エピローグ
理不尽に……。
気まぐれに……。
人間たちを絶望させては、夢を見させる。
さて、どこまで、計算したのでしょうか、赤染様。
輪廻に逃れても、結局あの人間は神主となり、我々が最も恐れる青の君へと転化しましたねぇ。最速とまでは言いませんが、二十七年ちょい。日本人の平均寿命は男性が81.25歳(2018年)というご時世では、早い死でしたでしょうに。
え、恨み言のように聞こえる、ですか?
そりゃそうですよ。我々赤の眷属にとって、青の君は天敵……実際はそれ以上の脅威ですよ。
彼、嬉々として我々を斬ろうとしますし。
この前なんか、頭の弱い雌ガキどもが、おこがましくも、今生の青の君の従妹様にいらぬ嫉妬をして、呪おうとしたのですよ。
全く、青波様を虜にする魅力を持つほどの血筋の方に、なんの努力もせずに抗おうとは馬鹿げていますよ。せめて、一つだけの魅力でも、研磨して、勝負しろよ。
無関係な我々を召喚して、襲わせようとするなよ。
召喚された先で、はい、死ね……されかけましたよ、我々。
次元を超えて、従妹様を守ろうとしていますよ、青の君。呼ばれた瞬間、あの剣先が見えてきた気がしました。
もちろん、その殺意を感じた我々は……残念、力量不足で制御できなかった、と見せかけて、二度と我々を呼びださないように徹底的に痕跡を消してきましたぁ。
頭の弱いクズに呼ばれるほど、被害甚大。
我々をピザ屋の配達感覚で呼ぶんじゃねぇですよ、まったく、まったく。
あ~、あの時ほどジャンピング土下座を極めてよかったと思ったことはありませんよ。
あ、赤染様、愉悦に浸ってますね!
まったく、うちの柱も性格が悪い。
慌てふためく我々の姿がそんなに愉しいですか。
はい、愉しいですね、わかります。
我々はあなた様のその思想と狂気に惹かれて、蔓延り、群がっていますので。
全く、神に魅入られた我々も、神に魅入られられたあの君も。
心から尊敬して慕っているのだから、つい許してしまう。
そして、あなた様は、我々を尊重しているようだけど、追いつめている。
まったく、神様はいつも
まぁ、我々も大好きですよぉ~おマヌケな人間をいたぶるの、すっごく好きです。
いつまでも、ついていきます、赤染様!
キャハハハハハハハハハッハハハッハアハアアアハッハハ!
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