彼に殺される前に

朝霧

一枚目

 おそらく、私は遠からず殺される。

 だから半ばこれまでの事を整理する為にこの文を書いている。

 こんなものを残しても意味などないかもしれないが、ひょっとしたら誰かの目に留まることもあるかもしれないので、念のため残しておくことにする。

 この文は私が通っている高校の図書室の本のページに挟んでおく予定だ、彼に見つからぬよう、普段私が興味を持たないジャンルの本に挟んでおこうと思う。

 私の名前は水戸千代子という、ただしこれはペンネームであり本名ではない。

 本名は万が一の事を考え記載しない。

 ペンネームとは書いたが私は別に高校生と兼業で作家をやっているようなできた人間ではない、ただ趣味で小説ととあるものを書き続けてきたものだ。

 そのとあるもののせいで今のような苦境に私は立たされているわけだが、それは追々記載する。


 まず、この手紙を見つけた誰か様へ。

 もしもあなたが西暦20XX年頃に現れたカイジンとそれが生み出すカイジュウに対抗する謎の美少年集団とのコネを持っているのであれば、すぐに彼らにこの手紙を渡してほしい。

 そうでなければ何も見なかったふりをして、この手紙を元の状態に戻してほしい。

 あなたにあの美少年集団とのコネがないのであれば、どうか好奇心が猫を殺すということわざ通りの最期を迎えないでほしいのだ。

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