第5話 RE:Contact-4 初戦闘ニ勝利セヨ
「あぁ〜!? 何だ? テメェ〜!?」
「……見かけねェ、格好だなぁ? お前
「ヒャッハー! 大人しくしてろよ
「……」
……何とか、オレ自身の勇気を奮い立たせ――「追い詰められた人」と「悪党A・B・C」が居るとこまで駆けつけたんだが……。
……ホント良かった。まだコイツらに”同情心”を
……だが、”早とちり”で失敗した事もオレの人生には、多くあったんだ……。
……ここは本当に「悪党
そう……! ここは「ロ
そして、「
「……先程は怒鳴ってすまない。
だが、
まさか、”殺す”だとか……笑えない
「「「……ギャ〜ハァハハハァハハハハァハァハァッ!」」」
「ッ!? なッ、何だよ!?
そんな一昔前のコントみたいに、顔を見合わせた後……一斉に笑い出すとかって……!? 何が、可笑しいんだよッ!?」
……まさかと思うが、「バレッド王国共通言語 マスタリー」でも、オレがさっき言った言葉が「変な言葉」として伝わっちまってるのかッ!?
以前、興味本位で「外国の落語家による
……そのまさかまさかだが……さっきの会話の中で、オレ……共通言語じゃあ――
「ヒィ〜ヒィィィ〜おいっ、兄ちゃん!? オレらを笑い殺す気か!?」
「……はっ?」
――ヤバッ、やっぱりなのかぁ……ッ!?
「”ジョーク”だが何だか知らねェがぁ、この状況を見て……オレらが
「……」
「ヒャッハ〜ッ! こんなオレ達が
「「だよな〜ッ!」」
「「「ギャ〜ハァハハハァハハハハァハァハァッ!」」」
「……」
「おっ? どうしたんだい、お兄ちゃん? そんな
……アァァ〜ヤッベェッ……。今、
……初めてだよ……
マジで、初めてだよ……ッ!
今も、表情筋が悲鳴を上げんばかりに引きつっている事も……! 人生で、こんな激情に駆られたのも……ッ! もう良い……もう
今すぐにでも
「ヒャッハ〜ッ! 何も言い返せないでやんのッ!
フランダのアニキ! ザカリーのアニキッ! 早くコイツもそこの獣女同様にヤッちまって、
「おうッ、そうだなヒャルバ! アニキッ! 早くヤッちまいましょうよッ!
こんな”背がデカイだけのデクの坊”! オレ達三人で掛かればヤッちまえますよッ!」
「……待て、お前ら。コイツを見て……
「「はっ?」」
「第一……この近隣の村どころか、城下町でチラ見した程度だが……他国でも、
「……はぁ」
「……
「そして第二に……今の会話から、この
「……
「……変な格好だけで、”ただの馬鹿な村人”なんじゃあないのか?」
「だから、そこが奇妙だっていってるだろ?」
「「?」」
「ハァ……おい、お前」
「……ア゛ッ? 何だよ……ッ!?」
「トルガ村……城塞都市マケット……サヴィオス教国……ディナトース帝国……。これらの地名や国名に、聞き覚えはあるか?」
「はっ? トルガ村? マケット?
何だよ……そんな
「……じゃあ、王国と教国との
「……チッ」
――何だよ急にッ!?
「……ほらな? ここが奇妙なんだよ。
もしも、
もしも、
少なくとも、
「……ッ!?」
「つまり……だ。疑うのがバカらしいが……こう考えるしかない……!
お前……
まさか、数百年前から
「えぇぇッ!? じゃあコイツ……”魔族”だって言うのかッ!?」
「ヒャッハッ!? 本当ですかいッ!? 」
「全く、お前らは……あんなヤバイ盗賊供に惨敗しつつも、今日まで生き残れたのは……”ダ・レ・の・お・か・げ”だと思ってるんだ? バカ野郎供が……!」
「……」
……えぇぇぇぇ!?
何だコイツら……
想像以上に話が斜め上に
いやでも……”感謝する”のは非常に
すぐに”フリピス”をブッ放すのはやめよう。その前に……”情報取集”だ。
……こんな下衆供相手にするのは、本ッ当ッにッ! ――癪だが……。
それでも、さっきまでペラペラと、”見当違いな推理”で
オレがやり込んで来たどんなゲームも、<最終的なゲームクリア>まで
だったら、
俺だって、”知恵が回る事”を見せてやるよ……ッ!
「……フッフッフッ……」
「「「ッ?」」」
「フフフフフフフッ……」
「「「……」」」
「……ハァァァァァハッハッハッハッハッハッハァァァァッ!」
――ど〜よッ! この”三段笑い”はッ! 立派な魔族に聞こえるだろうッ!? アニメやゲームを見まくって、
「「「ッ!?」」」
「……バレてしまっては仕方ないなぁ……?」
「なっ、や……やっぱり……アニキの読み通り……魔族だって言うのか……ッ!?」
「……久しぶりだなぁ、下等な
そうとも、
後……やっぱコイツら聞くのは止めだ、止め。
だから……何とかコイツらを
「ヒャバババババババッ!? アッ……アニキィィッ! 逃げやしょうッ!
アニキだってガキの頃聞いたでしょう!? 魔族は、得体の知れない
――良し、ビビってるビビってるッ! このまま
……改めて思ったけど、銃の試し撃ちもなく……全く、戦闘慣れもしていない時に――
「……そういえば、しばらくこの森を
では、そのアイディアを
……ついでに、それらしく”嫌らしい表情”と”
「ヒィィィィ……ッ! アニキッ! アニキィィッ! 早く
こんな
……ヨシヨシ、逃げろ逃げろッ! そのまま逃げちまえ……ッ!
「……」
――な、何だよッ!? ”ザカリー”……だったか? そんな「お前……ホントに魔族なのか?」……って、睨みやがって! サッサと逃げろよッ! に……睨み殺すぞコラァッ!
「……おい、フランダ」
「アババババ……」
「フランダッ!」
「バババババ……ヴァイッ!?」
「……アイツを撃て」
「……へッ?」
「……アイツを撃てッ!」
「しょ、正気ですかいッ!? アニキィッ!? だ……だってアイツはぁ……魔族なんじゃあ……ッ!?」
「あぁ……そうだな……。
本当に、火も吹けるし……変身も出来る
「ッ!?」
――ハァッ!? そんな”設定”知る訳ねェだろッ!?
つ〜か、人差し指どころか……
「で……でもッ!
「お前がそんな
「あ……アニキィ! 分かってんのなら……ッ!」
「……けどな? もうオレらは敗残兵……。
王都に逃げ帰れば笑い者にされ、
「「……」」
「そんな誰にも相手にされず……”お先真っ暗”なオレ達が、このまま”目の前のカモ”も狩らずに
あの盗賊供を討ち取れなかった”
「「……ッ!」」
……なんか、途中「お
……君のような勘のいいガキは嫌いだよ……だったか?
オレは
何だよ!? あの”ザカリー”って奴ッ!? オレの
さっきの話で、お仲間二人に俺に対しての「
……ハァ、けど……ここで
……改めて考えろ……ッ! この先、
避ければ、魔族じゃあない事がバレて戦闘開始は
もしくは、オレの”眠れる可能性”に賭けて……魔法を弾く事にトライしたら、大怪我は必至……ッ! 後……無論ながらも、”逃げる事”は大論外……っと……!
……ウン、どっちにしろ――”退路を
……ハァ……クソッ! クソォォッ!
”ゲームの格闘技”や”格闘教本”を、見様見真似で練習していただけのオレだぞ!?
この19年間の
……勝てるか……? ……勝てるのか……ッ!?
……いや……
怪我がどうのこうのとか……考えてる場合じゃあねェぞォォォ……オレェ……ッ!
……それにオレは平
成るんだろうッ!? 未だ気絶してるであろう、あの人の
「……何やら、私を倒す事が
勘違いしているんじゃあないぞ?
「「「……ア゛ッ!?」」」
「
……何だよ? 女でもない癖に、負けたからって”悲劇のヒロイン”でも演じてんのか? 笑われるのが怖いからって……罪もない人達を殺し続けて……何、奪い続けてきたんだよ……ッ!?
何、自分達が悪くないみたいに……! 平気で”強盗”や”殺人”を
……ヤバッ!? 何アイツらを
言った言葉通り、アイツらの”身勝手さ”から悪党確定……ッ!
それと同時に――”並々ならぬ怒り”が、体の奥底から
い……怒りの余り、テンパったのか言ってんじゃあねェよ!?
オレェェェェェッ!?
「……お前馬鹿か?」
「あ゛ッ!?」
「そこの獣女含め……オレらのような”負け犬”や”はぐれ者”が、
「はッ!? そんなん知るかよッ!? クソ野郎共がッ!
失敗も真面に受け止めらず、
「……
「……ウッ!」
ア゛ァァァァ……! クソッ! やっぱり
「オレらは”真っ当”です」……って思いながら喋ってる感じが、気に
……けど、何だろう……
この世界の常識はまだ分かんないオレだが……この感じ……何なんだろうな……?
中学か高校で読み流していただけのあの内容が……今、
時間には関与しない『絶対的な敵』などいない……。
なぜなら、敵はいつも同じ”人間”だからだ……
”ザ・○ス”が言っていた事も……コレに繋がったりするのか……?
……だけど、それでもやっぱり……! あの人を”囲っていた光景”が……。
オレが
「ヒャッハ〜ッ! ……と言う訳だニイちゃ〜ん!
そう簡単にオレらは野垂れ死たくないんだから……大人しく死んでくれやァァァァァッ!」
〜 ザッザッザッザッザッザッ……! 〜
「おい待て! ヒャルバッ!? 勝手な抜け駆けは……!」
「アニキ達は、警戒し過ぎなんですよォォ〜!
このご時世! 武器どころか、
〜 ブゥゥンッ! 〜
「……(全く……相変わらずのデタラメな振り方だが……動かないようじゃあ、
「……」
〜 ……スカッ! 〜
「……ハッ?」
「……ど、どうした? 遅すぎるぜ……!
(あ……危ねェェェェェェェッ!? 何度も「オレは出来るッ!」……って、自己暗示気味に、オレを
「ハ……ハッ! ”マグレ”で
〜 ブゥゥンッ! ブゥゥンッ! 〜
「……ハッ! ヨッ!」
〜 ブゥゥンッ! ブゥゥンッ! ブゥゥンッ!〜
「……おおっとッ! ヨッ! ハッ!
(……アレ? 思ってたよりも……
「……ハッ!? おいッ! フランダッ!」
「……えッ?」
「何、ボサッとしてるんだッ!? サッサとあの”詐欺野郎”に魔法を撃てッ!」
「えぇぇ!?
「ヒャルバの馬鹿に、気を取られてる今がチャンスだろッ!? 早く撃てッ!」
「無理ですってッ!? どうやるんですかッ!?
ヒャルバとあの野郎が、こちとらから見て
〜 ブゥゥンッ! ブゥゥンッ! ブゥゥンッ! ブゥゥンッ!〜
「…… ヨッ! ハッ! ホッ……とッ!」
「クソッ! クソッ! クソッ! クソッ! クソォォォッ!? 何で当たらねェんだよォォォォォッ!?」
「……ホッ……とッ! さぁ? ハッ! 盗賊家業で……ヨッ!
……大分、躱す事にも慣れてきたな……! けど……何だ?
この躱すのが”ドッチボール感覚”に似てきて……楽しくなってきてつい、”おちょくちまった”けど……怒ってる? 怒ってる性で、
「ちょ、調子に乗るなァァァッ! このッ、デクの坊ガァァァァァッ!」
〜 ブォォォンッ! 〜
……おっ!? 予想外の大振り……! ……あっ、勢い余って
「オラァッ!」
〜 ドンッ! 〜
……踏み込みからの”
「どわぁぁぁッ!? とっとっとっとっとッ!?」
――良いゼェ……ッ! そう転ばず、踏み止まってくれたのは……実に良いッ!
〜 ザッザッザッ……バッ! 〜
「……テメェェェッ! このヒャルバ様に、一発蹴りを噛ませたからって何も変わら……ッ!?」
そう振り返って……! そんな
〜 グンッ……ブゥゥゥンッ! 〜
――”ジャンプパンチ”でェ……! ブン殴るッ!
〜 ……ゴッ、シャアァァァッ! 〜
「アビャァァァシィィィィッ!?」
〜 ゴロンッゴロンッ、バタァァァンッ! 〜
「「ッ!? ヒャルバァァァァァッ!?」」
〜 ゴロンッ、シュタッ! 〜
「ハァ…ハァ……マジかよ……! マジで……ヤれたのか……? オレはッ!?」
――ジャンプパンチ後の
いや……だって、バカっぽいコイツのステータスでもこうだったんぞッ!?
-------------------------------------
氏名:~U
<Code Name> 兵士H
年齢:~Unanalyzable~
性別:男性
職業:~Unanalyzable~第六部隊~敗戦兵~
属性:無
<レベル:15>
HP:366/400(VIT:+10)
MP:10/10
DE:6.0(~Unanalyzable~ +6.0)
能力値
STR:6.0
PER:3.0
VIT:10.0
AGI:2.0
INT:1.0
LUC:10.0(チキンソウル -10.0)
MAG:0.0
[ Intelligence ]
カス Lev.1
[ Luke ]
チキンソウル Lev.Max
Ex:~Unanalyzable~
所持金: 800Br
-------------------------------------
……ツッコミどころのある”スキル表記”があったけど、それは置いといて……
<レベル15>ッ! <レベル15>だぞッ!?
オレよりも
木陰から様子を
他の能力を比較するのを
けど……今もこう「スキャン」発動させて、「HP:6/400(VIT:+10)」……と、”ヒャルバ”の体力が表示されているのを見て確信した。
イケる……! イケるぞ……ッ! アイツらをブッ飛ばして……あの人を助け出せる……ッ! オレは……あの人の
〜 メラァァァァァァンッ! 〜
「おわッ!?」
〜ボカァァンッ! メラメラメラ……〜
「チキショウッ! よくもヒャルバをッ!」
「おいッ! 落ち着いて狙えッ!
そこら辺の岩を燃やしても、ヒャルバの
「うるせェェェッ! 今のは当たった
……伸びちゃいるが、まだ生きてるんだけどな……?
まぁ、助ける気は一切ないが……。
〜 メラァァァァァァンッ! ボカァァンッ! メラメラメラ…… 〜
「オラァッ!
そんな見え見えな場所に隠れてないで出てきやがれッ! クソ野郎ッ!」
「……ハァハァハァハァ……」
……イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤッ! 威力おかしいだろッ!?
さっきチラッと確認した”外した岩”もッ! 今背中を預けてる、
”グレネードランチャー”かよッ!? 最下位級(?)……って一番ショボそうな魔法で!?
あんな、
〜 メラァァァァァァンッ! ボカァァンッ! メラメラメラ…… 〜
「オラァッ! さっさと出てきやがれッ! クソがァッ!」
「おいッ! フランダッ! 無駄撃ちするなッ! 後、
――後”一発”? 確か……あいつの魔力は「MP:200/200」で、今まで撃ったのは”3発”……。
つまりは、あの「ファラ」って、魔法は一発撃つのに「MP:50」も必要なのか……?
……RPG
「うるせェよッ! ザカリーッ! テメェは悔しくないのかッ!? あんな腰抜け野郎に
「落ち着けッ! フランダッ!
お前の気持ちは分かるが、落ち着かなきゃ本当にアイツに翻弄されかねんかもしれないぞッ!?」
「じゃあどうしろってんだよッ!?」
「……オレが引きずり出してくる。
お前は……引きずり出した所を撃て。そうすれば確実に当たるだろ……なっ?」
「……チッ、だったら早くしろよ……」
――ヤベッ!? 早く何かしら手を打たないと、オレが
……チラッと見たが……あのザカリーって奴、直ぐにでも撃ちたいのか……
どうする……? 石でも投げつけて、あの魔法を
〜 ……ザッ、ザッ、ザッ、ザッ…… 〜
――ッ!? 近づいてきてるッ!? ヤベェヤベェヤベェヤベェヤベェッ!?
もっ、もう迷ってる暇はねェッ! ヤルしかねェ! 当ててやるしかねェッ!
「ウオォォォォォォォォォォォォォォッ!」
「ッ!? なっ、何だッ!?」
――隠れた岩の傍に落ちていた”石コロ”を拾いつつ、
岩の影から飛び出し、”エアソフトの擬似
〜 ビュゥゥゥンッ! ……ゴッ! 〜
……Noooooooッ!?
……しかし、唐突な気合の入れ過ぎで緊張したのか……。
全力で投げつけた石コロは、目標を
「ッ!? フランダッ! 大丈夫かッ!?」
――頼むッ! 倒れろ! 倒れてくれッ!
「アゥゥゥゥグググググゥゥ……ファ、
だ、大丈夫だ……ザカリーッ!」
……嘘だろ!? 全力投球で投げたんだぞッ!? しかも顔面にッ!?
気絶しても
「……この野郎ッ! 何が狙いだったか知らないが……よくもフランダをォォォ……ッ!」
〜 ガクン……ドサッ! 〜
アァァ……終わった……! 誘爆させられなかった……。
当てた衝撃で
傍にヒャルバとかいう奴が使っていた”ボロボロの剣”が落ちているけど……流石に色々と鍛えてたオレでも、
「……ハッ! 何があったが分からんが、やっと大人しく死ぬ気になったか……!」
……つまり、他の異世界転生・転移ラノベのなんかの主人公のように、即座に剣とかを手に取り、勇者の如く、勇敢かつ
元々ヘタレだしッ!? だから自己暗示してたワケだしッ! それにモブだった
だから無理ッ! 剣を使って防げたとしても、それで終わりッ! それだからか……暴投した時から抜け掛かっていた膝が完全にヘタれて、両手を頭に抱えたまま崩れ落ちちまったよ……!
「……それで良いんだよ。
そうゆう風に、最初から大人しく……! 頭、カチ割れやがれェェェェッ!」
……「あぁ……これが
奴の剣の先端で……
えっ!? 火魔法!? 火炎剣ッ!? オレを倒すのにそんなに本気ッ!?
……なんて、普通は迷いそうだったが……何故か
斬られそうな瞬間だというのに……オレにはあの火の玉が「打ち損ねたファールボール」の様に見え、同時に「魔法は消えたのではなく、石が当たった
そして……そこからのオレの行動は……自身でも信じられないぐらいに、
〜 ブゥゥゥン……ゴロンッ! 〜
「ハッ!?」
――まるで誰かに操られたかのように……オレは瞬時に
そして、先程まで身を隠していた”岩の陰”へと転がっていた……。
すると、入ったと同時に――自身の拳よりも少し大きい石コロを瞬時に掴み上げ……!
〜 ガッ、バッ! 〜
「オラァァァァァァァァァァァァッ!」
「ッ!?」
――岩を駆け上って大ジャンプッ! 自分より頭一つ分ぐらい低いザカリーの身長より、約1.5倍ぐらいの高さまで
「信じられない……!?」 オレがこんな事が出来るなんて……!? という、
〜 ……ガンッ、シャアァァァッ! バタンッ! 〜
再びの”ジャンプパンチ”で、ザカリーとか言う奴の顔面をブン殴るッ!
しかし――咄嗟に両手で剣を逆手に持ち、剣の
……というか態々、石を持って殴り抜いたのは
〜 ……ゴロンッ、ザッザッザッザッザッ……! 〜
体の方は殴り抜いた後の受け身を取るために
勿論、向かう先は先程の”火の玉”を発動させた”フランダ”とか言う男の元で……!
「えぇぇぇ!? ちょぉッ!? ザカ……オブウェェェ!?」
……すれ違い様に、鎧のない
〜 ……ガシッ、グンッ! ズルッズルズルッズル…… 〜
「おっ、おいッ……!? 何をする……ッ!?」
今にも地面でのた打ち回りそうな、青ざめた顔をしているフランダとか言う奴の戯言に構わず……。オレは、奴を”羽交い締め”にすると……そのまま
〜 ……ズルッズルズルッズル……バッ! 〜
……そして、”火の玉の落下地点”にフランダとか言う奴を引き摺って来た後……オレは素早くローリングをして、その場から
そうして……状況を把握出来ず、未だ
〜 メラァァァン……ボカァァンッ! メラメラメラ……グラッ、バタンッ! 〜
……グロッ!?
