光魔法の伝説(15)



 古き神々の神殿、攻略、10日目。

 今日をこの神殿滞在の最終日にする予定ではある。一応。


 昨日の夕食後、姉ちゃんにリピートアフターミーで、商業神系特殊魔法中級スキル・リタウニングの呪文を唱えさせて、スキルは既に生やしている。17回、リピートしたけどな。


 まあとにかく、それでこの神殿に一晩滞在したから、もういつでもリタウニングでこの神殿にはどこからでも行ける。消費MP80でクールタイム10日だから、一度やってきたら10日帰れないけどな。

 何度も使って熟練度上げれば、熟練度2でクールタイム6日、熟練度3でクールタイム2日になるから、それまでは使うタイミングをよく考えないといけないけどな。


 だから、今日、目標達成ができなくても、とりあえず『はじまりの村』へ帰る。雪が積もる冬の野営は無理があるからな。

 ここの神殿で2か月の冬越しはできなくはないけど……正直なところ、そろそろ飽きがきた。他にも行きたい神殿はあるしな。攻撃魔法が全然足りない。


 というワケで目標だ。


 目標その1は鍛冶神ダンジョン3層ボスと、そこでドロップするだろう鍛冶神系支援魔法上級スキル・トライアトの石版、最後の1枚。ドロップしなかったら……いつかまた、ですな。


 目標その2は医薬神ダンジョン3層ボスと、同じくそこでドロップするだろう医薬神系特殊魔法上級スキル・リゲインズアワリゲインの石版、最後の1枚。

 これは本当にほしいんだけど、今回取れなかったら春一番でここに来て確保するつもりで。


 下見は昨日、済ませてある。


 先に挑むのは鍛冶神ダンジョン3層ボスで、そこから大急ぎで移動して、医薬神ダンジョン3層ボスを倒す。


 鍛冶神3層ボスは、はっきりいって、数の暴力タイプ。HP18000のナイトスケルトンカーネルを中心として、2層ボスとよく似た構成で、よく似た行動をとる。


 取り巻きはスケルトンコマンダーセコンドレフテナント2体、スケルトンコマンダーチーフ4体、スケルトンコマンダー8体で、合計14体いる。ナイトスケルトンカーネルの左右に7体ずつ、跪いて待ってる。


 ゲーム『レオン・ド・バラッドの伝説』はパーメン6人までオッケーだから、このくらいの取り巻きはフツーだけどな。おれたち、おれと姉ちゃんのペアプレーだから。数の暴力にはけっこー苦労する。これで取り巻き倒したのに再召喚とかされたらなえるわー。そりゃなえるわー。


 まあ、取り巻きの組み合わせは、3層でエンカウントするのと同じだから、倒すのにそれほど苦労はしないんだけど、2組あるからさ、後ろから狙われたら嫌だよな?


 だから作戦はボス特攻から。


 ボスは立ち上がって、左腕前に伸ばして、そんで取り巻きが立ち上がって、左腕を引きつつ、右腕と剣を高く上へ掲げて、その剣をまっすぐ前方へと振り下ろして、取り巻き動き出す……という儀式的な流れがあるんだけどな。2層ボスがそうだったけど、あれと同じ。


 2層では跪いてる取り巻きを先に潰して、ボスを2対1で削った。

 3層は逆で。


 儀式めいた動きの間に、ボスにクールタイムスイッチを仕掛けて殴り倒して、後から取り巻きを1組ずつ始末していく作戦で。


 筋力2倍のバイアトかけて、姉ちゃんから魔力2倍のバイマナイスもらった太陽神系魔法をぶち込んで、動き出す前のカッコつけてるナイトスケルトンカーネルをおれのトロアと姉ちゃんのトロアで殴りまくる。


