「水鏡に照らされた嘘」作者 餡《鶯埜 餡》様

30作目の感想は、鶯埜 餡 様の「水鏡に照らされた嘘」になります。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888891393


鶯埜様の作品もいくつか読んでおりますが、今回の物語が一番好きです。

すれ違い、特に、男性視点の部分がぐいっと心に来ました。


下記ネタバレ感想です。

本作を未読の方は読まないでください。








(いつもより長い空行)














凍雲の章が、三人称の優華視点。

14年ぶりの再会から、過去の嫌な記憶を手繰っていく。

虐めがえぐいですね。本当。実際にこういう事が起きてるんですよね。

最終的に正義の鉄拳が下されて、ほっとはしましたが、被害を受けている時は何も救にならなかったのが辛いですね。

虐めって、何もできない人も結局加害者なんですよね。

そうつくづく思いました。

裏切ったと思った彼の本意、そして彼の背景もわかってきて優華の気持ちが少しずつ晴れていくのよかったです。


冬霞の章は康太の視点。

これは彼の切ない恋心がぎゅっと凝縮されていて、たまりませんでした。

優華の虐めよりもさらにひどい暴力的なもの。

彼の父親に対してちょっと情けなく思ってしまいました。


最終章、『大雨のち、満天の星空』

ぼかされていた大学での事件ですね。

康太がモテモテなのはわかるのですが、もっとしっかりしろっと梓のように叱りたくなりました。(作品中では梓はそんなこと言ってませんが。イメージ的に)

結局、康太ではなく、第三者からの介入で問題解決。

それがちょっと情けないぞと思ったのですが、円満に解決してよかったです。

優華は意外に大胆な子なんですね。


面白くて一気に読んでしまいました。


この度も企画に参加くださりありがとうございました。


最後の感想、31作目は。白瀬曜 様の「機械仕掛けと護衛の王」です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887679192


もしかしたら来週になってしまうかもしれません。

よろしくお願いします。




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