終戦記念日


 いつの時代も戦と言うのは辟易するのじゃ。

 勝った国が正義。負けたら悪。否、全ての国が悪じゃ。


 戦う以上勝ち負けがつくのは仕方がないのじゃ。

 じゃが負けた恨みは永遠に消えぬ。


 敗者に略奪の限りを尽くし、片端から強姦していった敵兵に軍の規律も国際法もあったものではない。

 あんな連中がいる国が善な訳なかろう。

 何が戦勝国じゃ。何の罪もない民を虐殺しおって。


 喧嘩にも戦にも最低限の人としての礼も法もあるんじゃ。

 殺し殺されの世界でものう。

 不快極まるのじゃ。


 ……ふぅ。

 あの大戦争から七十五年経ったのじゃ。

 今の日の本は平和と言えば平和じゃが、下界ではあちこちで戦が絶えぬ。

 隣国は平然と戦を仕掛けてきおるし、敗戦国なのに戦勝国に引っ付いて勝った気でいる国もあるのじゃ。


 この現状が分からんほど日の本は落ちぶれてはおらんじゃろう。

 戦は虚しい物じゃと分かってはいても、戦を回避する為には、お花畑な思考ではいられないのじゃ。

 戦わずして勝つ。孫子も塚原卜伝も言うておったわ。

 弟子にもそう言う風に賢くあって欲しいものじゃ。


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