3人目

今日も退屈な1日が始まった。

まだ1限目も始まっていないのにお腹がペコペコだ。


おいどんは仕方なく売店ばいてんに行き、ちょくで渡されたおはぎを買いむさぼっていた。

おかげで手がベトベトである。


同じようにお腹を空かせた者たちが売店ばいてんへ集まっていた。


おはぎを6個平らげ、満腹まんぷくになり眠たくなってきた。

これは1限目は眠気ねむけとの戦いだな...などと考えていると、売店ばいてんにいる者たちが、ちょくでおはぎと、更にきな粉餅を受け取ったいた。


その様子を見ていていると、のどかわいてきた。

甘いものを食べたのだから喉も乾く。


近くにあった自動販売機じどうはんばいきで水を買うため、ボタンを押そうとした。



ドンッ— ピッ  カガゴン!!



何かがぶつかった衝撃しょうげきで、ボタンを押してしまった。


水のボタンは押せただろうか…。


振り返ると、先程さきほど売店ばいてんでおはぎときな粉餅を買った者たちが、おいどんにぶつかったのだとわかった。


ぶつかり、あやまりもせず、おはぎときな粉餅を口にほおばり、笑いながらながら立ち去っていった。


なんてやつらだと思いながら、水を取ろう手を伸ばした…おしるこの缶が見えた。



おのれおしるこ…許すまじ…(-言-)




ゔゔゔ!!  ゴボッゴボッ ゲホゲホッ


ドサッ



変な音がしたのでそちらに目をやると、先程ぶつかった者たちがしゃがみ込んでいる。


そのうちの一人が立ち上がり、ものすごいいきおいで走り去っていった。


なんだ?どうした?


よく見ると、口にきな粉餅が入っているのが見える。


きたないな...。



「大丈夫か」「しっかりしろ」「吐き出せ」「今先生呼んできてるから」「背中を叩け」


なるほど。餅を詰まらせたのか。まだ若い。餅で死ぬことはない。その場を後にした。


その日の夕方、ネットニュースを見ていると、今朝けさの餅をまらせた者のことが書かれていた。


今朝けさ和歌使わがし高校にて、16歳男子高校生(望賀もちが摘流つまるさん)が、餅をまらせ死亡ー。




若いのに餅で死んでた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る