 ボスを始末したら先に右側の取り巻き軍団、最後に左側の取り巻き軍団を、太陽神系魔法で削ってあとは物理で殴る。


 そっから移動して、医薬神ダンジョンのボス、エルダートレントHP24000と勝負する。取り巻きはなしなのでありがたい。

 枝の4回攻撃は、鍛冶神ダンジョンのドロップで集めた優秀な防具があるから特に問題なしのもーまんたい。

 気をつけるのは魔法スキルだ。地味に魔法をちゃんと使う敵は初めてだったりする。魔法スキルと同じ効果のある特殊攻撃ってのはあったけどな。テツコとか。


 エルダートレントは風の神系単体型攻撃魔法上級スキル・ザルツルを使ってくる。

 これ喰らったらポーションで対応しつつ、二人とも一時離脱して月の女神系単体型回復魔法初級スキル・レラサか中級スキル・レラシで回復をかけて、再度クールタイムスイッチ。


 とりあえず、医薬神ダンジョンのボスは1体なので、クールタイムスイッチで勝負はつけられるはずだ。


 想定外のことも考え解かないとダメだけど、考えすぎたら動けなくなる。


 とりあえず鍛冶神ダンジョン3層ボスは倒せなくて数で囲まれたら、太陽神系魔法と技後硬直がない通常攻撃で退路を切りひらいてボス部屋から逃走する。

 ボス倒しても囲まれたら同じ。トライアトの石版はいつかどこかでなんとかすればいい。


 鍛冶神ダンジョンをそうやってあきらめたら、そのままこの神殿を離脱。外のテツコを倒して、『おかわりゴーレムロード』から『はじまりの村』を目指してとっとと逃げ帰る。医薬神ダンジョンには行かない。


 こういうパターンで無理はしない。


 鍛冶神ダンジョンのボス狩りは無事達成して、でも医薬神ダンジョンで何か予想外のトラブルが起きて苦戦したら、やっぱり同じ。ボス部屋脱出で逃走する。


 そのために商業神ダンジョンでリタウニングを手に入れたんだからな。姉ちゃんにリピートさせんのもどんだけ大変で面倒でもきっちりやり切ったからな。






 鍛冶神の神殿へ行き、渦に飛び込んで3層へ。


 3層を急いで突破していく。


 それでも4回、戦闘アリ。そのうち3回はスケルトンコマンダーセコンドレフテナントを中心とするホネホネ軍団7体を相手にしたのは、不運と言おうか、たっぷり金貨を頂いて幸運と言おうか、金運? なのか、悩むところかもしれない……。


 ボス部屋となっている広い空洞の直前で、準備に入る。


「そんじゃ、そろそろ行くか、姉ちゃん」

「いいわよ」


 姉ちゃんが自信満々にうなずく。強くなってきた手ごたえを感じてるんだろうな。


 ここ数日でガンガンレベルアップしてるはずだ。攻略優先で消費SPからレベルを測れてないけど、かなり上がったと思う。ここに来たばっかの頃は、姉ちゃんからしたら、格上のモンスターばっかりだったからな。


 装備も、なかなかの物に更新されてる。姉ちゃんの槍、今はミスリルハルバード、武器補正175だからな。ボス戦周回してる時に、鍛冶神ダンジョン3層でスケルタルランスマスターからドロップした槍だ。あと2本、おれのストレージに予備もある。

 防具は重ね着できるミスリルチェインメイル防具補正100の上に旅人の服防具補正30だ。ミスリルチェインメイルはすばやさマイナス5%と、鉄やはがねの防具よりもすばやさの低下度合いが低い。


 ちなみにおれも防具は姉ちゃんとおそろいのペアルックだ。ムフフ、ペアルックだ。2回言っとく。武器はミスリルってとこがおそろい。おそろいだからな。

 おれはミスリルソード、武器補正200となっている。木の枝の武器補正2が、今はもう、懐かしくて泣けてくる。これが郷愁というものなのかもしれねぇな……。


 たまたま『はじまりの村』から一番近い神殿だったというだけではあるけど、ここを最初に選んでよかった。


 うん、今日で最後だ。頑張ろうかな。


『われ力溢れる鍛冶神に乞い願う、我らの武具を作り上げるたくましき力を、バイアト』


 呪文を唱え終わると、足元から伸ばした手の先まで魔法陣がおれをスキャンしていく。すぐ、タッパ操作でカウントダウンタイマーをセット。60分間の筋力2倍ムキムキタイムの開始だ。


