月のにおい

なんかかきたろう

月のにおい

夜、目が覚めれば不思議。あたりはくらい。私はひとり。誰もいないのか、この世界に。しんとしている。今、私だけの静寂を持て余して、何を思えというのか。

 

正義とは何か平等とは何か完全とは精神のあり方とは……私は未熟だ。結局何者でもないのだ。支えもなくぶら下がる木もなく、知恵の実もなく、わたしひとり、なにもない。

 

道は険しいのか、そもそも道はあるのか。苦労するのか、苦労できるのか。一杯の清い水。その正体。飲んで歩けよどこまでも。道は遠い。あるかはわからないが。強欲に身を焼く。わたしのこころは幼い。どこまでも。

 

月、満ち欠けを繰り返し。わたし微動だにしない。みちずかけず、不完全なままで出来上がってしまったのだ。さみしい。月になりたい。わたしのこころ。さみしいさみしい私の心。あのお月様になりたい。あのように満ちたい。あのように欠けたい。


 わたしひとり。なみだがでない。

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月のにおい なんかかきたろう @nannkakakio

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