第43話 とまあ……、当たり前ですけれどね。

「――ねえ? 先生が、まだ教育実習生だった頃の話をしてもいいでしょうか?」

 突然、大美和さくら先生は神殿愛にこう言った。

「……はい」

 神殿愛、なんか唐突だなとは思ったけれど、なんだか成り行きで返事をした。


「――まあ、先程のバイト先の続きなのですけれど、教育実習生の頃にその会社で働いていて、初めてのお給金が月末に振り込まれることになっていて……」

 大美和さくら先生は少しだけ顔を上げて、円形演技場の天井の奥に連なっている照明を見つめた。

 遠い過去の自分の記憶を辿っている――

「その金額……まあ微量だったのですけれど、そのお給金の金額をカレンダーに書き込んで、私は月末に口座に振り込まれるのを楽しみにしていました」

 ちょっと眩しかったようで、両目を数秒間閉じた大美和さくら先生、それからすぐに向けていた顔を舞台に戻すと、ゆっくりと目を開ける。

「――ある時、先生が台所で夕食の仕度を手伝っていたら、……先生は、その頃は実家から通っていましたから。親が私に、あのカレンダーの月末の金額は何? と聞いてきたんです。先生はね……最初、意味が分からなくてね」



「……あ、あの? 大美和さくら先生? 一体、どうしちゃったの……」

 いつの間にか、新子友花は観客席の通路から舞台に上がって来ていた――


 ラノベ部の部員としてか、はたまた聖ジャンヌ・ブレアル学園の生徒としてか、神殿愛の独善は勿論のこと、大美和さくら先生のとっぴな登場に、もはや看過できなかったのだろう。

 しかし、大美和さくら先生の唐突な話の展開に、新子友花はついていけず聞き入ることで精一杯だ――


 ――そんな新子友花の気持ちに気が付いたのか?

 大美和さくら先生は、新子友花の顔を見つめてながら、

「親はね……更に『さくらの部屋の、カレンダーの月末の金額は何って聞いてんの!』と、私に聞いてきましたっけ……」

 ちょっと寂しそうに目を細めて、自分が親から受けた体験の記憶を思い出し呟く。

「大美和さくら……先生?」

「……大美和さくら先生?」

 神殿愛と新子友花が、何故だか同じタイミングで先生の名前を出した。

「……………」

 一方、忍海勇太はというと、隣にいる先生の横顔を黙って見つめ続けていた。


「あの先生? その話の筋が私には、よく分からないのですが……、何を仰りたいのでしょうか?」

 神殿愛は大美和さくら先生が自分の体験談から何を言わんとしているのかが分からず、頭の中がこんがらがってきたのだった。

「大美和さくら先生? あ、あたしも、その先生の話が、なんだかよく分かりません……」

 新子友花も同じく、先生の話についていく以前に、全く理解することができずにいた。

「先生? あの……、俺も分からないです」

 忍海勇太も素直に自分が今思っていることを伝えた。


 つまり、3人共に同じ疑問を持っていた――


 けれども、大美和さくら先生は自分の過去の体験談を淡々と続ける。

「先生ね……。その時、とってもショックを受けたのですよ」

「親にカレンダーを覗かれたことをですか? 大美和さくら先生??」

 新子友花がストレートに尋ねる。

「……いいえ。違うんです」

 首を小さく左右に振って、大美和さくら先生は否定した。

「先生はね……、あの時。親からこんなことを言われたんですよ」


『え? 見たらいけなかったの??』


 ――そう言うと俯く。


「先生は――私はとてもショックを受けました。実の親からこんなことを言われるなんて、信じられなかったのです。――私はね、親がカレンダーを覗いたことに対してショックを受けたんじゃないのですよ。新子友花さん……、神殿愛さん……、忍海勇太君……」

 3人の顔を、順に見つめる大美和さくら先生は、

「私はね――悪びれもなく、実の娘にね、堂々と『見たらいけなかったの??』と聞いたことが本当にショックだったのです。相手の気持ちなんて……心に全くなかったのです。私、こんなことも分からない親に愕然としてしまって……。小学生にでも道徳的に理解できることじゃないですか? そうでしょ??」


