モブキャラ異世界転生記~モブキャラに転生しちゃったけど従魔の力で何とかなりそうです~

ボルトコボルト

第1話 プロローグ

その男の名は鈴木奏太ソウタ、年齢は20歳、身長170cmで痩せ型、猫背、ADHDの傾向があり中学時代に苛めにより引き篭もり、通信制の高校を何とか卒業したが、大学受験の二浪中で将来を憂う日々。


中学時代の引き篭もり中にゲームとラノベにはまって、それを未だに引き摺り、ゲームとラノベの合間に勉強をする始末。


その日、奏太ソウタは、自転車でコンビニに向かっていた。


コミュ症の気がある奏太ソウタは、通信制の高校卒業後は、友達もいないし、塾なんてもっての外である事から、外界の接点はたまに行くコンビニくらいだ。


コンビニに行っても炭酸飲料とポテチを無言でレジに出して、無言で支払いをするため、特に会話をする訳ではない。


急に雨が降ってきた。

コンビニは直ぐそこ。

信号の向こうだ。


雨で前が見え難くなったが、前方の歩行者信号が青だったので、急ぎ横断歩道に侵入した。


ドン!


奏太ソウタの乗る自転車は、左折して来た車に巻き込まれて、跳ね飛ばされた。


宙を飛ぶ奏太ソウタは、頭からアスファルトに落ちた。


奏太ソウタの視界が真っ白になり、その短い生涯を終えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ソウタ・・・はベッドの上で目を覚ました。


窓の外は朝の日差し。


(確か車に引かれて死んだはずだけど、どうなってんだ?)


ソウタは辺りを見渡すが、見たことのない部屋だった。


(ここはどこ?)


起き上がろうとしたソウタは、自分の身体が小さくなっている事に気付く。


幼児体型。


(どうなってんだ?)


鏡の前に立つソウタは、目を見開き鏡に映る自分を見て固まった。


鏡の中には4歳ぐらいで、金髪の見たことのない幼児の顔が映っていた。


そう、ソウタは転生していた。


生まれた時から今までの記憶もある。ヤコイケ村で生まれたソウタ。名前も転生前と同じだ。


ソウタは窓に駆け寄り窓の外を見渡した。

田舎の村そんな雰囲気だが、明らかに日本ではない。


(これって異世界転生? ヒャッハー、夢に見た異世界転生じゃねぇかぁ! こりゃ俺TUEEEで無双し放題! ハーレムバッチ来いだぁ)


と、喜んだのも束の間……。


確かに異世界転生をしたソウタだが、何のスキルもなく魔法も使えない、一般人だったのだ。


しかも、少しして分かった事実。


見覚えがある景色。住んでいたのは、昔やったRPGのゲームの『始まりの村』だった。


更に、隣の家は勇者の生家。


(勇者の家の隣にいたのは……。「◯◯くん、すごいねー」って勇者に言うだけのモブキャラじゃねえか。しかも始まりの村にずーっといる奴)


ソウタは絶望に襲われるのであった。

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