『バイマナイス』


 姉ちゃんが月の女神系支援魔法中級スキル・バイマナイスを唱えて、おれに月の光の祝福を与える。これでおれは魔力も2倍のバイバイキーンだ! はっひ、ふっへ、ほーーーーっっ!


「突入!」


 おれがそう叫んでボス部屋に駆け込み、姉ちゃんも続く。狙うは3層ボス、ナイトスケルトンカーネル、HP18000のホネホネボスだ。


『ソルマ』


 立ち上がりつつあるナイトスケルトンカーネルに、姉ちゃんのバイマナイスで魔力2倍、弱点属性光でダメージ2倍の、バイバイキーン! 太陽神系貫通型攻撃魔法を連続で喰らわせてから、ぶん殴る。


『ソル……って、うえぇぇ?』


 ソルマに続けて、ソルミも使おうとしたところで、ナイトスケルトンカーネルが、細かい光の粒となって、飛び散っていく。


 チリンチリン、チリチリチリン、チリリリリーーーーンっ、と、大量の金貨がドロップして、さらには石版、剣、よろいまでもが落ちてくる。


「……って! ここで即死かよっっ!」


 マジか! ソルマさん仕事早過ぎっっ! まさかのボス戦即死! いや、おれたちじゃねぇよ? ボスがだよっっ!!


 取り巻きはまだ跪いたまま、立ち上がってすらいない。


 さっと姉ちゃんを振り返ると、ぽかんと口を開けたまま、ミスリルハルバードを振り上げて、固まっていた。


 いや、気持ちはわかる。わかるよ、姉ちゃん。


「……取り巻き、潰そうか、姉ちゃん」

「……これ、かったの? 本当に? これで? もうおわり? ほんとうに?」

「だな。まあ、こんなことも、あるよ、姉ちゃん」


 まだ取り巻きのホネホネパーティーは動かない。たぶん……たぶんだけど、ボスが約束通りの動きをしないから、このまま動かないんじゃねぇーかな? うん。


 おれと姉ちゃんは動かないホネホネ軍団を潰して、ドロップを回収し、渦へと飛び込んで4層へ行き、一切探索をせずにそのまま渦に飛び込んで鍛冶神の神殿へと戻った。


 あまりにも予想外の結果だったけど、ある意味、最高の結果オーライというところだった。


 ソルマ、恐るべし!






 おれと姉ちゃんはそのまま走って医薬神の神殿へ移動し、渦へと飛び込む。

 もちろん、行先は医薬神ダンジョンの3層だ。


 3層のボス部屋まで、走って移動する。部屋という言い方をするけど、森の中にぽつんとある、なんだか広いスペースってだけなんだけどな。


 鍛冶神ダンジョン3層では4回のエンカウントだったけど、こっちでは7回エンカウントした。


 多い!

 予想してたよりも多いよ!


 しかも、アモルポパルスタイタンから、2回強毒攻撃喰らって、移動で走るのにポーション飲みながらだったしな! マラソン選手の給水みたいになっとるやないかい!


 で、ボスの手前でタイマー確認、と。

 残り、18分間のバイアトタイム。


 よし、イケる。これでイケるはず。


 おれは姉ちゃんの旅人の服を、姉ちゃんはおれの旅人の服をチェックして、3つのポッケにライポが1本ずつ合計3本、準備できていることを確認する。


 でも、ちょっとだけ、ここでおれは欲を出す。


「姉ちゃん、バイマナお願い」

「……? やりとけんでたたかうはずだわ?」

「いや、もっかい、狙ってみようと思ってさ」

「……ああ、そういう……『バイマナイス』」


 姉ちゃんはおれが言いたいことを理解してくれたのか、すぐにバイマナイスをくれた。


 これでおいらは再びバイバイキーン!


