第19話御劔の悲劇のはじまり

「ラミアお姉ちゃんは、さっきのエルフの人達の事しってるの?」


アルス王子達が里を去って行くと、アティが聞いてきた。


「そうねえ、アティも<御劔>を名乗っているのだから知っておかないとダメだね。それじゃ、そこに座って、これから話す事を忘れる事なく覚えておいてくれる?<御劔>にとって大切なことなの・・。」


「ウン。わかった~。」


そう言ってテーブル横の椅子に腰を掛けて、両足をブラブラしはじめる。


「これから話す事は、少し長くなるけど、なぜ、<御劔>が、これほどの力を持ってるのか、そして、兄・亜門が、なぜ国を滅ぼす事になったのかを話そうね・・・。」


そして、私は過去に思いを寄せ、少しずつ、ゆっくりとアティに話始めた。


「あれは、今から10年前、シーホン皇国とラーファイド帝国との戦争中のことだった・・・・・。」








10年前。ラーファイド帝国。




帝都。城内玉座の間にて、帝王ラルフ・ラーファイドを先頭に各大臣、貴族が集まって戦争の状況を話し合っていた。


「して・・・状況は、どうなっているのだ!もう1年も均衡したままではないか。」


帝王ラルフの怒りにも似た声が城内に響く。その声に各貴族達は責任の擦り合いをしていると、一人の貴族が声をあげる。帝国軍指揮官のキース候である。


「おそれながら申しあげます。わが軍は数では、あのエルフどもを遥かに凌いでおり戦力は圧倒しております・・・ですが・・・。」


「なら・・なぜ、未だに落とせぬのだ!」


「はっ。奴等の魔法力に置ける火力は凄まじく・・・・。」


その言葉にラルフは暫く考えて、ある事を思い付く。


「では・・・召喚の儀式を行い転生者を召喚しろ!」


その言葉に、貴族達は驚いた表情で互いの顔を見あってヒソヒソ話している。そもそも、召喚の儀式とは魔王に対して行う儀式であって、魔法師30人ほどの命かけの儀式である。しかも、召喚される人数は不明で、どのような能力があるのかも召喚後にならないと解らないのである。


「たしかに、多くのリスクはあるが、エルフどもが魔王より強い事はなかろう。召喚して、鍛えれば我々の勝利だ。」そして、召喚の儀式が行われた。




帝国城内の一番広い部屋。その中心に巨大な魔法陣が描かれ、その回りに30人もの魔法師が詠唱を始める。そのまま、三日が過ぎた頃、魔法陣が輝き、光が満ちた。暫くして光が収まると中から男女7人少年と少女が学校の制服のような姿で手には、その者の武器らしき物を持って現れた。


「よくぞ参られた、転生者殿。」


少年と少女達は、自分の状況を理解できず、互いの顔を見あっていた。


その中の一人。手に<神刀・紅椿>を持ち勇者の称号を持った少女。彼女こそが、後のラミアの姉<天道寺・茜>である。「ラミアお姉ちゃんは、さっきのエルフの人達の事しってるの?」


アルス王子達が里を去って行くと、アティが聞いてきた。


「そうねえ、アティも<御劔>を名乗っているのだから知っておかないとダメだね。それじゃ、そこに座って、これから話す事を忘れる事なく覚えておいてくれる?<御劔>にとって大切なことなの・・。」


「ウン。わかった~。」


そう言ってテーブル横の椅子に腰を掛けて、両足をブラブラしはじめる。


「これから話す事は、少し長くなるけど、なぜ、<御劔>が、これほどの力を持ってるのか、そして、兄・亜門が、なぜ国を滅ぼす事になったのかを話そうね・・・。」


そして、私は過去に思いを寄せ、少しずつ、ゆっくりとアティに話始めた。


「あれは、今から10年前、シーホン皇国とラーファイド帝国との戦争中のことだった・・・・・。」








10年前。ラーファイド帝国。




帝都。城内玉座の間にて、帝王ラルフ・ラーファイドを先頭に各大臣、貴族が集まって戦争の状況を話し合っていた。


「して・・・状況は、どうなっているのだ!もう1年も均衡したままではないか。」


帝王ラルフの怒りにも似た声が城内に響く。その声に各貴族達は責任の擦り合いをしていると、一人の貴族が声をあげる。帝国軍指揮官のキース候である。


「おそれながら申しあげます。わが軍は数では、あのエルフどもを遥かに凌いでおり戦力は圧倒しております・・・ですが・・・。」


「なら・・なぜ、未だに落とせぬのだ!」


「はっ。奴等の魔法力に置ける火力は凄まじく・・・・。」


その言葉にラルフは暫く考えて、ある事を思い付く。


「では・・・召喚の儀式を行い転生者を召喚しろ!」


その言葉に、貴族達は驚いた表情で互いの顔を見あってヒソヒソ話している。そもそも、召喚の儀式とは魔王に対して行う儀式であって、魔法師30人ほどの命かけの儀式である。しかも、召喚される人数は不明で、どのような能力があるのかも召喚後にならないと解らないのである。


「たしかに、多くのリスクはあるが、エルフどもが魔王より強い事はなかろう。召喚して、鍛えれば我々の勝利だ。」そして、召喚の儀式が行われた。




帝国城内の一番広い部屋。その中心に巨大な魔法陣が描かれ、その回りに30人もの魔法師が詠唱を始める。そのまま、三日が過ぎた頃、魔法陣が輝き、光が満ちた。暫くして光が収まると中から男女7人少年と少女が学校の制服のような姿で手には、その者の武器らしき物を持って現れた。


「よくぞ参られた、転生者殿。」


少年と少女達は、自分の状況を理解できず、互いの顔を見あっていた。


その中の一人。手に<神刀・紅椿>を持ち勇者の称号を持った少女。彼女こそが、後のラミアの姉<天道寺・茜>である。

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