無防備に受け止めた頭は、首の根本に焼け
……
不思議と
「まさか……オレの知らない間に、オレは
――ローリング後、起こしていなかった体を起こしながら……好きだったラノベの一つを思い出していた……。
それは――異世界転移して、
まぁ良いや……今考えても、答えなんて出ないしな……。
それになんで、さっきの「ピッチャーフライ」みたいに――魔法に”重力の
「結局、銃……使わなかったよな……」
――何とも言えない”
いやだって、
撃つのが久しく、「戦闘になったから直ぐ使えッ!」……って、状況でもなくなった以上……
「ガンズクリエイトッ! フリントロック・ピストルッ!」
〜 ……ポワァァァァァァ……バシュンッ! 〜
――眼前に右腕を伸ばしながら、そう叫ぶ。
すると、右手が徐々に”赤く”
「……おぉぉ! スゲェ……ッ!」
――思わず
だが、そこから右手首を回転させ、銃を舐め回すように
「……火皿には、
――まずした事……それは、
「弾は……弾も詰め込まれてるのか……!」
――続いて、
結果は勿論――
……と、こんな感じにどんなに
……毎回、射撃場で言われてウザいと思っていたモノの……
……とまぁ、この銃を調べた現状の結論からは、「
「……ウッ、ウゥゥゥン……」
「ッ!? あッ、ヤベェ……忘れてた!」
――久しぶりに触れた銃に夢中になり過ぎてたのか……すっかり、本来の目的を忘れ掛ける所だった……! 済まない、名も知れぬ人よ……放置プレイしてて、スマン……ッ!
「さっき、腹とかを蹴られてたからな……待ってろ、今すぐ治療を……!」
〜 ……ザッ……ザッ……ザッ…… 〜
「ッ!?」
〜 グルンッ! チャキッ! 〜
「……何…のつもり……だ……?」
「さぁな? だが……”
……全く、ビックリしたぜ……!
「マジかよ、ザカリー!?」……って、”クサイ
まさか、石で顔面をブン殴ったってのに……
……異世界人、
背後へと振り返り、右片手で銃を構えるオレから約2〜3m先――奴の顔面は真っ赤に
ブン殴った際に何本か折れたのだろう……。歯が折れた所から血もダラダラと流れていて……そう、簡単に想像出来た。
しかし……偶然にも、
「この…野郎……ッ! よくも……ヒャルバと……フランダを……ッ!」
――いや、だからヒャルバさんは生きてるって……。
フランダの野郎は、どう
「……お前ら、言ってたよな? 「生きたいから、オレらを殺す」……って」
「……ア゛ァァ?」
「……クソで馬鹿な野党共だろうお前らにも、特別……! 分かり易く言ってやるよ……?
お前らを倒す理由……それはな? さっきの言葉を、
「ッ!? だから……だからって……二人を……ッ!?」
「
何時からお前らは、「狩られる側」に
その言葉を口にして、一体何人の「犠牲者」に
「……ッ!?」
……ホント、偉そうに
「それとな……テメェに言われるのが癪過ぎるから、先に言わせてもらうが……。オレの後ろで伸びている奴を”助ける理由”……」
「……助ける…理由……?」
……何だろう……人に銃口を向けたのは、エアガンしかなかったからか……腕が……震える……?
「オレは……オレはもう――
苦しんでいたり……困っていたりする人を……”力がない事”を理由に逃げるのは……ッ!」
――震える声と照準を、銃のグリップを握り直す事で納めつつ……オレは言葉を
「だからもう……
この手に握る”力”を手にした以上……! オレはオレの”信じたい道”を突き進む……ッ!
つまりだな……もう負けは確定しているこの状況で、お前がその剣で”最後の悪足掻き”をしようってモンなら……!