「突入!」


 さっきと同じ感じで、言葉も合わせて、ボス部屋へと突っ込む。部屋じゃなくて、森の中にぽっかりと開いた空間だけどな。


 エルダートレントが1体でお待ちかねだ。


『ソルマ』


 突撃しつつ、ソルマの光でエルダートレントを刺す。


『ソルミ』


 続けて、ソルミの光もエルダートレントを刺す。

 残念ながら、即死効果は起こらない。


 うん。そりゃそうだ。そんな偶然が何回も起きるワケがねぇーよな。うん。


『ザルツル』


 どこに口があるんだか、まったくわかんねぇけど、エルダートレントが魔法を放つ。


 おれは風の刃に襲われながら、予備動作を根性で行い、エルダートレントへの突進を続ける。


「仕返しかい!」


 ……いや、当然のことだけどな。おれたち間違いなく敵対してるし?


 ポケットから特上ライポを取り出す。


『レラシ』


 姉ちゃんがすぐ近くを走りながら、回復魔法をかけてくれる。


「ありがと、姉ちゃん!」


 そう言いながら、おれはライポを頭からかぶった。


「姉ちゃん先手! 1回だけ先にタゲ取って!」

「わかったわ!」


 おれたちは向かってくるエルダートレントを避けるように左右に分かれる。


「ふっ!」


 強く息を吐いて、姉ちゃんが槍スラッシュを発動。続けてトライデル、カッターと、トロアを成功させて、ノックバックを取る。


 ノックバックから体勢を立て直したエルダートレントは向きを変えて、おれを狙ってたはずのエルダートレントの枝が姉ちゃんの方へと動く。


 タッパをちらっと見て、HPの回復を確認。


 そのまま、おれもトロアをぶちかます。まだバイアトの効果時間内だ。破壊力は抜群! すんげぇスピードで、HPバーが削れていく。20本1列のHPバーが4列以上削れた。ダメージは8000オーバーだ。なかなか気持ちがいい! さっき、鍛冶神ダンジョンじゃ、このバイアト効果を味わえなかったからな!


 もちろん、再度、おれがタゲ取りした。もう姉ちゃんはタゲ取りできそうにない。


 ノックバックと技後硬直の相殺の後、剣の距離のおれは逃げきれない。


 姉ちゃんがトロアで攻めるけど、タゲ取りはおれとのダメージ差で間に合わないから、おれはエルダートレントの枝の4回攻撃を喰らう。姉ちゃんのトロアを喰らいながらおれを攻撃してくるってのがたくましい。


 ただし、装備のランクアップで、おれらはほぼダメージはなし。うん。怖いのはザルツルだけだな。


 姉ちゃんのカッターでのノックバックに合わせて、おれは予備動作を行い、体勢を戻したエルダートレントに再びトロアをぶちかます。


 姉ちゃんが予備動作を始めたのが見えたけど、おれのカッターでエルダートレントは細かい光の粒となって飛び散って消えた。そこに、1枚の石版と大量のキノコが残された。


 イノキダケだ。スタミナポーションの上級素材。スタポ作成魔法である医薬神系特殊魔法上級スキル・リゲインズアワリゲインの呪文が書かれた石版と一緒にドロップするとは、エルダートレントの気配りに感謝だな。


 渦に飛び込み、4層へ。そのまま何もせずに、再び渦に飛び込み、医薬神の神殿へ。


 経験値を稼いでレベルとスキルの熟練度を上げて、装備を整えて力を蓄え、相手を研究して作戦を立て、勝つべくして勝って、先へと進む。これでもかというくらい、RPGらしく戦い抜き、目標を達成したと思う。


