第14話辺境の地
辺境の地
そこは、ラーファイド王国と其所に隣接するエルフの国<シーホン皇国>との側にある北海道程の大きさの密林と、多くの洞窟のある島である。
ここに、移住してきて、そろそろ半年が過ぎようとしていた。
「ああ~、この半年の間、色々あったなあ~。てかっ、ほとんどが此処に来るまでの事なんだけど・・・」
此処に向かった時は、僅か20人ほどだったのが、今では170人程の人数となり、私の家を中心に、周囲の森を開拓し、その材木で家を建て、小さいながらも立派な村が出来ていた。
「ラミア様、アティ様。お食事の準備が出来ております。」
そう言って、庭で稽古中だった私とアティに声を掛けてきたのは、背の高く、長い黒髪を密編みにして肩から前に流した、鋭い目をした巨乳美女の着物メイドの[シルカさん]である。
シルカさんは、元々<アマゾネス>の族長で、ここに来る途中の町で偶然にあって、何の因果か、<腕比べ>という名の腕相撲をして、つい吹っ飛ばしてしまったら、「貴女の様な強い人を捜していた、今より、ラミア様を主とし、生涯の忠誠をちかいますうううう。」とか言って、<アマゾネス>男女100人を連れてついてきたのである。
では、なぜメイドなのかっと言うと、アティの「ラミアお姉ちゃん。メイドさんってな~に?」の一言に始まり、「ご主人様に仕えて、お世話をする人のことだよ。」っと言う私の返事を聞いていたシルカさんが、<メイド道>に目覚め、<アマゾネス>の女性達で<メイド軍団>を作って、私やアティの世話をしながら、他のメイドは町を巡回して治安維持をする様になった。
因みに、男性はと言うと、<アマゾネス>の男は、力は弱いけど、動きが鋭く、隠密性だという事で、町の外での偵察をやってくれている。
そして、もう一組、キバさんと言う人狼族リーダーと、その仲間50人もいる。
彼らとも、シルカさん同様に、途中で出会い、遊び心から、「勝った方の言う事を何でも聞く」と言う事で、属に言う<マラソン>をやったら圧勝だった。私は何も望んでなかったのだが、「それでは、流儀に反する。」と言って、人狼族50人の主となってしまった。
これによって、町の統制をグラスさんが行い、開拓や衣服などの作成を村人が、狩りや食料調達を人狼族、治安警備をアマゾネス達が行い、全ての主が私とアティという形になってしまった。因みに、住民の服は、私を真似て着物姿である。ただ若い女子供には、アティの様な下がスカートの姿が人気のようである。
そして、アティだが、鬼龍人らしく、私の様な早さ重視ではなく、力と魔力重視のスタイルが合っている様で、空間に無数の見えない剣を作り、其を操って殲滅すると言った形になっていった。名前を<御劔流、千手観音>と着けてあげた。しかも、家に合った水晶玉で調べたら、なんとレベルが既に700越えしていたよ。調子に乗って鍛え過ぎ茶った。どんどん強くなっていく姿に、嬉しくなって、やりすぎたかも・・・。
「まあ、強くなって損はないよね・・・。えへっ」
そして、シルカさんは、アティ専属の護衛兼近衛として、リリとモモという双子のアマゾネスの女の子を就けた。私が側にいるから、いらないと言ったのだけど、アティも友達ができたような感じで喜んでいるから、いいけどね。
だが、災いと言うものは、いつも突然やってくるようだ・・・
その日、島の海岸に20隻に及ぶ小型の船が到着したのだった。
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