結婚願望を抱いた経緯。
台風のあとは、空も地面も眩しく感じる。
この時期の台風は珍しい、と旦那が朝呟いていた。そういえばそうかもしれない。
子どもが水たまりに入ると、太陽の反射がキラキラしていて、「君の名は」のラストみたいだった。
しかし、その爽やかな天気とは裏腹に、私はとても憂鬱だった。
今日は一日台風の予定で、一日中引きこもりたい気分だったのだ。
マーガリンを買ってきて、砂糖と小麦粉とチョコチップを大量に入れたクッキーを作って・・・。「ラブパトリーナ」を見せている間に少し勉強して・・・と、私の中で作り上げていた「雨の日の親子の一日計画」が一気に崩れ去ってしまった。どうしても出かけたくない時のお出かけほど、嫌なものはない。
土曜日旦那がいると、旦那がすぐに疲れるので逆に旦那に私が気を使ってしまうのだった。なので、旦那に先に帰らせ、旦那は家で昼寝をし、私が一人で子供二人の相手をする。あえて公園に行く。
最近、どうして、子どもより旦那に気を使ってしまうんだろう。
こんな家庭を、作るはずだったのか?。
私は腰を下ろして、下の子の砂遊びを見守りながらため息をついた。目と鼻の先の大きな船の形のジャングルジムで長女がよそのお友達と遊んでいる。目があい、手を振ってやった。
最近、ため息ばかりだ。
理想の結婚生活ってなんだろう。最近分からなくなってきた。
もともと、結婚願望はあまり無かった。父と母は仲が悪かったし、姉もバツイチでその様子を見てきた。漠然としてたけど、ただ子どもは欲しかった・・・。
ただ、女性に生まれたからには子どもを産みたい、幼児くらいの頃からそう思っていた。
13歳くらいから、異性を意識しはじめ、セックスの知識が増え始めて意識しはじめて・・・。
そうだ。なんとなく、好きな人の子どもをいつか産みたい。そう思うようになった。いやらしい?これって私セックスがしたいのかな?。恥ずかしい・・・と悩んだりもしたけど、それなりに向き合って乗り越えて、20歳を過ぎた。
そうだ、20歳の頃もまだ結婚願望は無かった。色々男性との出会いもあったけれど・・・。好きな人もいて、その人だけ意識はしていて・・・。この人との赤ちゃんが出来たらどんな顔かなぁ。一重まぶたのこの人に似た男の子ほしいなぁ。なんて妄想だけはしたけど。
でも、この人と結婚したい!という気持ちはまだなかった。
恋がしたいお年頃で・・・。
旦那と付き合い始めたのは、24歳の頃だった。
その時旦那が旦那がすぐ「結婚したいと思ってる。」と言ってくれたんだった。
「その前に、3年くらいは付き合わない?。」と言われ。
誠実なところに惹かれたのだ。
そこで、結婚願望が出てきたかなぁ・・・。と思う。
そこまで思い出して、私は少し元気が出てきた。
なんとなく大丈夫な気がしてきたのだ。
私も、旦那も。ちゃんと、したくて結婚したのだ。
今よりきっと、大人じゃなかった二人だけど。
ちゃんと、お互いに成長して、お互いの願いが通じて、今ここにある。
今、私達はちゃんと、幸せな気がしてきたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます