悪魔の毒々小説

@kuroirotensyoku

第1話

 「逃げろ!逃げろ!捕まったら殺されるぞ!」

 逃げ惑う群衆!!!燃えるビル!!!今、日本の首都東京は混乱を極めていた!!!

 「ぎゃああ!!!!」

 逃げ遅れた人間をつまみあげるのは一つ目の巨人!!!かのサイクロプスのような風貌の怪物の背丈は五メートルはくだらない!!!

 ぷちゅっ!!!

 「あびゅ!!」

 力加減を誤った怪物の指が人間の頭を魚卵をつぶすかのように粉々の砕いた!!!

 「ぐわっはっはっはっは!!!!!」

 笑う怪物!!!一つ一つが大木のように太く、黄ばんだ歯を見せて下品に笑う!!!そんな光景が東京に至ることろで繰り広げられていた!!!!

 「そこまでよ!!!見にくい化け物め!!!」

 怪物の目の前に現れたのはやけに光沢のある全身タイツのようなものを身に纏った若い人間の女!!!黒く長い髪は風にたなびき健康的な褐色の肌が健康的!!!手には細かい周辺機器が満載の女の背丈の八割ほどある大砲のようなもの!!!

 「これ以上東京をお前らの好き勝手にさせるか!!!」

 大砲を肩に担ぐと怪物に照準を合わせ引き金を引いた!!!

 ばひゅんっ!!!

 哀れ!!!怪物の巨大な目玉は空洞となり穴からは薄茶色の液体が垂れ流れている!!!

 「おぶえ!!!」

 断末魔とともに崩れ落ちる怪物!!!

 「口ほどにもない!!!」

 啖呵を切る女!!!背後に迫る怪物の四畳半ほどの大きな手!!!

 「痴漢!!!ダメ!!!絶対!!!」

 女は腰にかけていた刀を抜刀!!!振り返りながら一閃すると怪物の手は真っ二つに裂けた!!!

 「あぎゃあ!!!」

 思わぬ反撃に尻もちをつく化け物!!!

 「乙女の肌に気安く触ろうとするんじゃないわよ!!!」

 そう叫んだ女の姿はもうそこにはない!!!怪物は一瞬で消えた女を血走った巨大な一つ目で探す!!!

 「どこを見ているの!!!そのつぶらなお目々はお飾りかしら!!!」

 なんと!!!女はいつの間にか怪物の腹の上!!!

 「ぬがああ!!!」

 女を握りつぶそうと腕を伸ばす怪物!!!危ない!!!近くでそれを見ていたスーパーマルトミ勤続年数十八年のベテランレジ打ちパートタイマー和江はそう叫びそうになった!!!しかし!!!握りつぶしたと思った怪物も!!!ーパーマルトミ勤続年数十八年のベテランレジ打ちパートタイマー和江も!!!予想だにしなかったことが起きた!!!一体どういうことなのか!!!怪物の腕は肩から離れがれきだらけのコンクリートの上に死んだ魚のように転がっているではないか!!!

 「そおら!!!」

 女が腹の上で刀を一振り!!!すると石をぶつけられたガラス細工のように怪物の体が粉々にバラけたではないか!!!

 「Hasta la vista, Baby!!!地獄で会おうぜ!!!」

 女の顔に浮かぶのは不敵な笑み!!!

 「人間ごときが我が同胞を!!!」

 どこかから聞こえる悲痛な叫び!!!

 「ずいぶんと陰気なのね!!!隠れてないで出てきなさい!!!」

 「言われずとも!!!」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 まるで大震災を彷彿とさせる不振な地響き!!!女の足元が揺れる!!!

 「まさか!!!!!」

 「そのまさかだああああああ!!!!!」

 女は颯爽と跳ぶ!!!!!裂ける地面!!!!!割れる大地!!!!!現れる巨大で不吉な手!!!!!手だけで骸となった怪物ほどの大きさがある!!!!!

 「ぬあああああああ!!!!!」

 地面を裂いて現れるは全身目だらけの超巨大な怪物!!!!!見上げるほど大きな怪物がこの首都東京に潜んでいたのだ!!!!!

 「貴様のことを見ていたぞ!!!!!我が同胞の目を通してな!!!!!」

 「なるほど!!!!!その目はそこでくたばってる化け物の目とそれぞれリンクしているわけね!!!!!もしかしてその目の数だけ化け物がいるのかしら!!!!!」

 「察しがいいな!!!!!!そうだとも!!!!!我が同胞はあと四千七百六十九体!!!!!それを今からここに集わせる!!!!!」

 圧倒的多勢に無勢!!!!!絶体絶命!!!!!万事休す!!!!!首都東京は!!!!!いや日本は!!!!!ひいてはこの地球は!!!!!この怪物に屈してしまうのか!!!!!

 「アハハハハハハ!!!!!!!!!!」

 高らかに笑う女!!!!!!!!!!

 「やっぱりその目はお飾りのようね!!!!!!!!!!」

 「何だと!!!!!!!!!!」

 「役立たずの節穴をよーく凝らして見てみなさいよ!!!!!!!!!!」

 「!!!!!!!!!!」

 怪物が数多ある目を通して見たのは同胞である怪物達の今際の際!!!!!!!!!!次々と閉じていく目!!!!!!!!!!そこに見えるは目の前にいるはずの女」

 「どういうことだ!!!!!!!!!!」

 「紹介が遅れたわね!!!!!!!!!!私の名は量産型駆動生命体兵器J-K17!!!!!!!!!!世界の平和を守るため秘密組織健康長寿友の会により開発されたのよ!!!!!!!!!!」

 そう口上を述べているうちに集まるJ-K17達!!!!!!!!!!

 「あなたは四千何体だったかしら!!!!!!!!!!すくなすぎて覚えてられないわ!!!!!!!!!!なぜなら私たちの人数は!!!!!!!!!!」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「五十三万!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 圧巻!!!!!!!!!!巨大な怪物の周りをぐるりと取り囲む五十三万のJ-K17!!!!!!!!!!

 「ぬぬぬぬぬ!!!!!!!!!!貴様らがいくら集まろうと始祖であるこの吾輩に勝てると思うな!!!!!!!!!!」

 「ほざけ醜悪な化け物め!!!!!!!!!!」

 「うおおおおおお!!!!!!!!!!」

 「はあああああああああ!!!!!!!!!!!」

 今!!!!!!!!!!地球の覇権を巡る戦いの火蓋が切って落とされた!!!!!!!!!!



いや、びっくりマークが多い!!!!!!!!!!

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