けものフレンズ~ジャパリパークの更に続き~

帽子の男

序章 あれから

第1話 あれから

無印けものフレンズから6年後… 


~パークセントラル森林地帯 午前4:13~


「はぁ…はぁ…」


まだ薄暗い森に一人の人が、


「はぁッ!」


その人はパークガイドの探検帽を被り、黒い上着をはおり、背中には白いリュックサックを装備して、薄暗い森の木に吊してある木の板にナイフで攻撃を与え、1枚一枚的確に割っていく。


「これで最後っ!」


パコンッ!


「カバン、オメデトウ、今マデノ中デ1番ノ記録ダヨ」


かばんと呼ばれたその女性の腕には腕時計の様な物がくっつき、それが音声を発している。


「ありがとう、ラッキーさん、いつも手伝ってくれて…」


かばんもその腕時計に話し掛ける


「大丈夫ダヨ、ソレヨリモ、早ク研究所へ帰ロウ、ジャナイト、アノ二人ガ目ヲ覚マシチャウヨ」

「あはは…そうだね、戻らないと…」


かばんは足早に自分のおうちへ帰宅した。


~パークセントラルかばんのおうち~


かばんは二人の助手を起こさないようにそーと自室に帰ると、ベッドに転がりみ呟く。


「サーバルちゃん…」


かばんは机の上の写真立てに入っている1枚の古い写真をベットから見て、再びベットに突っ伏す。


かばんは考えた、キュルルと言う子は何でサーバルを連れて行ってしまったのか…

何故、私はあの子にサーバルをもう一度任せたのか、

どうして一緒に行かなかったのか、


怖かったから?


研究があったから?


サーバルにはもう、新しいパートナーが出来たから?


