第13話 盗賊成敗!

 なるべく早くアジトを見つけたかったので、昼を食べる場所は、自分たちが使っている宿屋の近くの店にした

 昼飯に俺が頼んだのはラズル王国にはなかった、ハンバーグという見た目はただ焼いた肉の塊だ。

 店員にこれは何だ?と言ったら


「先日ラズル王国が異世界の勇者を魔法を使って召喚したらしいんだがその異世界の勇者がこの料理を広めたんだとさ」


 なんだと?!異世界の勇者だと!何故そんなもの召喚したんだろうか。

 勇者はすでに俺がいるのにって思ったがつい最近まで最弱だったんだった、そりゃあ召喚してもおかしくはないが、そいつらは強いのだろうか、と思ったが俺と同じ食べ物を頼んだアウロラがあまりにもおいしそうに食べていたので、あまり深いことは考えずに早く食べてまたアジトを探そうと思い異世界の料理を食べたがとてもうまく手が止まらない!10分もかからずに皿が空になった。


「アウロラ、美味しかったな!」

「そうですね!こんなにおいしいもの初めて食べました!」


そういえば、アジトが見つからない理由アウロラならわかるかなぁ。


「アウロラ、千里眼を使って街道の周りとか、山のほうまで探したのだが全然見つからないんだ、なんでかわかるか?」

「うーん、それはもっと遠いところにあるかアジトを何らかの方法で隠している、その二つしかありえませんが最も可能性が高いのは隠してる方ですね」

「なんでだ?」

「Aランク冒険者を簡単に倒すような人ですよ?アジトを隠す魔法とか使える人がいてもおかしくはないでしょう?」

「確かにそうだな、だとしたら探す方法が無くなったな...」


さすがに千里眼でも壁の奥を見るなどはできないので探す方法がないのである。

探知する魔法とかでもあれば見つけられそうなんだけどなぁ。

ん?まてよ?隠す魔法って土魔法とかで埋める以外に幻覚魔法とかってあったよな?それなら神域魔法で解除できるかもしれない!魔力大幅に使うけどヒントが少ししかない状況で探すんだから仕方ねーか。


「看破!」


アジトの場所は見つけられたが体がすごくだるい...早く...助けに...いかな...い...と......


「ん?ご主人様起きましたか?」

「ああ、どれくらい寝てた?」

「一時間ちょっとですね」

「ならよかった、よし今から準備してすぐ行くぞ」

「わかりました!アジトは見つけられたんですね!」

「ああ、なんとかな」


アジトは看破で一回幻覚魔法を解除したがもう一度幻覚魔法をかけられたのかアジトらしきものはなかった。

ちなみにアジトは洞窟の中にあるので洞窟があるか無いかですぐに見分けがつく。


まあアジトの近くに見分けのつきやすいものがあったのである程度の場所は分かる。

千里眼と転移を使い山奥にあったアジトの洞窟の近くに転移する。

幻覚魔法をかけられていて正確な位置は分からないから、転移した後に広範囲で看破を使う。

そしたら30メートルほど離れた場所にアジトがあった。アジトの入り口にはだれもいなさそうだがアジトの中には50人近くの人の気配がする。

中で何が起こるかわからないのでアウロラにはアジトから少し離れたところで待っていてもらう。


クロウはアジトの中を進みアジトの入り口から10メートルほど進んだところの、左側には木の扉があり、そこからは少し光が漏れていた。

少しだけ扉を開き部屋の中を覗く。

そこには二人の男がいて槍をもって談笑をしていた。

そいつらに鑑定を使うと、二人ともレベル30前後だった。

こいつらはレベル的にはDランク冒険者ほどの強さだ。

盗賊を生かす必要はないが、剣を使って血を飛ばすのはあまりしたくないので、一瞬で二人の背後に回り、首に手刀打ちを決め、音もなく殺す。

二人の死体は置いといて、まずは奥に進む。


少し奥に進むと、左右に分かれる道があり正面には鉄の扉があり、その扉を開けようとしたが、固く閉ざされていた。

なんでここは閉ざされてるんだ?そう思い、思いっきり殴って壊そうとしたが、音が出て盗賊たちにばれるかもしれない。

そう思い殴るのをやめる。

そういえば、あのスキルが使えるかもしれない!


