幾年、君の夢を見る
うふふ
五月の呪い
僕は君に呪われている。
「失恋は時間が解決してくれる」とよくいうけれど、もうずっとだ。
三日に一度、君の夢を見る。
夢の中の君は、新しい彼氏を紹介したり、話しかけても無視をしたり僕が傷つくような酷い仕打ちばかりする。
でも、たまに付き合っていた時の一緒に帰っていた光景が蘇ったり、“友達“として仲のいい友達たちとともに笑顔で話したりしている。
そういう時は決まって幸せな気分で目が醒めて、居るはずのない君の姿を必死になって探す。
もしかしたら今ある現実が夢で、さっき君がいた世界がホントの現実なんじゃないか。
今までの日常が全て悪夢だったのではないかって信じてしまいそうになる。
そうしてしばらくしてから、醒めていく現実の中で孤独感に包まれて息が苦しくなる。
やっぱり僕には君しかいないのだと思い知らされて、涙がこぼれる。
君が欲しくてたまらないと僕の心が、細胞が叫ぶ。
それは呪いのようで・・・別れようって言ったのは君からなのに、
「私のことを忘れないで」
と強く訴えるように、忘れることを許してくれない。
もうあれから五年がたつ。
幾つになっても、
幾年君の夢を見る。
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