クロッキー

久住 海

第1話 都市伝説

 厨二病真っ只中だった俺らは、部活が終わると帰り道の途中で座り込み、ぐだるのが日課だった。


「なぁ、クロッキーって知ってる?」

 2、3の話題を話し尽くした後、りゅうが聞いてきた。

「なにそれ?」

「郵便局の車とかのさ、黒に黄色のナンバープレートあるやん?あれを3回連続で見たら願いが叶うらしいよ?」

 全く信じていないどころか、バカにした口調で説明してくれた。

「マジ?そんなん、めっちゃ簡単じゃね?」

「いや、それが、ルールがあるらしくて、バスとかの、緑に白のやつを途中で見たら、リセットされるらしい」

「そうなん?んじゃ、すぐリセットされるやん」

「世の中そんな甘くないってことやろ!」

「うざっ!」

 その後もくだらない話は続き、この日も下校に2時間かかった。

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