大学4年生の日記

しんどう

第1話 大学での学び活かせてる?活かせられる?

ガタンゴトン

ガタンゴトン

プッシュー


電車のドアが開き、私は降りた。


いつもと何も変わらない風景。


見えるものは山。


都会ではぼやけてしか見えない山がここでは、はっきりと見える。


そして、地方銀行とメガバンクが隣り合って並んでいるのが見える。


地銀の職員は、地元に根付いてある程度の給料を貰い生活している。


一方で、メガバンクの職員は、高収入だが全国転勤を繰り返している。


どちらも生活するには良い面と悪い面を持っており大変なんだろうな。


きっと、お互い隣の芝生は青く見えているんだろうと思いながら次の電車に乗り換えようとした。


その時、懐かしい顔が見えた。


その子は、高校時代に分からない問題を根気良く教えてくれた北野君だった。


「北野君?!」私は咄嗟に名前を呼び手を振った。北野君は気付いて手を振り返してくれた。


私は「今からどこ行くの?」と聞くと「大学に行く」と答えた。


向かう方向が同じであったため一緒に電車に乗ることになった。


話を聞くと、どうやら今日は勉強会というものに参加するために大学に行くらしい。


今、世界中でコロナウイルスという感染力の高い菌のせいで外出を控えているのにも関わらず理系の生徒は大学に行かなければならないらしい。


「大変だな…」と感心していた。


大学では今後人間が仕事を奪われると恐れられているAIに仕事を覚えさせるというプログラミングを設計しているらしい。


私の周りにも就職先としてIT業界に行く人が多く、今世の中で求められているのはITで活躍できる人なんだなと実感する。


文系で教育についてなんとなく学んできた私と世界で求められているITについて研究している北野君との間に高校時代に感じていた差がより格段に広がっているのを感じた。


私は、どうしたら大学4年間で学んできたことを活かせるのだろうか。

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