 新子友花は、実の兄が病床にいる時に掛けた両親の言葉を思い出した。

『頑張れ……』、『心配……』、病気で苦しんでいる兄に対して、もっと寄り添ってあげられるような温かい言葉はないのか――と。


 神殿愛は、生徒会長として日々活動している中で、馴れ馴れしくお願いしてくる生徒数名を思い出した。

 自分が生徒会長に当選してから、急に自分のことを褒めたりヨイショしてきたりする迎合的な人を――


 忍海勇太は『新しい文芸』のメイン小説の内容を――教室で自分が前の席に座っている新子友花にいつも言っている言葉を思い出した。

 それは、『お前……』である。


 自分としては悪気はないんだけれど、もしかしたら彼女はそう言われることに抵抗感を持っているんじゃ――



 おいおい……、『だから、あたしのことをお前っていうなー!!』のフレーズを、お忘れか??



「先生は、ショックでね……」

 大美和さくら先生は話を続けて、

「自己愛――ナルシシズムってこういう感覚なのですよ……。自分の世界しか無い。自分のことばかりでいっつもな人――つまり、他人の気持ちなんて全く考えない。……考えない人だから、平気で相手の気に障ることを仕出かす」

 胸の前で両手を握りだし……、握った自分の両手をじっと……瞬きすることなく凝視する。

 その先生の姿は、教会で十字を切って聖人ジャンヌ・ダルクさまの像に向かい、祈りを捧げるそれに近い。

「無意識へ自分の深刻な劣等感を抑圧して、他人への思いを麻痺させている人……。その劣等感の裏返しが、自己愛――ナルシシズムなのですよ。自分の言うことやること、すべてが善意なのだと錯覚している人……。それが、私の親なのだと理解してしまった時は、本当にショックでした――」

 静かに目を閉じて、一呼吸して自分を落ち着かせる。

「――それから、ちょうど春先の桜が満開だったかな? 先生は1泊で田舎に帰省したんですよ。その田舎は、先生が幼い頃に暮らしていた山奥なんですけど……。あれは、完全に傷心旅行でしたね」

