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 足を開かせると、つま先から音もなく内側へと縮む装置を付けて、肥大化ぎみの腿を布で隠す。粗末な椅子にも載せられる安定感。彼には大きな腰の重さがあったから、腕はいらない。細い木材の加工品で垂れる肩に、釘で丁寧に鎖骨を作り、お腹に何もないとできないことをする。闇のような乳房へ、隠されているそれを露わにしたときは、腕の意識は遮断されていたい。海をいれてしまいたいけど、小さなお腹にはもう何も入らない。寂しいことは口に出せないので、気づけば額は前のめりで空っぽ。白い紙は塗りやすい色が無数にあって、耳のたぶまで楽しめます。

 

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