殺す……ッ! お前の剣以上に”危険なコイツ”で、確実にテメェを仕留めてやるゥッ!」
……我ながら、カッコ悪い
……だからこそだ。だからこそ……アイツにも、今後の自分ためにも……ここで言ってやったんだ。
「初めて人を射殺する」……震える腕に
「笑わせるなよ? そんな棒でか!? 魔力の欠片も感じないその
「あぁ、そうさ。勝ったも同然さ。テメェの握っているそんな”ナマクラ”よりも……圧倒的に
「……クッソォォォッ! さっきから図に乗りやがってッ! どれだけオレをおちょくれば気が済むんだッ!? もう我慢ならん! ……殺してやる、二人の仇だ……! 絶対お前をブッ殺してやるゥゥゥッ!」
――いや、銃に関しては事実を言っただけだから。
けど……さっきまでは、「オレの正義感」と「自分がモブだって事実の
「ヘェ……「ブッ殺す」……ねェ?
ところでアンタァ? それって毎回、相手を
「あ゛ァァァッ!?」
「それってなぁ……? とある世界じゃあ、「マンモーニ」……「ママっ子」って意味で……
〜 ……プルプルプルプルプルプル…… 〜
――自身の”チート能力”が分かり始めてきて……。
「フンッ、どうしたんだい? ザカリーちゃん? そんな俯き、生まれたての
まさか、オレの事が”初めて怖い”と思って……玉金でもなくなっちまったのかぁ?
えェェ〜? マンモーニのザカリーちゃぁぁん?」
「ッ!? テメェェェェッ! それは
「……はて? 今、言った言葉の何処に”フランダ”……って、
……楽しくなって来た……!
「……クッソォォォォォッ! ブッコロスッ!」
〜 ……ザッ! ザッザッザッザッザッ……! 〜
――”不敵な笑み”を浮かべながらザカリーって奴を
それに対してオレは、奴に冷静に照準を向けたまま微動だにせず動かないでいた……。
……恐怖心?
けど……それ以上に、オレの頭の中ではアニメなどの物語の主人公が、
それがオレの恐怖心を緩和させ、逆にオレの闘争心を
……”不適な笑み”が今も止まらねぇが……「処刑用BGM」だったか? こういうのって?
「死ねェェェェエェェェェェェッ!」
〜 ザッザッザッザッザッ……ブォォォンッ! 〜
――再び、上段からの大振り。しかも、助走付きで威力も増してるだろうと来た……。
当たったら間違いなく……オレは縦真っ二つの、”ボンレスハム”にでもなっちまうだろう……。……だけどな?
〜 バッ! ……スカァァッ! 〜
「……何ィッ!?」
……そんな上段の大振り、
「ウオォォォォォォォォッ!」
〜 ブゥゥゥンッ! 〜
――左に”サイドステップ”して、剣を空振りした”奴の側面”を
俺に向けて振り直すにも隙が出来る今ッ! その無防備になった顔面に……ッ!
「……ラァァァァァァッ!」
――”右回し蹴り”を……!
〜 バッ、キャアァァァァッ!〜
――叩き込むッ!
「オッ!? ブウェェェェェッ!?」
〜 ゴロンッゴロンッゴロンッゴロンッ、ドカンッ!〜
「ハァ……ハァ……ハァ……漏らすかと思った……」
……いや、マジで怖かったよ……。
なんせ、言葉に出来ねェ程に
さっきの
〜 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……チャキッ 〜
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
……ホント、異世界人の体力にはビックリだよ……。
さっきの走りから、止まる最中に当たった性か……助走の勢いを殺しきれず、それが俺の回し蹴りと当たった事で「
奴は当たった衝撃で、オレが初めに”ジャンプパンチ”で殴り飛ばした以上に転がって行き……その
今だって、ホラ……後頭部から盛大に出血して、足も満足に動かせず――何とか岩に寄り掛かるように座り込んでいるって言うのに……。
気絶もせず、
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
――まぁ、そんなこんなで「スキャン」で見ても「HP:44/363(VIT:+3)(出血中)」……って、”状態異常”付きの
今も、5秒に付き「HP:1」ずつ減って来ているから……後、
……けどまぁ、
「正義じゃあ
とある”極道ゲーム”の
「……そうそう、言い忘れてた事があったんだけどよぉ……?」
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……?」
――「口に出して言わなきゃ、誤解される」。
それで今までの19年間、散々酷い目に合い、ラノベでも学んできたオレは――
「……オレは魔族なんかじゃあない。”北東の魔大陸”なんてのも聞いた事もない……。ただの一般市民……いや、”旅人”みたいなモンだ」
「ッ!? ハァ……ハァ……ハァ……旅、人ォッ!? ハァ……ハァ……その……実力で……ッ!?」
――おいおい、ラノベじゃあ”ド鉄板”な「自分は旅人or田舎者です」設定に、ケチ付けるつもりかよ……?