 数秒経過して……、目をゆっくり開けた大美和さくら先生。そしてまた、どこか遠い過去の記憶を辿るのであった。


「新子友花さんと同じですね。先生にも青春時代の田舎の思い出がね、実はあるのですよ。とまあ……、当たり前ですけれどね」

 と言うと、


「ふふっ!」


 大美和さくら先生は口角をグッと挙げてニコリ。目一杯の微笑みを新子友花達3人に見せてくれた。

 ――だけじゃなく。舞台後ろの巨大モニターにもその気持ちの良い顔が映し出されて、先生の微笑みは聖ジャンヌ・ブレアル学園の生徒達全員に披露されたのだった。


「――ところで、ねぇ? 新子友花さん! 神殿愛さん! 忍海勇太君!」

 胸の前で握っていた両手を広げてから、

「先生が田舎に帰省して、まっしぐらに行った場所は何処だと思いますか? ふふっ!」

 おもむろに大美和さくら先生は、その手を腰に当てながら再びニコリと微笑んだ。

「…………あの、大美和さくら先生。まったく分かりませ……ん」

 新子友花は心の中で、そんなの先生にしかわかんないじゃん! と思っていた。

「…………分からないですって、先生」

 神殿愛も同じく。

 恋人同士が会話する時の『ねえ? 私の好きな食べ物は何だと思う?』……に似ていると思った。


「…………先生。分かる訳がないですって」

 忍海勇太は、キッパリそう返す。


「ふふっ!」


 口角を上げてのしたり顔――もとい、大美和さくら先生が見せる三度みたびの微笑み。

「そうですよね? じゃあ教えましょう! それはね……、田舎の駅前スーパーのね。屋上のゲーセンコーナーですよ!!」

 何故かは分からないけれど、自信たっぷりに、ハキハキと先生は3人に教えた。

「ゲーセンコーナーですか……?」

 新子友花は、先生の口から意外なキーワード“ゲームセンター”が出てきたことにびっくり。

「ふふっ! これでも大美和さくらは、すこぶるゲーマーだったんですよ」

 ここで、四度目のニコリと微笑む先生だ。

「……先生ね、田舎に住んでいた頃はよくゲーセンのアーケードゲームを、夕方遅くまで遊んでいましたっけ? う~ん、懐かしい!! 中でも[ドラゴンバスター]って知ってますか? あのゲームにハマっちゃってね♡」



(あの? 推定年齢27歳でドラゴンバスターとは、これ設定に無理があるかと――担当編集より)

(いいんです。推定年齢ですから……作者より)



 大美和さくら先生は視線を少し上げると、感慨深げに遠目になった。

「ドラゴンバスター。ああ、懐かしいですね。……あの頃は、クラスメイト総出で、みんな夢中になって遊んでいましたっけ? ある時なんか、私は屋上のゲーセンで友達と夕方遅くまで遊んでしまって。……そうそう、麻雀ゲームも得意なんですよ!」

「はあ……そうですか……。麻雀もですか」

 神殿愛が相槌を打つ。内心は先生の話をポカン……と聞いていた。

「はいな!! ――役も分からず東南西北トンナンシャーペイ大四喜ダイスーシーをツモったら。いつの間にか女流雀士って呼ばれちゃいましたよ……ってね」

 視線を舞台上に戻すと、瞬きを数回パチクリと見せる。

 ……どうやら、自慢しただ。


「はあ……女流雀士ってなんですか?」

 首をちょい傾けて尋ねる神殿愛――雀士なんて女子高生には分からない言葉なのだろう。


 ……その神殿愛から質問に、大美和さくら先生はどう答えるのか?

「……まあ、女流雀士ってのはね。ウソぴょん!」

 くくくっ……と。左手を口元に充てて自分なりのジョークに自分一人で笑った。

 先生は麻雀ゲームで役満をツモったことがありますよ! と言いたいのだ……。

(ウソ、おおげさ、まぎらわしいよ……)


「でもね……。ゲーセンに通い過ぎて、家に帰ってから祖母からね、こっぴどく怒られちゃった……」

 また、パチクリと瞬きを数回する……。

「……遠足のおやつのためのお金を、私はゲーセンに注ぎ込んでしまって……、怒られるのは当然ですね。祖母からあんなに怒られたのは、あの時が最初で最後でした。丁度、小学4年生の頃だったかな?」


「……恐かった」


 そう呟くと、腰から手を放し肩の力を抜いてだら~んと、表情を真顔に戻す。

「……今でも思い出しますよ。トラウマというやつですね。もう大昔のエピソードだというのに脳ってのは……さっさと忘れてくれればいいのですけれど……」

 そしてもう一度、舞台の上から円形演技場の奥の天井にぶら下がる照明を見つめた。

 照明は少し眩しい――大美和さくら先生は目を細める

「……脳ってのはね、簡単には忘れてくれないようにできているんでしょうね。大美和さくらが、その体験を懐かしい過去の記憶としてだけ、思い出すことができるようになったのは――つい最近でしょうか?」


「でもね、みんな――」

 ゆっくりと新子友花達3人の方を向き直し、

「――私のドラゴンバスターのトラウマが、ずっとずっと私の心の中に残っていたから。だから……大切な田舎の祖母と、今まで心の中でずっと繋がっていたのだと思いました。大美和さくらは、そう考えるようにしました――」

 考える時に見せる先生の癖……右手の人差し指を顎に当てながら、

「大美和さくらも、もう“うんじゅっさい”ですからね……。忘れないとね」

 視線を3人の上の方に向けて、頬を緩ませて少し照れてしまった。



 本当にありがとう。ドラゴンバスター!!




