第二章 セクレト王国

第6話 助けずにはいられない

アウロラと別れて二時間後―


「ご主人様ぁー!」

「お、やっときたか「へぶっ..!」って大丈夫か?!アウロラ!」


アウロラは走ってきて目の前で何もないところで

顔面から思いっきり転んだ。


「いててー、あ、ご主人様すみません!少し遅れました!」

「遅れたといっても集合時間から10分だけだし全然いいよ」


アウロラは慌てたように頭を下げていた。


「それじゃあいくか!」

「はい!ご主人様!」


◇ ◇ ◇


俺たちはしばらく歩いて先ほどまでいたラズル王国近辺の

トラスト平原に来ていた。

なぜ転移を使わずに歩いたかって?

それは、初めて使うから何が起きてもおかしくはないだろう?

だから人があまりいない所へ来たってことよ!


とりあえず、アウロラが言っていた方法をやるために

「千里眼」で行く場所を決めておかなければな


( 千里眼!)


おぉ、まだ使ったことなかったけど

本当に世界すべてを見渡せるんだな。


ん?大陸西にあるセクレト王国のさらに西にある山の

頂上付近でなんか大きめの魔物が暴れてる...

なんでだ?

そこをよく見ると四人の冒険者らしき人たちが

その魔物戦っていた。

状況はかなり危ない、

攻撃役の剣士は倒れてもおかしくないほどボロボロだ。

防御役のタンクは気絶している。

魔術師と回復師は魔力切れで顔色がとても悪い。

それを見たクロウはすぐに転移を使おうとしたが

なにかを察したアウロラがクロウの手を引っ張り


「わたくしもついていきます!」


と、言ってきた

さすがに危ないからダメだと言おうとしたが

アウロラは体が少し震えていたが

眼は決意の眼差しでクロウのことを

見つめていた。

それを見たクロウはついてきてはいけないといっても無駄だと思い


「危ないから、俺の後ろから動くなよ」


とだけ言って、スキル転移を発動させた。


◇ ◇ ◇

―とある冒険者視点―


俺は、セクレトで活動している冒険者のブラッドだが

今、目の前には見たことのない魔物がいて

命の選択を迫られている。


「こんな依頼さえ受けなければ!」


二時間前に遡る...



セクレトの冒険者ギルドにて


「この依頼なら簡単そうだぜ」


セクレト西に広がる山の山頂にある

完治薬の素材の採取以来だ。

報酬は破格の値段だ、そして見た感じは簡単そう。

そんな依頼を見たらだれでも行きたくなるだろう。

山頂の難易度は高くてBと指定されている。

そして、俺らのパーティーのランクはFからSのうちのAだ

ただしこの山は、山頂より奥の方へ下っていくとともに

難易度が大きく上がるセクレト王国とは反対側の麓は

未確認領域となっており難易度は前代未聞のランクS以上のZだ

そのせいもあって頂上が難易度Bでもこの依頼を受ける人が

いなかったのだ。

しかしこのパーティーはそんなことなど深く考えずに依頼を受けたのだ

依頼を受けた二時間後には危険な目に遭うことも知らずに...



そして現在に至る―


「くそっ!俺が注意していればこんなことにはならなかったのに!」


そう叫んでいる後ろには気絶しているタンクに

魔力切れを起こしている魔術師と回復師は顔色がとても悪い。

そいつらを囮にすれば逃げれるがこいつらは幼馴染だからそんな判断はできない、じゃあ俺がひきつけて逃げさせても今の状態からして遠くには逃げられないだろう。

そう思いながら、倒れそうになる体を無理やり起こし続け魔物と対面しているといきなり目の前でいきなり目が焼けるほどの光が現れた。


すぐに目を瞑って光が収まってから目を開けるとそこには黒髪の男性と緑髪の女性が立っていた。


見た目はどちらも貧弱そうだが、他の人とは違う不思議なオーラが体からにじみ出ていた。その男性は少しだけ腰を低くし、背中にある剣の柄を握ったと、ブラッドが認識した時にはさっきまで暴れまわっていた魔物の首が地面に落ちていた。


近くにいた女性が俺たちのパーティーメンバーを見渡し、魔物を倒した男性に「この人たちどうする?」と聞いていた。その言葉を聞いたときもしかして殺されるのか?と思い無意識に体が小刻みに震えていた。


男がこっちに近づいてくる。

男は目の前でしゃがみ「神聖魔法が使えるんだから回復できるよな?」

とぶつぶつ独り言を言い、そのあと...


「パーフェクトオールヒール!」


男がそういうと自分の体の傷が治っていくのがわかる

他のパーティーメンバーを見るとタンクの者は

傷が消え、魔術師と回復師は顔色が元の色へと戻り

驚いた顔をしていた。


「あまり無理しないで依頼が終わったらすぐ帰れよー」


そういわれたので、助けてくれた男のほうを向いて

お礼を言おうと思ったときにはもう目の前から消えていた。




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