特級来る
ぼうやこちらへおいで
そうそう
あんよはじょうず あんよはじょうず
うふふよくできました
あら おひめさまはおしめかしら
まっててね
あ おなかのなかでけった
だんなさまおなかさわってください
かわいいかわいい
わたしのあかちゃんたち
◆ ◆ ◆
リガの街 sideルー
「色ボケ聖女!起きろ!」
「はっ!?私の赤ちゃん達は!?」
「まだ出来てもおらん!」
「ええ!?そんな!?」
いやあ、最近お馴染みの光景だ。
今日はお母さんモードからのご帰還みたい。
リリアーナお姉ちゃんを正気にするにはお姉ちゃんが一番有効だ。ご主人様が起こそうとすると、甘えん坊モードか、甘やかしモードになってしまう。自分では、お母さんモードのリリアーナお姉ちゃんに捕まって、そのまま胸に沈められるからだめだ。
「旦那様は?」
「浴室だ」
「じゃあ私も」
「お前はボケながらも入ってる!」
「ええ!?」
やっぱり無意識だったかあ。
「お待たせえ」
「ご主人様!準備ばっちりです!」
「あなた」
「旦那様ぁ」
「ありがとうね皆。それじゃあ頂きます!」
今日もいい日だ。
◆ ◆ ◆
sideユーゴ
さてリリアーナを教会に送ったし、ついでに買い物だな。
リリアーナに触発されてジネットも、子供に関して随分と積極的だ。だが、こればっかりは授かりものだしなあ。
お、あの果物、旬か。
「いらっしゃいユーゴさん」
「お邪魔します」
うむ、おいしそうだ。買って帰ろう。
ん?がきんちょ三人衆の一人だ。手伝いかね。
「あ、おっさん」
「こら、ちゃんと名前で呼びなさい!」
「いえいえ、手伝いとは偉いな。ほれ、クッキー」
「やった!ありがとな!」
「いつもすみません」
「いえいえ、可愛いもんですよ」
そうとも、可愛いもんだ。世の中には初対面なのに、6つも唱えて殺しにかかってくる奴がいるくらいなんだ。
よし買おう。
はん?この気配。家の前にそれこそ、悪ガキ共か?
◆ ◆ ◆
sideセシル
叔父さん達について、フィンとどんどん街の通りを歩いていく。何度か来た事があるのだろう、迷いがない。
こんな普通の街に、叔父さん達より強い人がいるんだ。一体どんな人なんだろう。やっぱり巨人みたいな人なのかな。
何の変哲のない一軒家の前に立ち止まる。ここが…。
「ん?知らない気配が一人だけだな」
「ああ?あの糞野郎引越したのか?」
いないのだろうか?あ、確かに一人うっすらと感じる。
「ごめん!ユーゴ殿は御在宅ではないか!?」
「ちっ」
「主人は今留守です」
えっ!?
「なにっ!?」
「ああ!?」
嘘!?全然気配がなかったのに!!
扉の前からとても美人なダークエルフが現れたけど、問題は叔父さん達も気づかなかったことだ!この人が!?
フィンがこっちを見ているが私も首を横に振る。間違いなくこんな気配の人はいなかった。
「てめえ何モンだこら!?」
叔父さん達が警戒している。知らない人みたいだ。それに向こうもだ。お互いすぐに動けるようにしている。
「…いや待て、エドガー。さっき主人といったな?ユーゴ殿とはいったいどのような関係だ?」
「…。ユーゴ様は私の夫だ」
「なに!?夫!?ということは夫婦なのか!?そんな馬鹿な!」
「ああ!?んなこと聞いてねえぞ!つうかありえねえ!」
どうやら結婚していることを知らなかったらしい。それにしてもすごい人だ。確かに目の前にいるのに、気を抜けば見失いそうだ。ダークエルフは卓越した暗殺者だと聞いたことはあるけど、これほどとは。
それにしても、結婚しているということに対してこの反応…。一体どんな人なんだ…。
「お姉ちゃん大丈夫?」
奥から、これまたダークエルフの少女が現れた。多分、自分が感じた気配の人だ。
「ルー。少し下がっていろ」
「…。彼女はユーゴ殿とは?」
「………」
「私はユーゴ様の奥さんです!」
「ルー…」
え!?ダークエルフが、二人も同じ人と結婚しているの!?
「暫く会わないうちに、一体どうなっている!?夢か!?」
「あっはっはっはっ!あの糞野郎ロリコンだったのかよ!」
「うるさいぞ悪ガキ共」
嘘だ!!?
絶対にありえない!!
私達が後ろにいるのにどうやって叔父さん達の後ろに!?
「!!?ちいっ!?」
「!?くそがっ!?」
「こら、通りで光物抜こうとするな」
そんな!?叔父さん達が腕を押さえられてそのまま動けないなんて!
この人一体!?
「ただいまー」
「あなた!?お帰りなさい!」
「ご主人様お帰りなさい!」
という事はこの人がユーゴって人!?普通の人じゃない!
「ユーゴ殿…。結婚しておられたのですな。おめでとうございます…。ぐっ」
「ありがとな。というか抜くの諦めてないんかい」
「ぐぎぎっ。糞野郎、久しぶりだな!ロリコンだったとは知らなかったがあっ!!?」
「ええい懲りん奴め」
叔父さんの頭がブレた!!?何があったの!?
「この二人の子は?」
「ぐっ、私の弟子のフィンと、エドガーの姪のセシルです。二人ともご挨ぐうっ」
「こら、立ち位置変えて抜こうとすな」
カークさんの頭もブレた!!
「フィン君とセシルさんだね。自分は二人の…なんだろ。まあいいや、ユーゴと言います。よろしくね」
「は、はい!フィンと言います!よろしくお願いします!」
「セシルです!よろしくお願いします!」
今だって強者の気配なんて感じない!どうなってるの!?
「っつ。兄貴の娘を預かってんだ!手を出すんじゃねえぞロリコンやぎっ!?」
「そりゃ。もう一発デコピンくらえ」
またブレた!デコピン!?デコピンなの!?
「せっかく来てくれたんだ。ささ、上がって二人とも」
「は、はい!」
「お邪魔します!」
蹲っている二人には足を掴んで引っ張っている。
「っぐ!動かん!!」
「いってえ!おい!?足を掴むんじゃねえっつてんだろ!つうか二人引っ張って通れるわきゃ無いだろうが!」
「はっはっはっ。あ、ごめんその袋に旬の果物が入ってるんだ。悪いけど持ってきてくれないかな」
一体どうすれば…。
フィンどうしようか?
だめだ、フィンも首を横に振った。
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