第1話
「エリシアはまだ治らないのか。」
「意識は戻られたのですが、まだ本調子では無いので誰も入れないでとのことで…」
「やっぱり、もう一度他の医者に見てもらった方が…」
象が入るかと思うような大きな玄関で真面目そうな男とメイド服の女が話していた。
男が考えるように目を逸らし、もう一度女を見たら、そこには女はいなく、分かりました。と囁くような小さな声が残った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王様が使うような大きな天井付きベットに、ピンクのいかに少女がいるような可愛らしいお部屋。いや、少女がいるには全てが高そうなものばかり、少女というよりかは王女という方がいい。
「ここは…いっ、」
「きず、ひらくよ、」
私が起き上がると、激しい頭痛と、男の子の声がした。思わず頭を手で押えながら声のした方を見ると、2歳くらいの男の子がいた。見た事のない綺麗な金髪に、綺麗な顔、本を読んでいたのか、本を持ちこっちを見た。
だれ?私こんな美形の男の子なんて知らな…
いや、知ってる
「うっ、」急に情報が頭に流れてくる、さっきの頭痛とは違ってもっと奥が痛む。
あぁ、この子は「…アクト…」私の双子の弟。
そして私はエリシア。親が凄くお偉いさんということだけはメイドから聞いている。そりゃ、1歳の子に色々教えないわな、
私は1歳。だけど、もっと長く生きている。そう。産まれる前の記憶があるから。いわゆる前世。前世の私は孤独だったってことはよく覚えてる。家族は双子の弟の海斗のみ、友達はいなく、人見知りだった私は人と話すことが怖かった。友達付き合いが上手くいかなかった時に男の子が相談に乗ってくれて、そっからが大変だった。わけの分からない噂が流れ、いじめられていた。
私のせいで、海斗もみんなから距離を取られて…海斗はきっと私を恨んでる。
今ここに1歳としているってことは転生したってこと、かな、
…私死んだんだ、、
「ふぅ、」
いきなり多くの情報は良くない。もう、パンクしそうだわ。
最後に海斗に謝りたかった、私の、私のせいで…
「別に恨んでなんかない。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます