続桃太郎、鬼ヶ島の戦後統治

@884403k

エピローグ、とある一匹の赤鬼

かつて鬼は人を喰う鬼畜として世界を脅かしていた、その後、桃国出身の桃太郎を中心に犬族、猿族、キジ族などによって人を喰らう鬼達は討伐され世界に平和が訪れた。

そう赤鬼族出身のクマ・ゾウシンは学校で習っていた、そして学校の授業ではこう続く、かつて我々、赤鬼族は植民地支配等で世界の平和を脅かしたとんでもない罪を犯してしまったなので、我々、赤鬼族は世界に対して、贖罪しなくてはならないと。

また、赤鬼族は世界を再び脅かさないようにと独自の戦力を持つことを憲法で禁止されている。

それが一般的な赤鬼世界における標準的な教養になっている。

だがゾウシンは違和感を覚えていた、というのも祖父のシキ・スケノブの教えと全くことなっていたからだ、スケノブは鬼前では白い目でみられることを避ける為、歴史、政治的なことに関しては話すことは決してなかったし、話すにしても赤鬼は世界に対してとんでもないことをしたという一般的な論調に合わせていた、鬼前で歴史、政治の話をしてはいけないとゾウシンに強く教えていたが、家の中では時々酒に酔って「何が植民地支配だ、我々は種族の独立の為にたちあがったのだ、何が慰安鬼だ!あいつらは単なる売春鬼だ!!何が平和に対する罪だ!!!法の遡及適応などありえない!!!!人を食べる鬼などいるか!!!!!」等、よなよな嘆いていた、祖父は大学まで出て戦前、教職についていたが、戦後、鬼ヶ島を統治していた桃国出身者の連合国最高司令官、桃太郎を中心とした犬族、猿族、キジ族、黄鬼族からなる連合国最高司令官総司令部の教育方針、戦犯国として赤鬼族がいかに世界に対してひどいことを行ったかという桃国出身者にたった視点の教育方針に、スケノブは赤鬼族としての誇りを捨てることができず、その教育方針に逆らった為、教職を追放され薄給で中卒でもなれる土木作業員として従事していた、自分より二回りも年下で学もない上司に顎で使われるのが嫌で嫌でしょうがなかったのだろうが家族を養っていく為、己の誇りを捨てて必死に働いた。

そして誇りある赤鬼族が再び世界に立つとき正しい歴史認識を持ってなければいけないと赤鬼族が先の戦争に至った経緯を次世代を担うであろう子であるクマ・タロウシンや孫であるゾウシンに語り聞かせるのであった。

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