もう、イヤだ…こんな世界、


もういっそ旅にでも出ちゃおうか…


旅…


そう、かばんが考えていると腕に着けているラッキービーストが緑色に点滅し始める。


「メガネさんから……?」


かばんは腕のラッキービーストを自身の端末に近づける。

すると、端末上に文面が表示された。


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かばんへ


今度機会があったらボウシの所に行ってあげて欲しい。

この前君が見つけた海のサンドスターを使いたいって言ってた。

本当はボウシが行くって行ってたけど、ボウシは今すこし怪我をしちゃってあんまり動けないんだ。

だからもし、暇があったら何時でも良いから海のサンドスターを持ってボウシの所に行って欲しい。

ヨロシク(^^)/


メガネ


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「かばん、どうするのカナ?」


かばんは読んだ紙を丸めてゴミ箱に捨て、少し考えてから言う。


「直ぐ、行きます、」


「解ったヨ、じゃあ準備をして、行コウ」


かばんは一度脱いだ上着とかばんを背負い自室から出る。


そして、ガレージに行ってバスに乗ろうとすると思い出す。


「そう言えば博士達のご飯…」


かばんは急いで戻りサクッとレトルトカレーを作りラップを掛けて書き置きと共に置いた。


「こんな適当なもので悪いけど……」


かばんはその後バスに乗り、指定があったアンインエリアを目指した。


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~アンインエリア、ゴコクエリアへの橋、 ゴコク大橋~


橋上にはブーニーハットを被った男と複数のセルリアンハンター達がゴコク側の橋の入口にバリケードを構築していた。



「ボウシさん!バリケード設置完了しました!」


一人のフレンズが近づき敬礼をしながら報告する。


「報告ご苦労、ドール」


ボウシはドールの方を振り返る。


ボウシは腕に包帯を巻いていた。


「腕、大丈夫ですか?」


ドールが心配そうに聞くとボウシは包帯の上から目をさする。


「少し痛いが、大丈夫だ、まあ、これだけで済んで良かったさ……それに、」。

「ボウシさんー!」


途中まで言いかけたがバリケード側からボウシを呼ぶ声が聞こえた。


「どうしたキンシコウ、探索隊が帰ってきたか?」


「はい、帰って来たんですが、そのうち何人かがビーストになってしまったそうです、怪我人が多数なので急いでメインゲートを開けて欲しいと……」


「解った、直ぐに開けよう、だが警戒は怠らなよ、」


ボウシはバリケードのメインゲートを開放した。

サイレン音と共にゆっくり上がる対サンドスター合金の重圧な扉。


完全に開放されるとゴコク側から8人のフレンズが入ってきた。

内、何人かは足を引きずったり腕を押さえたりしていた。


医療班メディク!直ぐに怪我人を臨時病院に移送!治療に掛かれっ!」


「了解!なのだ!」

「はーいよー」


アライグマのフレンズとフェネックギツネのフレンズが怪我をしたセルリアンハンター達をジャパリバスに次々と乗せる。


その時、警戒音が鳴り響き、ゲートが自動で閉まり始める。


「ボウシさんっ!」


ドールがボウシの方を向くと既にボウシはバリケード上に居た。


「シーラ!数は?」


ボウシは同じくバリケード上にいるチンパンジーのフレンズ、シーラに話し掛ける。

シーラは望遠鏡の様な機械で確認する。


「ザッと150なの!……あっ!あれはっ!」


ボウシは自分の単眼鏡で確認する。


元隊員ビーストだ……」


ビーストと共に橋にセルリアン達が差し掛かる。


「総員!投げろっ!」


ボウシが大声で指示するとフレンズ達が瓶をセルリアンに向かって投げる。


瓶は割れ、中の液体が周囲に飛び散る。


ぱっかーん!


それに触ったセルリアンは溶けた。


「くそっ!まだ来る……シーラっ!アレを使うぞ!」


「了解なのっ!えいっ!」


シーラはバリケード上に箱を置いた。


「さて……パーティーの始まりだな」


ボウシは箱の側面を足で押す、すると、箱が自動で開き、中から出て来たのは……


長方形の白い物体が出て来た。


「ロングレンジサンドスタージャマー、これでどうにかなってくれっ!」


そう言うと同時に手に握っていたリモコンのスイッチを押す。


と、同時に直線上のセルリアンが消滅した。


「効果抜群、流石だなシーラ」


「でも、ビーストがっ!」


「落ち着け」


シーラがボウシの方を見ると彼はライフルを構えていた。


「ちょこまか動くな…」


そう言い引き金を引くとビーストに注射器の様な物が突き刺さる。


最初の内は苦しんでいるようだったが、

しばらくすると動かなくなった。


ボウシはバリケードから降りて、ビーストに近寄る。


「うぉぉぉぉぁ!」

「ぐっ!」


しかし、その時、ビーストは力を振り絞りボウシの目を引っ掻く。


そして、薬が効いたのか、倒れた。


ボウシは左目を抑える。


(眼球は無事、目の周りに損傷か…)


取り敢えずボウシはビーストを担いでバリケード内に担ぎ込む。


「左目をやった、包帯をくれ」


ビーストを担架に乗せ、一息ついたボウシはドールに頼む。


「は、はいっ!すぐにっ!」


ボウシはドールが探しに行っている間立ち上がり、ビーストに近づく。


「これで8人目か…治療ポットも残り2台、これ以上の犠牲者は出せない」


と、ボウシが呟くとドールが帰ってくる


「お待たせしましたっ!包帯です!」


「ああ、助かる」


包帯を受け取り左目に巻き終わるとブーニーハットを被りビーストの乗った担架を押して軽装甲車の後部座席の空間に乗せる。


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元第3サンドスター応用研究所


ビーストの乗った担架を押して、広い空間に出る。

そこには10個ほどの四角い棺桶の様な物が等間隔で配置されて機械的な音がぐぉんぐぉんなっていた。


ボウシは装置の1つの前に担架を持っていき装置の側面についている赤いボタンを押して装置を開ける。


プシューという音と共に装置は開き、霧が溢れ出る。


ボウシはビーストを担架から下ろし、装置の中に入れると赤いボタンの隣にある青いボタンを押す。


すると装置の蓋が閉まり装置内のビーストは煙に包まれた。


「…目覚めるのは短くて半年後か」


装置に表示された残り時間を見てそう呟くとボウシは部屋の出口へ向かう。


「きっと取り返して見せる、あの島を」


ボウシはそういうとその部屋の扉が閉まり、照明が落ちる。

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けものフレンズ

ジャパリパークの更に続き



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ブロォォォォ...


