SNSで元カレに近い存在の人を見つけた主婦の心境。




 最近勉強を始めたせいか、子供達が眠ってから、家事を済ませ一日が終わるのがとても早い毎日だ。


 12時を少し過ぎた頃にやっと布団に入るのだが、なかなか寝付けず。


 原因はひとつだった。


 タイトルの通り、昨日見てはいけないものを見てしまったせいだった。


SNSで。「オススメのアカウント一覧」という、別に見たくもないアカウントが並んでいて。20歳の時好きだった彼が、一番トップに表示されていたのを見つけてしまったのだった。


昨日は色々考えてしまい、その人を好きだった心境に少し引き戻されてしまったのだった。


その彼と、会わなくなってから、私はその人のメールも連絡先もすべて消した。

自分のメールアドレスも変えて、その人には教えなかった。たまたま時期がかぶっただけだが、引っ越しもした。その人との思い出の接点をすべて消し去った。


そんな彼だったのに、そのアカウントを見た時、切ない気持ちが、どこか・・・、ほっこり暖かくなっている事に気が付いたのだ。


もう・・・会えない。と昨日まで思っていたのに。


 次々、更新している「彼」のアカウントで。「彼」が過去の幻ではなく。ちゃんと存在していたことに。


 なんとなく、心が温かくなったのだ。


 どうしてだろう。


 メッセージを送る事ができる。でも、もちろん押さない。


 これでいい。


 まるで、街ですれ違って。彼が元気にしている様子を見て。良かった、と思うような。そんな感じ。


 そして、ほっこりしたと、また、色々思い出して、切なくなってしまうのだ。


 でも、それはきっと宝物。若かったあの頃を思い出して、胸がキュッとなる、貴重な思い出。


 そうやって、思い出して。


 私は、「彼」の事を時々思い出しながら生きていくのだろう。


 最後にメールで送った。


「好きだった。」も本当。


「ありがとう。」も本当。


 本当にありがとう。 私の友達観を変えてくれた人だったなぁ。本当に、私は。


あなたみたいな人になりたい、と思うくらい、あなたが大好きだったよ。


 まるまった布団を抱きしめて、私はゆっくり、眠りに落ちる。

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