「……褒めてんのか、
……逃げるな……オレは……成るんだろッ!?
「……テメェらみたいな
……言い切れたぁぁ……!
後は、コイツが何を言おうと……オレはコイツらに襲われていた”あの人”を助けるだけ……!
「ハァ……ハァ……ハァ……フッ、
オレらを殺して……オレらの…獲物を……ハァ……ハァ……奪いやがった……ッ!
テメェは……英雄なんかじゃあねェ……! ハァ……ハァ……ただの……ハァ……人殺しだッ!」
……あぁ、分かったよ……さっきから感じてた
アレだ。”海外の人達”と話しているような……多分、「価値観の違い」って奴なんだろうな……。だから……さっきから噛み合わなかったんだろうな……。
「人殺しが”ア
「……勝手に言ってろ、クソ野郎。
ただ、決定的に違う事が
……絶対に突き通してやるッ!
……オレは「フリピスの
〜 チキキキッ、カチッ! 〜
「確かに、テメェらから見れば……オレはテメェらの獲物を
「……助けた? あの獣女……
……チッ! 人種差別? ”差別”してんのかッ!? またオレが
「……へぇ、アイツ”獣人の女性”なのか……
――異世界の代名詞の一つだろッ!? ファンタジーだろッ!?
是非、お仲間にでもなって欲しいモンだねェッ!
「ッ!? バカか……お前……ッ!?
王国が……ハァ……ハァ……
〜 ドゲシャアァァァッ! 〜
「ゴボォォォッ!?」
「……もういい。
それ以上、”不快な事”を言うんじゃあねェよ、クソ野郎……」
……ヤベッ、地味に情報が聞けそうだったのに、「奴隷の対象」って聞いた瞬間に……
……いや、実際出たのは
それよりも、そろそろコイツの体力も”一桁台”に突入しそうだし、失血死されるよりも早く……
「……まぁ、何だ。
これが本当の最後に……って事で言っておこう……」
「ハァ……ハァ……ハァ……?」
「ありがとよ。オレが
――「悪党じゃあない」……って事を示すため、オレはあえてコイツに礼を言う。
……勿論、心を込めて感謝する相手じゃあないから、
「ハァ……ハァ……ハァ……チュート……リアル……?」
「……意味は知らなくていい。ただ、”感謝されてる”とだけ思っとけ……」
「ハァ……ハァ……ハァ……?」
……意識が
受け答えも、もう満足にできてねェし……白目になり掛けて来てやがる……。
……”切腹”って感じでもなく、銃だけど……
「……”
~ キンッ! シュボッ! ~
「ハァハァハァハァハァ……ッ!?」
~ ズバンッッ! ~
……この世界で……初めて、”命”を刈り取った
<異傭なるTips>
前話でも彼が語っていたように、彼には少なからず「英雄願望」がある。
彼には友人が全くいなかった訳ではないが、ほとんどを”一人”で過ごす時間が多かったが故に……
今の”趣味”や”サブカルチャー”をカジり回り、特に”ゲーム”や”
そんな
しかし……それは、全て
だが……彼は諦めたくなかったのだ……!
だからこそ――今日までに、彼は細々ながらも体を鍛え続けた……。
だからこそ――独学ながらも現実の武術や、ゲームや漫画などの自身が”再現可能”な技を
だからこそ――今回のように、素人で無傷ながらも……”泥臭い勝利”を掴み取る事が出来たのだ……!
……いつか誰かを助けたい……!
誰かのためになれる”
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