サンカイエリアの荒野を一台のバスが走り抜ける。


そのバスを操縦しているのは、かつて、

フレンズ達と力を合わせ巨大セルリアンを

倒したヒトのフレンズ。


かばん


彼女はバスの後部座席に海で発見されたサンドスターのサンプルを入れて、これからとある産物に届けにいく。


その人物は、かつて、一部の戦闘が得意な

フレンズをセルリアンと戦えるように訓練し

セルリアンハンターとしてパーク中に派遣していた謎多き人物、ボウシである。


彼は数か月前、サーバルを失い、意気消沈していた、かばんの元に訪れてとんでもない話をしたのだった。


〜数ヶ月前〜


「ここをこうして……」


かばんが自室のデスクに向かって

ラッキービーストをいじくっていると、

部屋のドアがノックされる。


「誰ですか?」


「俺だ失礼していいか?」


「どうぞ!」


ボウシがドアを開けて入ってくる


「ラッキービーストか、また壊れてるのを?」


「はい、なんでもゴコクエリアから歩いてきたとか」


ボウシはファイルを出してかばんに渡す


「そのゴコクエリアで問題発生だ」


ファイルの内容はこうだ。


最近ゴコクエリア内で大量のセルリアンと

多数のフレンズのビースト化が確認されている。


ゴコクエリアの実態調査の為、ボウシが単独で向かう。


もし、情報に誤りがなければビーストは直ちに治療し、セルリアンは完全に駆除する。


以上だ。


「ボウシさん、独りで大丈夫ですか?」


「ただの調査だ、他の人員を裂くわけには

行かない、それにこのエリアはお前がいるから問題はないだろう」


かばんはボウシに認められた用な言い方をされ少し喜ばしかった。


「そういうことだ、じゃあ後は頼んだぞ」


そういうとボウシはかばんの部屋を出ていった。


しかし、その数日後フレンズ型セルリアンがジャパリホテルを占拠する事件が起きるが、ボウシは"申し訳ないが現場に来れない"という通信を最後に連絡が途絶えたのだった。


かばんは胸騒ぎがして、フレンズの小隊を

ゴコクエリアに派遣すると、一台の端末が

見つかる。


「これは……ボウシさんのっ!」


端末には幾つかの音声データが記録されていた。


かばんは試しに一番最初のを再生した


『こちらボウシ、ゴコク大橋に差し掛かったが妙だ、誰も歩いてない、これから、ゴコクエリアに入るが、念のため数分おきに録音をする、録音終了』


適当に真ん中のファイルを開く


『こちらボウシ、今日はついてない、ビーストに襲われて、通信機が壊れた、あのビーストはしつこく俺の事をおってきている、まさかの事が起きないといいが…録音終了』


一気に飛ばして最後のファイルを開く


『はぁ……はぁ……こちらボウシ、不味いことになった……はぁ……この島中が奴らの手に……っ!…まずいっ!…ひとまずゴコクエリアから一時脱出する!ろくお…っ!?クソッ!?、グァァァ!』


「これは…まさかっ!ボウシさんっ!」


そして、その後近くのラッキービーストに

通信が入る。


『こちらボウシ、かばん非常に不味いことになった』


「ボウシさん!?無事だったんですか?」


『ああ……いや、無事とは言えないな、

ビーストに左腕を引っ掛かれて出血してる』


かばん驚いて心配する


「大丈夫なんですか?今の場所は?止血はしましたか?」


『落ち着け、俺はひとまずゴコク大橋でこの島からビーストやセルリアンが出ないように見張っておく、だからそっちのハンターを少しこっちに回してほしい』


「でも、ボウシさんは……」


『問題ない、包帯は巻いた、それじゃあ頼むぞ』


それを最後にボウシは通信を切った。


かばんはその後かなりの数のハンターを

ゴコク大橋へ送った。


そして、あの、フレンズ型セルリアンが襲来する事件が起きたのだった。


かばんはサーバルが行ったしまった事を思いだし少し暗い気持ちになったが、その瞬間


キィィィィィ!!!


「うぁぁぁぁ!!!」


バスの緊急停止装置が作動したのだ。


「ラッキーさん?どうしたんですか?」


と、腕時計型のラッキービーストに語りかけると、


「バスのエンジンがオーバーヒートしてるヨこの暑さで暫くは動けないカモネ」


「そんなぁぁ…」


荒野に照りつける灼熱の太陽がかばんの体力をじわじわと削っていく


(このまま夜を待つのは賢明な判断じゃ無さそうですね……)


かばんはひとまず辺りを見渡し何か直射日光を防げる物は無いかと探した。


しかし、


「全くもって無いっ!…このままだと

干し物になっちゃう…」


その時端末に連絡が入る。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

後書き


皆さん待望(?)のジャパリパークの続きの

続編です!


前回よりかはきっと多分文章力も上がっている筈!


そう信じて生暖かい目で見守って貰えると

ありがたいです。


2021 1/29 23:21

帽子の男





































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