       *




「……あの、大美和さくら先生?」

 神殿愛、両目をパチパチと瞬きをしてから、

「なんだか、やっぱし私。話が見えないんですけれど……」

 彼女は、ずっと大美和さくら先生の過去の話を聞かされているこの状況に、たまらず本心を吐露した。

「そうですね……。新子友花さんの文芸誌のメイン企画の話から、いつの間にか……先生の身の上相談話になっちゃって、なんだか変な話なっちゃいましたね。……ふふっ!」

 大美和さくら先生は、神殿愛に軽くペコりとごめんなさいをして、ニコッと微笑む――これで五度目かな?

 それにしても、今回の先生はよく微笑んでくれる。


「……………」

 と思ったら、先生が急に無言モードに突入する(なんだか躁鬱激しいよ……)。

「……あの、大美和さくら先生? どうかしましたか??」

 たまらず新子友花が、物思いにふける先生に声を掛けた。

「……まあ、そのね」

 先生は口元を少し開けて――でも、視線は下げたままで。


「…………まあですか? 先生?」

「……まあ? って、何ですか?」

 神殿愛と忍海勇太が揃って聞き返した。


「……まあ、ぶっちゃけると、田舎に帰省した時には、すでに屋上のゲーセンコーナーは閉店していて、無かったんですよ―― ふふっ!」

 顎に指を付けたままで、首も大きく傾ける。

 そう、大美和さくら先生の六度目のニコリは、茶目っ気感まっしぐらな微笑みだった。


「なっ! なかったんかい!!」 ← 新子友花、神殿愛、忍海勇太。


「新子友花さん、神殿愛さん、忍海勇太君、そうなんですよ~。でもさ! めげずに次行ってみましょうか?」

「お……大美和さくら先生の仰りたいことが、あたし……まったく意味が分かりません」

 女流雀士といいゲーセンといい……。

 嘘吐きまっしぐらの大美和さくら先生に、100年の尊敬も覚めてしまった新子友花であった――


(あ~あ、だめだこりゃ……)


 ちなみに舞台後ろの巨大モニター、学園中の8Kモニターを見入っていた全ての生徒達が、一斉にツッコみましたとさ……




「――あの先生? 先生の仰りたいことですが、やっぱり何なのだろうって……私、かなり頭の中が混乱していて」

 神殿愛の頭の上には“クエスチョンマーク”が数個浮かんでいる。

「はい! 一体、何の話だったのでしょうね……。先生も何がなんだか? まあ……先生の過去の思い出話は、これくらいにしましょうか……」

 胸前で大美和さくら先生は、両手をパチンと鳴らす。


「…………はにゃ?」

「…………おいって」

 なんだか……よく分からない成り行き任せの思い出話を聞かされるや、いつしか、話が終わってしまったことに、新子友花と忍海勇太は目が点になってしまった。


 ――その2人の呆れた感漂った空気を感じたのか?

「あははっ! 今日の大美和さくらは――ちょっと変ですかね?」

 前髪を指で摘まみながら、照れ笑いを見せた大美和さくら先生……(うん、変だよ)。


 けれど、その内心はというと――



 聖人ジャンヌ・ダルクさまは仰いましたね。

 新子友花さん。あなたの小説の中で……今を生きようぞって!!

 その通りですよ――


 自分が、しっかりとしていれば……いいのですから。


 ――幼い頃の辛い記憶よりも、今の自分の幸せを思って生きましょうね。



「……忘れることはね。そう簡単じゃあないんですよね」

 以前、前髪をスリスリと指で摘まんで――

「……大美和さくら先生、思い出話はこれくらいに」

 また話を続けようとする先生を、新子友花が諫める。

「……忘れないとね、歳を取る度に生き辛くなっちゃうんですよ……。新子友花さん、そして、神殿愛さんも忍海勇太君……」



 これでも、“うんじゅっさい”を生きてきた大美和さくらが言いましょう。


 忘れる努力をすること。

 これが、あなた達を必ず幸せにするでしょう――



「新子友花さん……」

「は……はにゃ?」

 大美和さくら先生は、新子友花の目を凝視すると、新子友花の頭の上にも“クエスチョンマーク”が浮かんだ。

「……………」

 先生は、そのまま新子友花の目をじーっと見続ける。

「はにゃ? 大美和さくら先生??」

 心底困ったり驚いた時に使う口癖が、新子友花の口から零れた。

「新子友花さん……。あなたが自分と向き合って忘れようとした田舎の幼馴染との思い出は、これからのあなたの人生を――とてもとても、晴れ晴れとさせることをね……。大美和さくらは新子友花さんに断言しましょう」

