第8話 初デート

ギルドを出た俺たちは今王国内の下町で

いろいろな屋台を見て歩いている

何故こんなことになっているかというと


20分前―


ドラゴンの査定に一時間ほどかかると言っていたので

俺たちはいったんギルドを出た。

俺がアウロラに「下町一緒に歩かない?」

と聞こうと思ったときにはすでに俺の手は

アウロラにつかまれていて


「ご主人様!一緒に下町回りましょ!」


と言われた俺は迷わず返事をして

今、アウロラと屋台を見回っているのだ

しかし、アウロラはいろいろなものを

物欲しそうに見ているのだが

俺に欲しいだなんて一度も言ってこない

もしかして遠慮しているのか?と思い

アウロラを呼びとめて先ほどまで

アウロラが欲しそうに見ていた宝石屋においてある

ルビーのペンダントを買ってあげることにした

アウロラは、


「ご主人様ありがとうございます!」


と言って抱き着いてきた。

嫌ではないので気が済むまでそっとしておくことにした

すると、疲れていたのか2分ほどで俺にもたれかかるように

眠りについていた。

クロウはそんなアウロラをお姫様抱っこで広場近くの

ベンチに寝かせ膝枕をしてあげた。

そうしているとクロウも今日いろいろあって

疲れていたのかいつの間にかクロウも寝ていた。




起きた時には目の前に二つの大きな山があった。

おかしいなと思い目をこすったら二つの山の奥に

アウロラの顔があった。

今状況に整理がつき一気に恥ずかしくなり

勢いよく飛び起きた


「アウロラ?!なんで膝枕を?!」

「自分が起きた時にされていたので

 してあげようと思いまして、嫌でしたか?」

「嫌じゃないけどぉ」


恥ずかしくなって力強く反論ができなくなってしまった

恥ずかしすぎたので秘儀!話題ずらし!


秘儀、話題ずらしとはその言葉の通り

話題をずらすだけなので誰にでも発動可能である


「アウロラ!俺たち何時間くらい寝てた?」

「そんなに長い時間は寝てないと思いますよ?

 今からギルドに行けばちょうどドラゴンの査定が

 終わってるころじゃないでしょうか?」

「そうか、じゃあギルドに戻るか」


そういって俺たちは広場から

五分くらい歩いてギルドに行った


ギルドの大きい扉を開けると

ギルドの中が一気にざわつき始めた


「アウロラ、なんでこんなに騒がしいかわかるか?」

「うーん、これはご主人様のせいではないでしょうか?」

「そ、そうなのか」


俺何かまずいことでもしたか?

とりあえず受付のほうに行くか


「すみません、ドラゴンの査定終わりましたか?」

「はい、一応終わりましたが今受け取るよりオークションに

 出してからのほうが金額が大きく跳ね上がると思いますが

 どうしますか?」

「大丈夫です、今受け取ります」

「ではこちらがドラゴンの素材の買い取り金額

 金貨二万枚です」

「金貨二万枚?!」

「ご主人様金貨二万枚とはどれくらいなんですか?」

「あぁ、アウロラは知っていなくて当然か、

 まずこの国の通貨なんだが銅貨、銀貨、金貨、白金貨

 と、四つの通貨があるんだが銅貨100枚で銀貨一枚、

 銀貨100枚で金貨一枚、金貨1000枚で白金貨一枚

 となっているんだ」

「ってことは金貨二万枚ってことは白金貨20枚ってことですね!」

「そういうことだ...」


それにしても高すぎないか?

そんなに強くなかった気がしたが、と不思議に思っていると


「今回クロウさんが持ってきていただいたドラゴンは

 未踏破領域から流れ出てきたドラゴンなので

 時々出てくるドラゴンとは全然違うのです。

 時々この国付近にも出てくるドラゴンは

 正式にはワイバーンといって前足に羽がついているのです

 それに対してクロウさんが持ってきたドラゴンは

 大昔この国を一度滅ぼしたといわれている

 古代種また、真種とも呼ばれているドラゴンなのです。

 なのでこの、金額とさせていただきました。」

「は、はぁ」

「それと、ドラゴンを倒したのはクロウさん自身と

 先ほど帰ってきたAランク冒険者パーティーの人たちが

 証言していたためあなたたち二人を特例でFランクから

 Sランクにします、と言いたいところなんですが

 こちら側はあなたたちの実力を把握してませんので

 後日元Sランク冒険者のギルドマスターに特例で

 昇格試験の試験官として王国の闘技場にて

 戦ってもらいます」

「わ、わかりました」


話がどんどん進んでいくので訳が分からなくなり

うなずくことしかできなかった


「では、明日の朝にギルドにもう一度お越しください。

 昇格試験の詳細を伝えますので」

「わかりました...ではまた明日...」


クロウはもうすでに半分魂が抜けかかっていた

今日でいろんなことが置きすぎてもう疲れた


「アウロラ...すぐに宿とってもう寝たいんだがいいか?」

「もちろんです!では、ご主人様と添い寝してあげます!」

「おぉ...そうか...ありがとな」


もうこの時にはクロウはちゃんとした判断ができずにいた

クロウとアウロラはそこら辺の宿に入り一部屋だけ取り

クロウはベッドに飛び込みすぐに眠りについた。




次の朝起きた時にはアウロラがクロウに抱き着いて寝ていたため

クロウは朝一番でアウロラが尊すぎて魂が抜けそうになったのを

アウロラ本人が知ることは一生ないだろう

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