　二十四節季の処暑なのじゃ。

　暦と言うのはよう出来ておるのう。

　これ以上暑いのは勘弁してくれ～っと思った所で雷と雨じゃ。

　少し涼しくなって、身体も助かるのじゃ。

　それにしても、雷が鳴りやまないのじゃ。

　ぜんぜん鳴りやまないという事は、雷神夫婦が喧嘩しておるという事じゃ。

　仲が良いくせにこの時期は喧嘩が絶えん。

　じゃから一喝したのじゃ。

「いい加減に止めい」

　わらわの声が届いたのか、ドカンと地表に大きい雷が落としてスッキリしたのか分からぬが、静かになったのじゃ。

　わらわは神ほど偉くはないのじゃが、怒ってもええじゃろう。

　五月蠅い雷が静まって、つくつく法師が鳴き始めたのじゃ。

　もう秋が聞こえるし目にも見えてくる時期じゃのう。

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