第2話

 シルフィーによって異世界に転生されたわけだが……。

 周りを見ても何一つない草原に転移された? と心で思いつつふと思う。

「大量のお金が入った袋は?」

 ここで異変に気付く。


「おい!シルフィーーー!!何やってんだよーー!!」

 心の底から叫んでしまった。

「なんでこうなったんだよぉぉぉ!!」

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃天聖では、

「よしっ。これで仕事はおわりかな?」

 そう思った瞬間


「いてっ。」

 なぜがそこには先ほど、涼真にあげた袋だったのだ。


「えぇぇぇぇぇ!!!」

 シルフィーもなんでこうなったのか分からないと思っていたところに一人の女神が来ました。


「シル?どうしたの?さっき叫んでいたけど」

 その女神はシルフィーのことをシルと呼んだ。

「あ、す、すいません!少し問題がありまして、シャーロット様!」


 彼女の名はシャーロットと言い、女神の中では最高権力者でもあった。


「それで?何があったの?」


 シャーロットは不安そうな目で聞いてくる。

「じ、実はーーーー」


 シャーロットに事の発端を伝えると驚愕の顔をされた。


「ま、まさか初期装備が与えられずにお金までも与えられないなんて…」

 シャーロットは驚きを隠せずにはいられなかった。


「それで、なんでこうなったのか分からないままでどうしたら良いでしょうか…」


 シルフィーは助けを求めたい一心でシャーロットのことを見つめる。

「はぁ、シルは昔とあまり変わらないわね」

 シャーロットは少し呆れたような、だけど少し嬉しそうだった。


「分かったわ。ただ、この問題はイレギュラー過ぎるからあなたも手伝いなさいね?」

 シャーロットはシルに頼んだ。

「もちろんです!」

 シルフィーは当然とばかりに胸に手を当てる。

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 その頃涼真は…

「まじでふざけんじゃねぇぞー!!」

 草原に生息しているダークウルフ達が、涼真を追いかけ回していた。


「やべぇ、このままじゃ死ぬぞ!?」

 逃げ回るにしても、数が多いことは涼真自身分かっていてるため焦っていたと思っていたら。

 ………ズゴォォン!……ドガァァン!

「ん?なんだ?」


 涼真は周りを見回すと、そこにいたダークウルフ達が跡形も無く消し去っていた。

「とんでもないな…っとでも、助かったかな?」


 助かったと分かり、気が抜けると地面に倒れてしまった。

「ふぅ」っと息をついて体を起こすと、

 一人の少女が立っていた。

 その少女は「大丈夫?」と声をかけた。


(ヤバイヤバイヤバイヤバイ、この娘可愛すぎだろー!なに!このすらっとした髪!

 程よく育った果実!少しムチムチの太もも! ドストライクすぎだろぉー!!)


「あの、大丈夫ですか?」

 少女は前のめりになり、たわわな果実が見えーーブッッシャァ

 漫画でよく見る『あれ』をしてしまった。

 少女はとっさに回復魔法を涼真にかけた。

「あ、ありがとう」

(な、何やってんだよ俺!恥ずかしすぎだろ!)


「いえ、それよりよく無事でしたね」

 少女は少し驚きながら問いかけてくる。

「い、いやっ、あなたのおかげですよ」

 涼真は戸惑いながら答える。


「そうですか?でもあんなに沢山のダークウルフから逃げ回って、無傷のほうがすごいと思いますよ」


 少女は人を助けたのが嬉しいのか、はにかんで笑った。その笑顔にドキッとしたのは内緒だぞ。


 それから少しここ周辺の事を教えてもらった。ちなみに、少女の名前はマナ・イシュタルと言う。


「それで、えっとマナさん?」

 年上だと思い敬語を使ってしまった。

「マナで良いよ、えっとぉ…」

(つい自己紹介を忘れていたが、いきなり下の名前で呼ぶのは抵抗あるなぁ。)


「俺の名前は赤石涼真だ!ここに来たのは初めてだからよろしくな!マ、マナ!」

(すっげぇ緊張したぁ。自己紹介ってこんな感じだったっけ?まぁいいや。)


「あかいしりょうま?初めて聞く名前だけどどこから来たの?」

 マナは興味津々なのか近づいてきた。

「えっと、すごく東の方からかな?」

(たしか、ラノベでは東が定番だったはず!)


「ここって一番東の国だったような…」

(しまった!だいたいこんなようなオチだったの忘れてたわー。)

「そうだったかな?そ、それよりさ!一番近くの国の場所教えてくれないかな?」


 涼真は戸惑いながら答えていく。

「いいよっていうか一緒に行く?」

 意外な回答に涼真は驚いた。

「ぜ、ぜひっ!よろしくお願いしますっ!」

 涼真の勢いに圧倒されながらもマナは少し笑っていた。


(これってデートになるのか?なるよな!よっしゃぁぁ!)

「じゃあいこっか?涼真」

 嬉しさの余りガッツポーズを取ってしまった。

「お、おう!」


 見渡す限り何もない草原から一人の少女に出会い、ギルドなどがありそうな国に案内をさせてもらえることとなった涼真だが、ここからが波瀾万丈な生活になっていくのだった。

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