(下位神の領域!)


スキルを使うと鉄の扉が少し光り、その光が消えた時には鉄の扉は消えていた。

鉄の扉の奥には十人近くの女性がいた。

着ているものは布きれで、顔色はとても悪い。

その女性たちは俺がいるのに気づくといきなり震え始め、俺から後ずさりで離れていく。

どれだけひどい仕打ちをされていたかが今この一瞬で何となくだが想像できた。

許せない!


「俺は、君たちを助けるためにここに来た、今から盗賊たちを倒してくるけど、もしものことがあると嫌だから、ここはだれも入れないように入り口は壁を作っておくね、必ずここにはもう一度戻ってくるからそれまで待っててね」


そういうと女性たちは体の震えがさらにひどくなり、


「ここのボスには絶対に勝てない...だから私だけでも助けて!」


大声でそう言って、ほかの女性たちもそれにつられて大声で俺に助けてといいそうだったので、クロウはすぐに神域魔法で女性たちを守る結界を作り、スキルで鉄の扉を元に戻しておいた。


「それにしても、さっきの人たちが言ってたボスってどれくらい強いんだろう...」


そんなことを思いながら左右に分かれている道の左を進む。

左の道の奥まで行ったがボスらしき人はいなかったが、手下らしき人たちは十五人ほどいた。まぁ全員俺を認知する前に倒したけど。

部屋が8つほどあり、すべて二人部屋で部屋の中には軽く見た限り、生活必需品しかなかった。

盗んだものとかどこにあるんだ?

そう思い盗賊たちの部屋の中を隅から隅までよく調べたのだが一つもなかった。

左の道にはもう何もないので、鉄の扉の前に戻りそのまま、まっすぐ道を進む。

すると少し進んだところに左右に部屋が多くある。

右側から部屋を一つずつ開けていく。

中には男が一人、女性が一人いた。

女性は手足が縛られていて男に襲われていた。

その姿を見たクロウは先ほどまで剣を抜かないようにしていたが腹が立って剣を抜き、盗賊の首を思いきり切った。盗賊の首は地面に落ちる。

クロウは正気に戻り、女性は大丈夫かと思ったが、すでに心ここにあらずという感じでぼーっとしていた。

クロウはその姿を見てまた怒りで剣を握っていた。

自分には間でやるべきことがある、と自分に言い聞かせて、いったん部屋を見渡す

部屋の中は先ほどまでの部屋より少し広く、宝石とかがあるがそれでも一つや三つ程度だ。

そのあとも十部屋くらいあったが部屋の中の状態は先ほどと同じで男が一人、女性が襲われていた。

その状態を見ると怒りを抑えられなくて全員剣で切り殺してしまった。

襲われていた女性のうち九割が心ここにあらずといった感じだった。

理性がある女性はすまないが軽く腹を殴り気絶しててもらった。


左側の道の一番奥にはなんかまだ部屋があった。

これがボスの部屋なのか?そう思いゆっくり扉を開けるとそこにはボスらしき人がいて、周りには女性が裸で三人倒れていた。

部屋の中は宝石や金でまみれていた。


すると男がこっちの気配に気づいたのか近くにあった斧を取って一瞬でクロウとの間を詰めてくるが、クロウはクレイのスピードに慣れていたので余裕でよけられた。

カウンターで腹にパンチをくらわせたが、腹が立って力が入りすぎてたのか、ボスの体は無残に飛び散り部屋は血だらけになった。




クロウはあまり怒ることはないのだが、さすがにこいつら盗賊がやったことは絶対に許されていいことではないから少し力が入りすぎた時があったが、本気でクロウが殴っていたらここのアジトごと消えていただろう



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