックもせずにヅカヅカと社長室に入りソファーに座ると依頼内容の催促をする。



探偵


「何を調べればいんだ」



館石社長


「大スター山神亮介の記憶喪失後の生態だ…」



探偵


「生態… 山神亮介の素行調査って事か?」



館石社長


「まぁ素行だが、性癖の方の生態をメインに探ってくれ」



探偵


「山神の性癖?」



館石社長


「記憶喪失になってからブス専になった可能性がある、それを調べてくれ」



探偵


「はぁあ~~? 山神亮介がブス専、原因が記憶喪失!」



館石社長


「いま、ナナが神山のサポーターやっててな…そっからの情報だ」



探偵


「本当だったら、面白い事になりそうだな」



館石社長


「あぁ、頼んだぞ」



探偵は頷くと席を立ち、社長室を出て調査に向かった。



後ろ姿を見送る館石は、亮介がブス専だろうがそうじゃ無かろうがこのネタを何らかの形にして金にするつもりでいた。




フェアリーランドでは日没と同時にバカップル待望のパレードが始まった。


 パレードの先頭が亮介達の近くを通る時、歓声が上がる。歓声の先を見ると両手を大きく振ってナナが亮介に向かって歩いて来た。





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