最後のお願い

まる

お願い

太陽が照りつける夏の日、私はあなたに出会った。

あなたは太陽に負けないくらいの眩しい笑顔で

「どうしたの?1人?」

って優しく声をかけてくれた。

「うん、」

って小さく返すと

「んじゃ、僕も一緒に遊んでいい?僕も1人なんだ」

ってじーって見つめられる

「ん、」

って言うと

「へへっ、やったあ!」

ってまたあの眩しい笑顔、、この時私は胸がドキドキした事を覚えている、その気持ちは君に伝えられない…ずっと永遠に


「はーあ…」

今、私は会社員で結構毎日忙しい。だから帰ると毎日こんな感じでとりあえずソファに座る、そしてテレビを観る

「へー最近流行ってるんだ、これ輝が好きそ、」

自分からふと出た名前に驚く。輝、有川輝…私があの夏の日に出会った男の子。あの後、輝とは近所って事が分かってよく遊んで貰ってた。私があんな事さえしなければ……

思い出せばまた辛くなるからそっと目を閉じた。


「春、春!!」

懐かしい声がする、、そっと目を開けるとそこには輝が居た。

「輝?!どうして、、」

「春に伝えたい事があって。春自身を責めないで。」

「でもっ、私があの時飛び出さなかったら輝は…っ」

「春…僕は春の事、助けられて良かった、」

「輝はもっともっと生きていたかったはずなのにっ、私が輝の事殺したのっ、、ごめん、ごめんね」

輝は少し下を向いて

「僕のことよく知ってる春ならわかるでしょ、僕は、春がそうやって辛そうにしてるのが嫌なんだ、僕はずっと春のこと見てるよ、会えないけど。」

「私っ…輝にずっと謝りたくて…っ」

輝は私の目を見て、

「もう謝らなくていいよ。春、僕からの最後のお願い聞いてくれる?」

「お願い?」

「幸せになって。いっぱいいっぱい笑って。春の笑顔が1番好きだから。」

「輝……っ」

「ほら、笑って?」

私は涙を流しながら輝に微笑んだ

「ん、やっぱり春には笑顔が1番だね。あとね、春。僕、春のこと好きだったよ」

そう言い残して輝は消えた。

「うわあああっ!輝っ!輝、、っ!」

はっと目が覚める

「あ、れ…私…」

そこは私の家だった。

「夢…か…」

きっと輝は私に…前を向いて欲しかったのかもしれない。輝が言ったように、笑顔で過ごそうと私は涙を拭きながら思った。

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