学級委員長は憂鬱なコマンダー。

ふぁーぷる

第1話 〜内気な学級員長は戦略ゲームで青春する〜

 生きる事はそれなりに憂鬱だと思ってる。


 別に死にたい訳じゃ無い。

 生き物として生命は全うしたい。


 人生が100年だとか幻想を吹聴されて実際健康年齢を考えると

 人間の生物としての進化は無い訳だから健康体であっても朽ちて

 行く事には変わりなくただただベッドの上で生きながらえる技術

 が進んだだけ。

 その施策を快適に受けるのは老後の資金次第か。


 コロナもウイルスが消える訳じゃ無いのに人が決めた制限解除で

 気が緩む。

 気になるのは切れ目なく報道される死者の数。

 緩みに巻き込まれてその数にカウントされないように、大事な人

 がその数に加わらないように願うしかない。


 女の種別に入る私は順調に生きれば幻想100年の中でもベッド・

 病院で生き存える期間が長い部類だろう。


 その生き存える期間に入るとただただ生きるという事に特化して

 その時の面持ちを想像してもイメージ出来ない。


 多分、そうなる前の期間の記憶を頭の中で反芻して思い出の中を

 泳ぎながら現実の老いの流れを生きるだけなのだろうか。


 では私は今現在16歳だから正にその記憶を培う真っ盛りとなる。


 でも今は違う。


 生き存えるのではなく、生きるを感じる事に果敢に挑める若い体

 に学生という立場で何かしら謳歌せねばならないのに…。


 筈なのに何、何この怠惰な毎日。


 人の目や社会を意識して必要以上にお利口さんを演じて時間と生

 命力を浪費している。


 100年時代の末端で一番価値が高まるであろう若さと時間を持

 て余せるこの贅沢な時期に何に囚われているんだろう。


 みんなと一同に集合して呉越同舟な学校生活。


 その怠惰な学校生活の1日の始まりの時間が今日もまた始まる。

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