「……あたしの人生が、これから……晴れ晴れとですか?」

「ええ……本気でね、そう思います。あなたの覚悟がこれからのあなたの人生を、素晴らしく輝かせてくれるのですよ――」

「どうして……なんですか? あ、あの大美和さくら先生?」



「ふふっ!」



 新子友花を見つめながら、ニコリと七度目の微笑みを見せてくれた――


「……先生?」

 いまいち理解できず、チンプンカンプンな新子友花である。



 ああ聖人ジャンヌ・ダルクさま――


 私の生徒達への教育は、これでよろしいですよね?




       *




「まあね!」

 刹那――大美和さくら先生が、ササっと早歩きで忍海勇太の傍に擦り寄ると。

「それはそれで! 今日はお祭り。文化祭ですからね~」

 

 んぎゅー!


 先生が目一杯に力を入れて、グイッと彼の腕を持ちグイグイっと引っ張った。

「……あ、あの先生?? なにこれ?」

 忍海勇太は当然のこと戸惑う。

「……も、もしかして、これって『学園 殿方争奪バトル!!』の続き……ですか?」

「はい、忍海勇太君! モチのロンですよ! あなたのことは先生でしたから!!」

 大美和さくら先生の表情は、さっきまでの真剣なそれとは打って変わって、春めいて暖かくなって来た夜中に突如、『ゔぁー』と野良猫の盛りの如く。

 気が付けば再びラブラブモードまっしぐらになっていた……。

「――さあ、続けましょうか! 忍海勇太君。先生と一緒に聖人ジャンヌ・ダルクさまがいらっしゃる教会――聖ジャンヌ・ブレアル教会まで、しっかりと駆け足で行きましょうぞ! ……これぞ、文化祭のメインイベント“セレブリティ・ロード”なのです!!」

 そんなロードあったっけな?

 ……多分、大美和さくら先生は“ヴァージン・ロード”と言いたいのだと思うけれど。

 流石に未成年とその道を歩くのは国語教師として、少し(かなり!)問題があると判断。

 言い換えた――


 ぐいっ! ぐいっ!!


 大美和さくら先生は、忍海勇太の腕を強引に掴んで離そうとしない。

「ささっ! 聖ジャンヌ・ブレアル教会まで2人で一緒にね! ねっ!!」

「ちょ! ちょっと先生って!!」

 引っ張って、引っ張って、引っ張って……2人は舞台袖へとけて行った。


 刹那――


「……ちょ、先生って! 待ってくださいって!!」

 神殿愛、青天の霹靂の如く……真夏の夕暮れ時の夕立の積乱雲ように、目前から過ぎて行った大美和さくら先生と忍海勇太に気が付いて――

 すぐさま、後を追い掛けて舞台袖へと捌けて行った。



「大美和さくら先生……、勇太……、……ってな! ちょ! ちょいな!! あたしも!!」


 RPGのラスボスに取っ捕まった王子様――もとい、同じクラスメイトでラノベ部員の忍海勇太が、このままじゃ聖人ジャンヌ・ダルクさまと同じように火刑台へと……ならないって。


 ウソだ……、これは夢だ……、幻か何かだ……、絶対に……


 新子友花も皆と同じく、慌てて2人の後を追い掛けるため舞台袖へと捌けて行ったのである。





 続く


 この物語は、ジャンヌ・ダルクのエピソードを参考にしたフィクションです。

 また、[ ]の内容は引用です。

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