第19話 正義と天秤②

正義とは何か。ずっと考えてきた。弁護士の一家に生まれてきて、将来は弁護士になると決められていた。


 でも、裁判傍聴を繰り返すうちに、どれだけの犯罪者が正当な裁きを受けてきたのか、疑問に思うようになった。


 なんて犯罪者に加担する法律ばかりだ。


 なんて犯罪者に加担する弁護士ばかりだ。


 犯罪をなくすなど決してできはしないだろう。ならば、犯罪者に正当な裁きが下される世界になればいい。


 私は決めた。この星霊戦争を絶対に勝ち抜き、罪が正しく裁かれる世界に変えよう。


 女は目の前の星霊に手を差し伸べた。


 だから、貴女の名前は「テミス」。


 正義の星霊となり、一緒にこの世界を変えましょう。


 天野真実あまのまみは星に願った。

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