パラサイト・ワールド2  コード・B:エボリューション

MK マッチー

序章 __再びのプロローグ__

?:「…………また失敗か」


大型モニターを睨み続ける、白衣を着た白髪混じりの男が呟いた。


「何故だ、何故失敗する。何が足りない? 俺に一体何が足りないというんだ!!」


両手の拳で書類が散らばったデスクを、何度も何度も叩く。

その暴力的な音は室内を反響する。


?:「マスター、報告します」


男の背後からモニターが映し出され、落ち着いた女性の声が響き渡る。


「生態系異常を感知しました」


?:「……どういうことだ? 分かりやすく言え」


?:「草食動物である鹿が、同種である鹿を襲っています。そればかりか

肉食動物である、熊をも襲っています。この現象は森羅万象及び、

生態系のデーターから大きく逸脱しています。異常だと認識せざる負えません」


?:「確かに異常だ……。だが何故そんな事が起きている?

……お前の見解を聞かせろ」


?:「推測するに可能性としては、寄生虫ノーミンが関わっている、のでは

無いかと思われます」


?:「……つまり、軍の封じ込め作戦は失敗したと?」


?:「私の可能性が正しければ、そういう推論が相応しいかと」


男は手を口に当て、少し何かを考えた後、不気味な笑みを浮かべた。


?:「いいぞ、これは好機だ。“例のウィルス”を完成出来るかもしれない。

お前は命令があるまで待機だ。アイツにもまだ動くなと伝えろ」


?:「了解しました」


そう言ってモニターは消える。一人残された男は、追い風だと独り言を呟き、

不気味に笑った。その笑い声は薄暗い森林にこだました。


___再び悪夢が動き出す___

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