 これが、この世界がゲームのようなものだとしたら。おれと姉ちゃんは、それをクリアできる力を着実に身に付けていた。


 強過ぎるほどに、強くなっていた。

 自覚はなかったけどな。






 アトレーさまの神殿で、一度宿泊所へ入る。


 おれは、『猫の手』とスタミナポーションの材料をそろえて、マジポを飲み、MPを回復させる。


 そして、呪文の詠唱で医薬神系特殊魔法上級スキル・リゲインズアワリゲインを発動させて、スタミナポーションを作った。


 減ったMPを回復させるため、またマジポを飲み、そういや、SPも減ったよなと気づいて、できたばかりのスタポも飲む。姉ちゃんにもスタポを渡して飲んでもらう。


 回復具合を確認するために、タッパでステ値を見る。


 レベルは29になっている。思えば強くなったものだ。

 でも、あれ? おれが29なら、姉ちゃんも25にはなってんじゃね?


 そう気づいてしまうと、確かめなければ気が済まない。


 レベル25は、生産系である創造の女神アトレーの眷属神たちの上級スキルが使えるようになるレベルだ。


 姉ちゃんのレベルを25として考え、『聖者の指輪』でほとんどMPを消費していないとする。でも、安全のために使用するMPは200で止めておく。


 必要になる素材、ポパイソウを30本、ストレージから取り出す。リゲインズアワリゲインの消費MPはスタポ1本あたり20だ。MP200で10本作れる。素材の薬草は3本でポーション1本分。


 嫌そうな顔を隠さない姉ちゃんに、呪文のリピートアフターミーを強要する。

 何度も、何度も、呪文を途中で間違い、さらに嫌そうな顔になりながら、姉ちゃんはやり遂げた。


 苦節、23詠唱。23回だ。

 リゲインズアワリゲインが発動し、並スタポが10本、完成したのだった。


 姉ちゃん、いつのまにかおれにせまるレベルになっていたワケで。

 レベルという点から考えると、おれたちが死ぬ可能性はかなり低くなってきたんじゃねぇかな、と。


 三種類のポーションをそろえられるようになったことも含めて、生存可能性は高められていると信じることができた。


 テツコの庭へと向かい、階段を下りていく。


 10日ぶりのテツコは、リポップしてテツコの庭の中心にいた。


 おれたちがテツコの庭に踏み入ると、背中を向けていたテツコがおれたちを振り返る。


 もう、行きで苦労したおれたちではない。

 そして、新しいボス戦支援魔法も手に入れた。


 ミスリルソードをかまえたおれと、ミスリルハルバードを振り回す姉ちゃん。二人で、テツコに真っ向勝負を挑む。


 形はクールタイムスイッチと同じだけど、ノックバックが起こらない可能性があるので、あくまでも交代でぶん殴るという作戦とも言えない作戦。


 ただし、おれは筋力3倍の、鍛冶神系支援魔法上級スキル・トライアトを唱えてから、だけどな。


 おれのトロア、姉ちゃんのトロア、そしておれのトロアの二つ目、トライデルでテツコは細かな光へと変わり、飛び散っていく。鉄のインゴットがドロップした。


 20000近いHPをたったこれだけで削れるようになった。


 テツコから1発喰らったけど、ミスリルチェインメイルの防具補正で、大きくダメージを減らせている。真っ向勝負でもほぼ問題なしのもーまんたいだ。

 大真面目に命がけで、ソルマの『間諜殺』でテツコを倒したことが、なんとも馬鹿らしく思えてくる。


 おれと姉ちゃんは顔を見合わせ、にっこり笑う。

 そして、そのまま、おれと姉ちゃんは『おかわりゴーレムロード』を走り出す。


 まだここから何日もかかる距離だけど。

 ポーション使って、1日の移動距離を伸ばして。


 見つけたモンスターは熟練度上げのためにぶん殴って。

 そして、目指すは『はじまりの村』だ。






 こうして、おれと姉ちゃんの、次の戦いが始まる。

 おれは姉ちゃんを、姉ちゃんはおれを、守るために。


 全ては、この世界を生き抜くために。





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