フリー・ライフ・リベレイション〜アルケミーライフ〜
@Kurohyougau
第1話 アルケミスト
フリー・ライフ・リベレイション。現在、世界中で大人気のVRゲーム。そのゲーム世界に、今……
僕は、立っている。
と言っても、右も左も分からずポツンと立ってるだけなんだけど。うーん、困った。どうしよう?
やっぱり、最初は冒険者ギルドだよね?
と言う訳で、やって参りましたギルド!やっぱり、人が多いなぁ。さて、冒険者登録しよう。
「アレンさんは、錬金術師ですね。どうぞ、冒険者カードです。説明は、あちらで受けてください。」
受け付けの人に言われ、行って戻ってくる。
「あら、今度は錬金術師が多いわね?」
「そうだな、薬屋さんの影響もあるし。それに、錬金術師は効果が良ければ引っ張りだこだ。」
なるほど、薬屋さん?えっと、プレイヤーかな?
「あの、錬金術師ってまず何をすれば?」
「あー、取り敢えず傷薬を作るんだっけな?」
戦士の男が、考えるように言う。すると、剣士の人が、ため息を吐き出してから僕を見て言う。
「違う。まずは、薬草を手に入れる所からだ。」
「グレンさん、確かに。素材なきゃ、意味ない。」
うーん、となると森かな?その前に、レベル上げないと。でも、初心者のレベル上げに適したナルコ草原は初心者だらけだし……。うーん…。
それに、錬金術師ってどうやって戦うんだろう。
「錬金術師って、どうやって戦うんですか?」
「俺の友達は、薬を使ったりナイフで戦うぞ。」
ふむふむ、薬は無理でもナイフなら……
「ありがとうございました。」
僕は、取り敢えず森へ向かう。
さて、やって来たのは良いけど。どれ?薬草!
全部、雑草って書いてあるんだけど!?
「えっと、SPでスキルを取らないといけないのか!鑑定のスキルは…えーと、えーと?何処だ?」
画面をスライドさせ、戸惑いながらスキルを探す。
「よし、あった!ここらは、薬草が少ないなぁ。」
全部で、15本の薬草をゲット!
すると、フィールドが夜になってしまう。夜空が綺麗で、思わず見上げていると聞こえる騒音。
「ん?」
すると、黒い化け物が四つん這いで向かってくる。
「へ?ちょっ、何あれ?何あれ!?」
アレンは、慌てて走り出すが相手が悪かった。初心者殺しである徘徊モンスターだ。
「ぎゃあー、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」
「おいこら、馬鹿かよ!」
すると、剣士の青年2人が剣を一閃。
「ちょっと、無謀すぎないか?」
「あ、あの?」
すると、2人は苦笑してから言う。
「ああ、錬金術師か。最近、増えたよな。でも、初心者だし無謀な事はするんじゃない。俺は、マッキーだ。見た所、短剣も所持してないし危ないぞ。」
「このフィールド、普段はレベル1〜15が対象なんだが。夜は、15〜30までに跳ね上がる。攻撃手段は必須だしどう見ても無謀だな。ちなみに、俺はトキヤだ。もしかして、知らなかったか?」
僕は、嘘をついても無意味なので頷く。相手は、戦い慣れていて強いのはよく分かっている。
「あの、ありがとうございました!」
「おう、気をつけて帰れよ?」
そう言うと、トキヤさんとマッキーさんは茂みの向こうへ消えてしまった。さて、大人しく帰ろう。
街に戻り、レシピについて調べているんだけど。
「えっと、レシピってどうやって手に入れるの?」
「あら、初心者かしら。初心者用のレシピは、NPCから買えるわよ。だいたい、安いので10Gよ。」
なるほど、NPCか。そう言えば、外に居たかも。
「あたしは、シャルムよ。何かあれば、隣の机で作業しているから呼びかけてね。じゃあ!」
うーん、レシピが無いと作れないのかぁ。作業台を借りたのに、貸出用金が無駄になっちゃった。
「君は、錬金術師……ですよね?」
黒い髪を、1つに纏めた少年が言う。
「うん、そうだけど?」
「薬草は、持ってます?」
少年は、優しく笑うと初心者用の錬金道具を出す。
「へぇー、道具も必要なんだ。」
「それは、当たり前ですよ。」
少年は、困ったように笑うと薬草を見ている。
「あー、もしや採取は持ってませんか?」
「採取?えっと、持ってないよ。と言うか、基本が分からなくって。どうしようかと……。」
少年は、考える仕草をすると頷く。
「仕方ないですね。この薬草では、傷薬しか作れませんけど。まあ、先ずはチャレンジしましょう。」
「それで、どうすれば良いの?」
「まず、薬草を錬金鍋で煮込みます。」
少年が言うには、薬草を茹でて水を切る。そして、水を切った薬草をすり鉢へ。そして、ゴリゴリとすりつぶし青汁みたいな見た目になるまでゴリゴリします。錬金鍋に、再び青汁もどきを入れて適度に水気を蒸発させます。すると、しっとりした緑の軟膏が完成した。これで、傷薬は完成だそう。
おお、傷薬のレシピが追加された!
「もし良ければ、採取を取得し薬草を取ってブリーズってお店に持って行ってください。そしたら、良いお値段で取引してくれますよ。きっと。」
「ありがとう!」
「いえいえ、お気になさらず。では、お店で待ってますからね。頑張って、レアリティを上げてみてください。同じ、錬金術師として応援しますね。」
僕が真面目に頷くと、少年はシャルムさんに向かって行った。きっと、友達なんだろうなー。
「シャルムさん、素材はこれです。」
「やったー、ありがとう!これで、クリアよ!」
アレンは、そんな2人を見てから傷薬を作った。
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