氷結
嗚呼、こんな記憶なんて無くなってしまえば良いのに!
さすればこの様な思いしなくても良かったのに!
二度と思い出したくもない。
記憶封じなんて出来ないものだろうか?
フラッシュバックする度に卒倒してしまいそうになる。
あまりにも酷過ぎて…。
忘れられないくらい、あまりにもいとおし過ぎて。
…でも、色々なことが遭って傷つけば傷つく程、人はそれだけ強くなれるし、それだけ優しくなれるのだ。
みんな見えない十字架を引き摺って歩いているのだ。
素知らぬ顔をしてみんな苦しい思いをして生き続けている。
そんなものなのだ。人間ってものは。
そう言う生き物なのだ。
過去の事を綺麗さっぱり忘れて生きる事が出来ない、不器用な生き物なのだ。
例えその記憶が薄れたとしても、忘れられない思いはいつまでも生き続ける。
その人にとって良い事、悪い事に関わらず。
それがその人の血となり肉となり、その人を形作る。
「性格」「物腰」「表情」等と名を変えて。
もし、自分にとって忌わしい記憶を一滴も残さず、全て一気に凍結することが
出来たとしたら。
人は人として生きて行けるのだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます