E=πO2の法則〜おっぱい短編集〜
シロクマKun
第1話 人間××
自分には巨ニユウの生活というものが、見当つかないのです。
自分は子供の頃から貧ニユウで、よく子供向けブラをしていましたが、トップレスブラ、バストアップブラを、つくづく、つまらない装飾だと思い、それが案外に実用的だった事を、二十歳ちかくになってわかって、人間のつましさに暗然とし、悲しい思いをしました。
また、自分は、SNSでバズるという事を知りませんでした。いや、それは、自分がSNSに疎く育ったという意味ではなく、そんな馬鹿な意味ではなく、自分には「バズる」という感覚はどんなものだか、さっぱりわからなかったのです。
つまり自分には、SNSの絡みというものが
つまりわからないのです。投稿のバズる性質、程度か、まるで検討つかないのです。
人はスマホを見ながら何を考えているのだろう、エロ?まさか、それだけでも無いだろう。自分はSNSで良い投稿が出来ません。何を、どう投稿すればいいのか、わからないのです。
そこで考え出したのは、おっぱいでした。
顔は絶えず笑顔を作りながらも、おっぱいは必死の、それこそかろうじて谷間ができているというべき危機一髪の、脂汗流してのサーヴィスでした。
自分は夏に、はだけた浴衣の下に、赤い寄せて上げるブラジャアを付けて自撮りし、SNSにアップしました。自分はエロに依ってフォロワアを増やそうと、必死のおっぱいのサーヴィスをしたのです。
「それあ、嬢ちゃん、似合わない」
と、数少ないフォロワアさんの残念なコメントが書き込まれました。
何という失敗、自分はフォロワアさんを呆れさせた、とその夜、蒲団の中でガタガタ震えたのです。その後、恥を忍んで違うフォロワアさんに駄目の理由を聞いてみました。
「ワザ。ワザ。」
自分は震撼しました。ワザと谷間を作ったことを、事もあろうにフォロワアさんに見破られるとは、全く思いも掛けない事でした。
「つまらん。無理くり寄せて上げるとはつまらん。人工は、つまらん。われらの教師は、自然の中にあり!おっぱいに対するパアトス!」
「寄せて上げないと、ヒラメのようなんです。いまでも上げたい」
「それじゃ、いっそ、ホルモン注射がいいでしょう」
いまはもう自分は、Aカプどころではなく、Bカプでした。いいえ、断じて自分は貧ニユウなどではなかったのです。けれども、ああ、おっぱいとは大抵、C以上の事を言うのだそうです。つまり、C以上なけれは、それは、おっぱいではないのです。
神に問う。貧ニユウは罪なりや?
いまSNSに投稿しても、自分はやっぱり貧ニユウ、いや、
人間、Cカプ。
もはや、自分は、完全に、バズる事は無くなりました。
E=
〜人間××〜
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