第21話クリスとの出会い

この世界に召喚されてから半年がすぎた。


私は洗脳のフリをしながら、なんとかバレずに、今は、LV500まで上がった。初めは本当に辛かった。元々召喚前なんて、生き物を殺すなんて、まったく関係のない生活をしていたのだし、初めて行ったダンジョンで魔物を殺した時なんて、刀で切った感触や返り血の臭い、そして、生き物を殺したと言う事実に体が震え、吐き気がした。だけど、洗脳が架かってない事がバレる訳にはいかないので、必死で耐える毎日だった。


他の召喚者達は、何かスイッチの様な物があるのか戦いになると、まるで別人の様に魔物を討伐していった。そして、一応にLV100以上になっていった。私には、勇者のスキルのおかげで他より早く上がっていって、結果これだけの差がでたようだ。これで、逃げて兵士達に襲われても、すぐに捕まる事はないだろう。そう思ってチャンスを待っていると、それは、思うより早かった。




その日、キール卿より通達があった。


「明日より、いよいよ実戦に入ってもらう・・・。諸君の健闘を期待する。」


この言葉に、ある者は、「まかせてください。エルフや魔族どもを殲滅し、この国を守ってみせますよ。」っと息巻く者、緊張で下を向く者など、色々だったが、私は知っている、戦いが始まると彼らに意識は無くなるのだと言うことを・・・。


そして、私たちは戦場に立ったのである。




そこは、大勢の狂気の喚声と地響き、前が見えなくなるぐらいの土煙、そして、鼻を突く大量の血の臭いが充満した場所であった。


そして、私たちはキール卿の<号令>によって、一斉に戦いに向かっていった。




一体どれはどの時間が経っただろうか、周りは転生者たちによってエルフたちの骸が数多く横たわっていた。私はというと、スキルを使い、できるだけ馬などを切り、人は峰打ちによって無効かしていたが、キール卿が それを見ていた。


「きさま~、なぜ殺さない!まさか、洗脳が架かってないのか~。」


まずい・・・。バレたようね・・・。


私は、スキルを使って全速で近くの森に逃げたのであった。






どれほどの時が経っただろう、全力で走り続けて、2日ぐらいほ覚えているが、空腹と喉の乾きから、段々と意識がなくなってきた。






「・・・ちゃ・・。・・だ・・じょう・・・おねえ・・・ん・・・」


もう、だれよ・・。おとなしく寝かせてよ~・・。なんて思いながら、目を開くと、そこには金髪の青い目をした少女の顔があった。


「・・・み・・・みずを・・・・ちょうだい・・・。」


私の声に驚いたのか、金髪の少女は、慌てて立ち上がり何処かに行ってしまった。そして、しばらくすると、その少女は一人の女性を連れて戻ってきたのであった。




これが、天道寺茜とクリスとラミアとの出会いであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る