不可能な望み

諸行無常  生者必滅  諸法無我  生老病死

人として生を受けた以上、決して避けられない定め

“ずっと私の側に居て欲しい”

   “ずっと貴方の側に居たい”

“ずっと私のことを忘れないで欲しい”

   “ずっと貴方のことを忘れたくない”

“ずっと元気でいて欲しい”

   “ずっと元気でいたい”

“ずっと生きていて欲しい”

   “ずっと生きていたい”

それは…永遠に叶えられない望み

時の流れは、酷いくらいに無情なもの

生死の狭間には、いつか必ず否が応でも立たされる

この世から「存在が消える者」とこの世に「存在し続ける者」という堪え難い別離

誰にも拘束することが出来ず、絶対に避けられない、決して変えられない真実

分かっている

頭ではきちんと理解している筈 出来ている筈

だけど、人間なら誰でも願う切実な望み

日々薄れていくその人の在りし日の記憶を恐れ、取り残される我が身の寂しさに耐えられずに狂う者もいる

心が受け入れられないから…

一見孤独を愛する様な人でも、誰かの愛が無ければ歩いてはいけない

支えがあってこそ、この動く大地に足をつくことが出来る

根を張ることが出来る

必ず誰かを犠牲にするということは否定出来ない

何かをするには必ず切っ掛けがある筈だから

何物にも変えられない最大の我儘は、自分への執着なのかもしれない

だって、誰だって一番可愛いのは自分だ

だから無理と分かっていても、不可能な望みを抱く 自分の為に…

でも、それが人間らしいという証なのかもしれない

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