第2話 ソウタの環境
ソウタは異世界転生の事実を知った後、やりこんだゲームや、読み込んだラノベの異世界ファンタジーの小説を思い出しながら、色々試してみた。
自分のステータスを見る事は出来ないかと思って、「ステータスオープン」等色々言ってみるが、ステータスを見る事は出来ず。
その他、ラノベで良くあるパターンの鑑定やアイテムボックス等のチートスキルもなかった。
小さい頃に魔力操作の練習をして、魔法を使う事で、将来膨大な魔力を使える様になるラノベを思い出し、魔力操作や魔法を試してみたが、全く反応は無い。魔力は無い様だ。
(よし! 小さい頃からモンスターを倒してレベ上げをするんだぁ!)
と思って、村を出てモンスターを探したら、スライムを見つけた。
スライムに石をぶつけたり、棒で叩いたり、家からこっそり持って来た包丁で刺してみたりしたが、スライムは倒せず。逆に反撃されて死にそうになった。
王族や貴族の子供や大商人の子供に転生していれば贅沢出来たのだが、貧乏人の家に転生してしまったので、楽は出来そうにない。
その上、父親は行方不明で片親の家庭だった。
ラノベの良くあるパターンで、地球のモノをこちらの世界で作成して売り出し、お金を稼ぐ事も考えたが、ほとんどの料理や調味料等は既にこの世界にもあって、この世界の文明は、恐らく蒸気機関が発明された産業革命の時代程度の様だったが、モンスターの魔石と魔法を使った魔道具と言う技術で地球で見た電化製品? 相当の製品も充実していた。
ソウタはゲームを作成し特許料で儲ける事も考えたが……。
(リバーシやトランプ、チェスや人生ゲームまでありやがる。だめだこりゃ……)
絶望に打ち拉がれたソウタを母親が大変心配しているのを見て、気を取り直して運命を受け入れ、偶然手に入れた二度目の人生を生きて行くことを決意するのであった。
父は狩人だったらしいので、ソウタの家には畑等はない。母親は森に薬草を取りに行って、村にいる錬金術師のおばばに売る事で生計をたてていたので、成長したソウタは母親について行って、手伝いをしていた。
村の近隣の森に生育する薬草や毒草の種類と、その採取の仕方を母親から教えて貰った。
(これって採取チートもあるかぁ?)
なんて思った事もあったが、母親は父親が行方不明になった後で始めたらしく、素人に毛が生えた程度だった事を知ってガッカリした。
(ならば、錬金術師のおばばに弟子入りして、錬金術師として身をたてるか?)
と思って、おばばにお願いしてみたが、錬金術師のスキルがないと回復薬は作れないらしい。
村のおばばもそれほど腕が良い訳ではなく、せいぜい低ランクの回復薬しか作れないとの事。
(始まりの村だから、この程度なんだなぁ)
と思ったソウタは大きくなったら、町に行こうと思うのだった。
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